佐渡の海で泳げば
いろんな岩場で目にする
まるで工事中のテープ縞の魚
これが釣り人垂涎の魚
石鯛の幼魚である
我が村ではカタバと呼ぶ
固い歯だからだと思う。
磯の三枚網にかかったり
アブラメ釣りにゆくと釣れる。
こいつが成長すると
黄ばんだ肌が真っ白くなり
黒の縞が入り石鯛らしくなる。
そして体長が30センチを超えると
全体的に黒ずんできて
縞もわからなくなるという。
岩場の深いところに潜み
固い歯で貝でもガリガリに噛んで
餌にしてしまう。
九州から帰省した兄が
深いところでこいつを見つけたが
夕方近くになってしまい
岩の奥が見えないらしく
翌日チャレンジするという
兄はひたすら一本のゴムヤスで
魚突き漁が専門
ハチメ
カサゴ
アブラメ
ベラ
タナゴ
そいつを軽く空焼きにして
持ち帰り時より
九州の甘い醤油で煮えつけにして
しこたま酒を煽ることがしばしば。
翌日ものの見事に石鯛を突いた
頭は黒ずんでいて
尻尾の方に白い部分が残る大物。
ただ石鯛は夏の間は磯臭い
いわゆるネコマタギな魚
たぶん食べる餌の性であろう。
こんなでかいのを空焼き出来ない
だからおしるしとして
カブトだけ空焼きにした
身は仕方ない5枚におろし
氷で締めて洗いにし
残りは醤油で漬けにした。
秋から冬にかけては
石鯛は皮下の白くなるところが
脂がのって刺身で非常に旨い
がしかし夏は旨み半減
臭み全開である。
口角泡を飛ばし
前日からの執念
石鯛を潜って突く
話を語り
酒を煽り
洗いをつまみ
ご満悦
締めは漬けにした石鯛の鯛茶
そりゃー旨いに決まってる
耳が悪くて潜れない
お抱え料理人がいるからね我が家には。