怒っていたり、考え事をしながら竿を握っていると鮎が掛かってくれない。竿、ラインを通して気持ちの動揺や集中力、やる気のなさがオトリ鮎に伝わり、野鮎を誘う動きにならないのだろうか。
言い換えれば、釣り人の気持ちをオトリが感じとり、負のスパイラルに突入させようとしているのではないか。仲間の野鮎が罠にかからないよう守ろうとしているのだろうか。
特にカッカしている時は本当に釣れなくなる。今までの入れ掛かりがウソのようにパタッと釣れなくなる。引き船で休憩している別のオトリに登場してもらえばよいのだが、何とかダメオトリの気持ちを入れ変えさせたくなる。場所を変える、道糸、ハリを変える、逆バリの打ち方を変える、背バリを打つ、オモリをかませる・・・、鮎の気持ちが変われば動きが変わる、そして、ようやくヒット。この1発ほど嬉しいものはない。
鮎の気分が良い時は何もしなくても仲間を連れてきてくれる。オトリのご機嫌が悪い時に、釣り人がいかにご機嫌取りできるか、鮎友釣りの面白さです。鮎のご機嫌がなおるのをただ待っていては日が暮れてしまう。
ルアーにはない気持ちをオトリ鮎は持っています。オトリへの「思いやり」なんですね~。


