アップル対FBIの話が日本の国会でも話題になったようですが、アップルやそれを支援する人々の主張はあまりにも過大解釈し過ぎていてちょっとおかしいと思う。話を大げさにして大義を議論するほどのものではなく単なる一商品の限定的な話です。

もしあなたの家族がテロリストに殺されたとしたら、その原因を追究し事件を解明したいと思いませんか?
もしあたながテロの被害にあうかもしれない時、それを阻止したいと思いませんか?
それでもあなたはちっぽけな電卓を大切だと思いますか?

アップルにしてもグーグルにしても、自分たちはユーザの個人情報を散々利用しておきながら、FBIには見せたくないといっているわけです。それは個人情報保護ポリシーではなく単なる企業利益を守るためです。

グーグルやFacebookなどはその個人情報をエネルギー源として成長したといっても過言ではありません。
企業活動において無料のサービスなどあり得ないのです。

ハッキングツールはメーカーが作るまでもなく日々アタックされ続けています。
それはアップルもよくわかっている話で日々マッチポンプの繰り返しなのです。

アップルの心変わり? 脱獄アプリ開発者が次々とアップルで働き始める
http://www.gizmodo.jp/2016/03/post_664163.html

アップルは過去にも何度なく裁判所の命令でiPhoneからデータの取り出しを行っている。
なのにどうして今回だけ拒否したのか?
スマートウォッチの失敗とiPhoneの売り上げが落ち込んでいるこのタイミングだらでしょうか?
それとも新商品のキャンペーンでしょうか?

アップル、まもなく新製品発表
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46209

こんな事件を起こす程度の企業ポリシーですから・・・

アップルの電子書籍訴訟、控訴審が和解案を承認
http://jp.wsj.com/articles/SB11865717880025093900504581548003907225280

↓そのとおりです。

米司法省、Appleの申立てを拒絶。腐敗したレトリックだと非難
http://jp.techcrunch.com/2016/03/11/20160310justice-department-rebuffs-apple-accuses-company-of-corrosive-rhetoric/



問題の本題はここからです。

世の中の情報の流れは今後ますますIT化により加速されることは必至ですが、日々膨張し続けるビックデータやブラックボックス化が進むプラットフォームには多大な危険性が含まれています。

特に最近はAI技術の発展で自動運転などにも利用されようとしていますが、そのプログラムの安全性を誰が判断するのかという問題があります。メーカーの勝手な判断でゆだねて良いのか?大いに疑問です。
単純なバグによって人が轢き殺されてはたまったものではありません。

グーグルのAIが囲碁のゲームに勝ったようですが、ゲームに勝ったからといって自動運転も大丈夫というわけではない。現実社会は単純に碁盤の目に区切られているわけでもないし、白黒の駒が微動だりしないわけではない。
万物には色や形に匂いといったマテリアルがあり、それぞれが思うがまま自由に漂っているのです。
比較にならない複雑系であって、都会から田舎に行けばいくほどその複雑さは増します。
自然相手となるとその複雑系はそれこそ天文学的な解釈が必要になります。

スマホやゲームプログラムならどうでもよいことですが、私達の生活に直結する社会インフラをコントロールする仕組みを一企業に牛耳られる可能性が潜んでいます。
もしそのプロクラムのコードの中に悪意のあるコントロールを仕込めば、莫大な利益を得ることもできるでしょう。
安易にIT企業を信用してはいけません。
彼らはあくまでも純粋に経済性だけを追求する企業組織なのです。

一部の企業利益を優先することなく公益を重視する何らかの規制が必要なことは確かでしょう。将来的にコンピュータシステムは暗黙の社会ルールになり法律に匹敵する影響を持つ可能性もあります。

最大の問題は、将来的にはそのコンピュータシステムを誰もコントロールできなくなることです。
AIなどの自己学習的なシステムと過去からの膨大なバグを大量に含んだコードはますます肥大する一方です。
おそらくどんな天才でもその全てを掌握することは現状でも不可能でしょう。
つまり人のコントロールを超えてしまた時、SFっぽい話が現実になります。
既にその一線を踏み越えてしまっていることは確かです。

この問題はその課題を提示したと思います。