一つのランドセルがつないだ、新たなご縁
ポストマンプロジェクトは、2007年から続いている活動です。
日本で役目を終えたランドセルや文房具、衣類などをフィリピンへ届け、子どもたちや地域の方々へ直接手渡しする活動を続けています。
私自身がこの活動に参加するようになってから、今年で丸3年になります。
参加した当初、より多くのランドセルや文房具を集めるため、母校である立命館高校へ協力のお願いに伺いました。
そのご縁がつながり、今回、立命館高校の先生方から「高校生の課題研究として、この活動に参加させてもらえませんか」というご相談をいただきました。
こうして今回、高校3年生で私の後輩でもある工藤くんと、その親御さんが、フィリピン・ヌエバエシハ州での活動に同行することになりました。
私たちが現地で行ったのは、日本で役目を終えたランドセルや文房具、そして着なくなった洋服を、自分たちの手で現地まで運び、子どもたちへ直接届ける活動です。
誰かを介して届けるのではなく、自分たちの目で現地を見て、自分たちの耳で子どもたちの声を聞き、自分たちの手で届ける。この「直接届ける」ということを、私たちは何よりも大切にしています。
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「教えること」で広がっていった笑顔
今回、工藤くんが取り組んだ課題研究のテーマは、
「人は、人に教えることで幸福を感じるのか。」
日本文化の一つである折り紙を題材に、「兜」の折り方を現地の子どもたちへ教えました。

まず工藤くんが子どもたちへ折り方を伝え、作れるようになった子どもたちが、今度は同級生や下級生へ教えていく。そして最後に、人へ教えたことでどのような気持ちになったのかをアンケートで振り返るという内容です。
事前に現地のスタッフの方から、「フィリピンの子どもたちは手先を使う細かな作業が少し苦手な子が多い」と伺っていました。
そのため、日本文化の一つである折り紙を楽しんでもらえるのか、正直なところ少し不安な気持ちもありました。
しかし、その心配はすぐに吹き飛びました。
子どもたちは工藤くんの説明を真剣に聞き、分からないところは友達同士で助け合いながら、一生懸命取り組んでくれました。
そして、自分ができるようになると、今度は別の子へ教えようとする姿が自然と生まれていました。
「教える人」と「教わる人」という関係ではなく、学びが子どもから子どもへと広がっていく。
知識や文化を伝える喜びは、国や言葉の違いを超えて共通するものなのだと改めて感じました。

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心に残った、涙ながらのスピーチ
訪問した学校はどちらも歓迎ムード一色で、先生方や子どもたちが私たちの訪問を心待ちにしてくださっていました。
中でも最も心に残っているのが、2校目に訪れた小学校での出来事です。
その学校では、障害のある児童やそのご家族とも交流する機会をいただきました。
私たちの訪問に対し、ある保護者の方が涙を流しながら感謝の言葉を伝えてくださいました。
何度も言葉を詰まらせながら、それでも精一杯想いを伝えてくださる姿を見て、私自身も胸が熱くなりました。
現地の方からは、障害のある子どもが生まれることを、「神様がその家庭を訪れてくださった」と受け止め、家族や親族みんなで大切に育てていくという考え方があると伺いました。
もちろん、地域やご家庭によって考え方はさまざまだと思います。
それでも、その言葉からは、子どもの違いや個性を受け入れ、一人のかけがえのない存在として家族全員で支えていこうという深い愛情を感じました。
私たちは支援をするために訪れたはずでした。
しかし実際には、人を思いやる心や家族の絆、目の前の人を大切にする姿勢を、現地の皆さんから教えていただいたように思います。
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支援するつもりが、学ばせてもらっていた
今回で私にとって4度目のフィリピン訪問となりましたが、ヌエバエシハ州を訪れるのは初めてでした。
ランドセルや文房具、衣類などの物資を日本から運ぶ活動だけを見ると、私たちが「支援する側」、現地の子どもたちが「支援を受ける側」のように映るかもしれません。
しかし、実際に現地へ足を運ぶと、その関係は決して一方通行ではありませんでした。
子どもたちが見せてくれる純粋な笑顔。
私たちの訪問を心から喜び、限られた環境の中でも温かく迎え入れ、精一杯のおもてなしをしてくださる学校や現地団体の皆さん。
その一つひとつから、人を思いやることの大切さや、誰かのために行動することの尊さを学ばせていただきました。
私たちは日本からランドセルや文房具、衣類という「物」を届けました。
しかし、現地の皆さんからは、それ以上に大きな学びや気づき、そして一生忘れることのできない経験をいただきました。
今回、改めて感じたのは、ボランティアとは「何かを与える活動」ではなく、「互いに学び、互いに成長する活動」だということです。
振り返れば、多くのものを受け取っていたのは、むしろ私の方だったのかもしれません。
今回ご一緒した工藤くんにとっても、課題研究という枠を超え、人に教えることの喜びや、文化を通じて心がつながる瞬間を体感できた貴重な経験になったのではないかと思います。
そして私自身も、この活動を通して改めて、人と人とのつながりの大切さ、そして「届けること」の本当の意味を考えさせられました。
現地でいただいた笑顔や優しさを日本へ持ち帰り、新たな仲間や支援の輪へとつないでいくこと。
それが、2007年から続くポストマンプロジェクトが紡いできた想いであり、私自身もこれから先、この活動を続けていきたいと改めて強く感じたフィリピン訪問となりました。























