(2) オキナワへの旅 11. 沖縄差別をする人・させる人 | 地 球 一 人 旅  (2021)

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  人生・旅で出会った人たちの思い出

 

 

 

   11. 沖縄差別をする人・させる人

 

 

 (1) 大阪府警機動隊員、沖縄市民を「土人」「シナ人」呼ばわり

 

  2016年10月18日9時45分頃、沖縄県東村高江N1地区ゲート前。

 

  沖縄市民が、フェンス外で、ヘリパッド建設に抗議の声をあげていた。

  その1人に対し、大阪府警から派遣された機動隊員(巡査部長29歳)が、

 

  「 どこつかんどんじゃ、ボケ、土人が !」 

 

  との暴言を吐いた。

 

   ( その場面の YouTube 動画は ココ 、暴言を吐かれた市民の証言は ココ クリック)

 

 

  実は、この「土人」発言前に、大阪府警の別の機動隊員(巡査長26歳)が、

 

  「 黙れ、こら、シナ人!」 ( 「シナ人」は、日中戦争の頃の中国人への蔑称 )

 

  との暴言を、別の沖縄市民に、吐いていたことも、明らかとなった。

    ( その場面の YouTube 動画は ココ クリック )

 

 

  これらは動画撮影されており、翌19日、その内容がネット上で流れた。

 

 

 

 

  「土人」「シナ人」は、20代男が「日常よく使う言葉」 でない事は明白。

  相手を侮辱するため、わざわざ持ち出してきた言葉なのは間違いない。

 

  「土人」は、「人類館事件」以降も、沖縄差別用語として使われてきた。

 

  「シナ人」(本来は中国人への蔑称)も、沖縄差別用語として使われてきた。

 

 ( 「沖縄人は日本人ではなく日本より劣る中国人だ」と決めつけ差別する様式で使われてきた。
  琉球王国時代、独立国ながら中国に朝貢してた事から「中国人」呼ばわりして侮辱したわけだ。

 戦後は、「米軍基地に反対してる沖縄人は中国のスパイ」と決めつける意味でも使われだした。

 沖縄の人は、言語・DNA研究でも、中国人とは近くないとされるのだが、あえて言ってるのだ。)

  

 彼らの頭の中に、「沖縄人=土人・シナ人」との意識が、あったわけだ。  

 そして、その言葉で精神的ダメージを与えようと、あえて言ったわけだ。

 ( 2人の機動隊員は、大阪では、暴力団相手でも「土人・シナ人」呼ばわりはしてなかったよう )

  

 2016年、20代の、これほどの、沖縄差別意識の存存に、驚かされる。

 

 

  「 彼らは不祥事で有名な大阪府警の機動隊員、例外的な人達だ。

  (府警職員は、この前年だけでも、賭博16人、監禁と集団強姦2人、殺人1人、逮捕されてる )

  きっと、ネトウヨ(ネット上でデマ・差別を拡散する右翼)の影響を受けたのだろう。

  彼らを例に、 『普通の日本人』 の沖縄差別意識を論じるのは不適切。」 

  

 との御意見の読者も、おられるかもしれない。  

 

 が、この問題は、「例外的な人たちの問題」では、終わらなかったのだ。

 

 

 ( 警察における「差別思想養成教育」の存在を危惧する意見もある )

 

 

 (2) 松井一郎大阪府知事(現大阪市長・日本維新の会代表)、機動隊員を擁護 

 

  動画公開の夜、大阪府知事・松井一郎はツイッターに次のように投稿。

     
  「ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、大阪府警の 
  警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。

  出張ご苦労様 」

 

  さらに翌日、記者団の質問に、松井大阪府知事は、次のように主張。

 

  「個人を特定され、あそこまで鬼畜生のように叩かれるのはちょっと違う

  んじゃないか。相手もむちゃくちゃ言っている」

 

  ( ぼくが調べた範囲内では、個人名は出てないし、「鬼畜生のように」は意図がミエミエ。

  確かに、沖縄市民も機動隊員を「ヤクザ」呼ばわりしてるが「むちゃくちゃ」でもないのでは?

   動画を見て、「ひょっとして、暴力団がアルバイトで機動隊員を?」と、ぼくも思ったほど。)

 

  誰がどう見ても、酷くやらかしてしまった感のある、この機動隊員たち。

  松井知事は、なぜ、こんなにもかばいだてを?(あえて、しかも迅速に? ) 

 

  機動隊員は当然、公務員、憲法99条の「憲法尊重・擁護義務」がある。

  憲法14条違反の差別発言は許されないどころか、取り締まるべき立場。

  公務執行中、「売り言葉に買い言葉」の差別発言が許されるわけない。

  相手が暴力団・凶悪犯罪者でも、公務員の差別発言は「権力犯罪」だ。  

 

 「相手もむちゃくちゃ言っている」「一生懸命、命令に従い職務を遂行」

 そんなことで許される問題ではなく、「出張ご苦労様」にはあきれはてる。

 

  どんな命令を受け、どんな職務を遂行していたかも、怪しく感じられる。

  ひょっとして、機動隊員は松井知事の密命を受け行動・発言したとか?   実は、松井知事の日頃のポリシーを忖度して、あんな行動・発言を?

 

  ( 機動隊員は、ビデオカメラで、自分達が撮影されている事は、わかっていたはず。

   さらに、「土人」呼ばわりした相手が、有名な芥川賞作家なのも、打ち合わせで知ってたはず。

   6都府県派遣の機動隊員500人のなかで、なぜ、大阪府警の2人だけが差別発言を? )

 

 

 

 

( 「土人」呼ばわりされた沖縄市民は、あの後で、こんな事に → 沖縄タイムス )

 

  

  大阪では、11月3日、「機動隊を偏向報道から護る」 デモが行われた。

  約100名が参加したとの事。(主催者側発表か、「関係者から」の数字かは不明 )

 

  「デモを見ている沿道の人々のなかには、ある種共感する声もあった」   のだそうだ。 ( デモ隊鎮圧に、大阪府警機動隊が出動すればおもしろかったのに ) 

 

   松井知事発言が差別者を勇気づけ、行動を誘発した事は間違いない。

 

 

 

 

  ある「大阪人」(今は東京在住)が、この件で、ぼくに、こんな事を言た。

 

  「 いかにも大阪的で、実に嘆かわしい。大阪は歴史的経緯から、東京と

 異なり、『朝鮮・部落・ 沖縄』 を毛嫌い・差別・迫害する人た ちが、メッチ

 ヤ多いという悲惨な現実が存在する。」

 

 松井発言は、大阪の「悲惨な現実」を利用、差別的連中の票が目当て?

 

 いずれによ、松井大阪府知事の発言を、絶対に許してはならない。

 権力者が差別を温存・助長・利用・拡大再生産した、典型的な実例だ。

 

 

 ( 「そこまで言って委員会」等、大阪テレビ番組の危険な役割を指摘する意見もある )

 

 

 (3) 政府統一見解、「 『土人 』 発言は、差別発言とは断定できない」

 

  実は、日本政府も、「同じ穴のムジナ」「目クソ・鼻クソ」だった。

 

  鶴保庸介(沖縄・北方担当大臣)は「土人発言」に関し、国会で、こう発言。

  

  「人権問題であるかどうかについて第三者が一方的に決めつけるのは

  非常に危険な事だ。そうした重い判断を、私個人が、これが差別である

  と断じる事は到底できない。 …… 現在、差別用語とされるものでも、

  過去には流布していたものもたくさんある。土人が差別であると個人的

  に断定できない。」  ( 国会答弁 YouTube映像  ココ クリック )

 

  鶴保は沖縄担当大臣なのに、自分自身を「第三者」だと言ってるのだ。

  沖縄県民が「土人」呼ばわりされ、怒りの声をあげてる問題に関して。

 

  機動隊員は「どこつかんどんじゃボケ」に続けて「土人」と言ったのだ。

  良い意味、客観的・観察的・中立的意味での使用とか、考えられる?

  今時、「土人」なんて言葉、差別的意味以外の使用例を全く知らない!

 

  ( 「土人」は報道機関では「差別用語」として、「表現の自主規制対象用語」に指定されている。

   また、共同通信社「記者ハンドブック」で「差別語」とされ「先住民・現地人」が適切とされてる。

   この事件がなければ、今時、テレビや新聞で、「土人」とかを見聞きする事はなかったのだ。)

 

  

「人権問題の一番のポイントは差別発言を受けた方の感情に寄り添う事」 

 と、鶴保庸介沖縄北方担当大臣は、実にもっともらしい発言もしている。

 

 が、沖縄県議会は、この問題に関し、以下の抗議・意見書を可決した。

 鶴保の国会答弁は、差別された側の感情に寄り添ってると言える?

 

  「土人」 という言葉は 「未開・非文明」といった意味の侮蔑的な差別用語であり、「シナ」は戦前の中国に対する侵略に結びついて使われてきた蔑称である。

 

 この発言は、沖縄県民の誇りと尊厳を踏みにじり、県民の心に癒やしがたい深い傷を与えた。

 

 沖縄戦では本土防衛の捨て石にされ、戦後27年間は本土から切り離され、米軍占領下に置かれ、そして今なお全国の米軍専用施設面積の74%が集中しているもとで、沖縄県民は基地あるがゆえの事件事故に苦しめられ続けてきた。

 

 今回の発言は、沖縄県民の苦難の歴史を否定し、平和な沖縄を願って歩んできた県民の思いを一瞬のうちに打ち砕いたものと言わざるを得ない。

 

( 抗議決議の全文は ココ クリック )

 

 

  「沖縄担当大臣」は、沖縄県民の感情を逆撫で、挑発するのが任務?

 任務を忠実に果たせば、「もっといい大臣」のイスが転がり込むと期待?

 

  確か、前総理・安倍晋三も、所信表明で言ってた。

  「沖縄の皆さんの心に寄り添いながら……」

 

  彼らが「寄り添う」目的は、いざとなった時、すぐ押し倒せるからとか?  

 

 

   さすがに、法務大臣や警察庁長官は「 『 土人 』 は差別用語」と認めた。

  が、官房長官が「差別とは断定できない」 と 「政府統一見解」を示した。

 

  とりまとめた官房長官こそ、今現在の内閣総理大臣、菅義偉なのだ。

 

 

  政府の姿勢は沖縄差別を温存・助長・利用する人を励まし勇気づけた。

  そして、さらなる沖縄差別を誘発、拡大再生産の役割を果たしたのだ。

 

 

 

 

   (「元海兵隊員の沖縄女性暴行・殺害に抗議し、海兵隊の撤退を求める県民大会」 2016.6.19)

 

 

(4) 勇気づけられた「差別者」たちの総反撃と「普通の日本人」

 

   大阪府知事・政府に勇気づけられた、差別者たちは総反撃を開始。

  

  まず、産経新聞が、エグイ見出しの「社説(政論)」で、攻撃を開始した。

 

 

  「 反対派の機動隊員に対する罵詈雑言を聞いた事があるか?

   『土人』 発言を招いた沖縄の異常空間 」    → 産経新聞 

 

 

  「問題は言葉の暴力に満ちた空間の存在が放置されてきたことにある」 

  のだそうで、結局、松井発言の、産経新聞的強化版に他ならない。

 

  ただ、さすがは天下の産経、持ち出したエピソードの内容がエグ過ぎ。

 

  「ある沖縄県警の機動隊員は反対派の活動家から 『おまえの子供を学

 校に通わせなくしてやる』 『八つ裂きにしてやる』 と言われたと明かす。」

 

  例の機動隊員が脅された話ではなく、全く別の沖縄県機動隊員の話。

  しかも、あの時の「沖縄の異常空間」の発言でなく、全く別の時の発言。

  さらには、本当にそう言われたかは、産経新聞の記者しか知らない話。

   ( 「土人」「シナ人」発言・沖縄市民が「むちゃくちゃ言ってる」発言なら動画を見ればわかるが )

 

  が、「反対派活動家」に罪のない子供が危険にさらされてる衝撃的話。

  しかも、天下の大新聞の「社説」なので、「嘘のはずがない」話なのだ。

  産経新聞の読者層には、かなりインパクトがあったことは、間違いない。

 

  「反対派活動家発言と比較すれば、土人発言など大した問題ではない」

  そう思わせるよう、みごとに構成を工夫、さすがは、産経新聞の社説!

  いつもの手で、差別発言から読者の目や耳をそらす目的は大成功!?

 

  しかも、「異常空間」放置の責任は翁長雄志・沖縄県知事にあるという。

  いつの間にか、差別発言の原因・責任が沖縄県知事にされてるのだ。

  そうして、産経新聞は、政府等でなく、沖縄県知事に反省・善処を迫る。

 

  「人を差別することも、子供の安全を脅かすことも許されるはずがない。 

 翁長氏には、沖縄を預かる政治指導者として、異常な状況を解消するた

 め、尽力することを願って止まない。」  

 

  沖縄住民の反対を無視、無理やり米軍基地を作る問題性は一切無視。

  命がけで反対する市民の心に寄り添うどころか犯罪者・ゴロツキ扱い。

  「異常空間」 「異常な状況」 「子供の安全を脅かす」 …… 等々

  基地反対運動や沖縄に対する「予断と偏見」を煽りたてる過激な表現。

 

  天下の大新聞が自ら先頭に立ち、差別者達を勇気づけ・励ましている。

 そうして、沖縄差別を温存・助長・利用・拡大再生産しまくっているのだ。

 

 

  大阪府知事・政府・産経新聞に勇気づけられ、「ネトウヨ」達も大活躍。 

 

  「反対派は県外から来てるし、日本国籍ですらない輩が相当数……」

   ( この人は、沖縄で「反対派調査」をした事がある? 県外・外国籍は、どうやって知った?)

 

  「(基地前で)座り込みすると、1日2万円の日当がある。……が払ってる」  

   ( そんなおいしく・有意義なバイトがあるなら、沖縄の失業者約3万人が、みんな参加しそう )

 

  「 沖縄のアメリカ軍基地反対の住民が、救急車を襲撃した。

  ( このデマは、大破する救急車の衝撃映像が付いていた事で、騙された人も多かったよう。

   実際は、広島県で大破した救急車の映像を加工した、ネトウヨお得意のデマだと明らかに。

   削除・リンク切れのデマがほとんどで、当時の状況を伝えづらいが、凄まじい状況だった )

 

  

  確かに、機動隊擁護デモ、デマを作りネットで拡散は例外的人達かも。

  が、彼らに「一定の共感」し、騙された「普通の日本人」も多かったよう。

 

  デマに騙され、詭弁に「一定の共感」、自らの差別意識に気づかない。  

  そうして、沖縄差別の実態は、「沖縄の問題」と、見て見ぬふりをする。 

 

  これでは、沖縄戦当時の「普通の日本人」と、本質的には変化なし? 

 

 

 「オキナワ」に学ばねば、今の日本・自分を、正しく知る事はできない。

 

 

 (続き 「 12. 「『 沖縄戦 』 は『国体護持』のための戦争 」 ココ クリック )

 

 

 

  < 参考 WEB ページ >

 

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