憧れの OLYMPUS PEN-FT part.1 | 意匠太郎☆デザイナーな日々

意匠太郎☆デザイナーな日々

かわいいモノゴト、かっこいいモノゴト、こだわりのモノゴトなどを、
デザイナー意匠太郎の価値観で綴ります。

$意匠太郎☆デザイナーな日々-PEN-FT


・憧れの OLYMPUS PEN-FT

何台かのRICOH AUTO HALFを手に入れ、CANON DIAL 35を持ち歩くなど、ハーフサイズカメラについての興味が深くなると、何処かで必ず、オリンパス PEN-F シリーズに辿り着きます。「ハーフサイズ一眼レフカメラ」という希有な存在であり、一眼レフカメラでありながら、ペンタプリズムの出っ張りの無い、フラットな軍艦部と大きく弧を描く優美なスタイリングが、不世出のカメラ設計者であり工業デザイナーであった米谷美久氏によることはあまりにも有名です。このカメラは、同型の競合機種が存在しなかったこともあって、誕生から40年以上経った現在でも安定した人気で、中古市場でも高値で取引されています。古いカメラということもあって、内部の汚れや機能に不具合のある個体も少なくありません。また、素人分解で壊されてしまったものも多いと聞きます。PEN F シリーズは総じてミラーの腐食が問題にされ、PEN-FT では内蔵露出計(CDSメーター)が不動の場合もあるそうです。そんな調子の悪い PEN-F であっても数万円の札が付いていることもあり、今までは手を出さずに距離を置いて諦めていました。


・入手

2010年が明けたある日、仕事の打ち合わせ後に立ち寄ったリサイクルショップのショーケースの端に、PEN-FTが一台ポツンと置いてありました。38mm f1.8 の標準レンズが付いて、オリジナルのメタル製レンズキャップと革ケース、ストラップが付属しています。店員にケースから出してもらって動作を確認。巻き上げはほんの少し重い気がします。シャッタースピードは全速問題なく切れているようです。電池が無いので内蔵露出計のチェックは出来ませんが、電池室に液漏れなどなく奇麗な状態。クイックリターンミラーも奇麗な状態。ファインダーには塵やカビがあるようですが大きな問題は無し。レンズは絞り、距離いずれのリングもスムーズに回っている。残念なのはレンズ鏡筒先端の金属部に凹みがあって、フィルターが装着できないこと。外観は接眼部プラスチック部品の欠けと、軍艦部右側面に凹みがあって、その影響でフロントエプロン部分が少し盛り上がっていました。価格は18,900円(税込)。財布には都合良く万札が並んでいた (* ̄Oノ ̄*) こともあって、しばらくレジ横でいじりまわしてから購入を決めました。ついに禁断の沼に足を踏み入れてしまったわけです (@_@)


・電池について

PENのようなクラシックカメラ用の電池は既に製造中止になっている水銀電池です。PEN-FTの場合はMR9というタイプになります。現在入手可能な酸化銀電池(SR43)をMR9互換電池として使用するアダプタが市販されていますが、定価2900円と高価です。

[メール便160円発送選択可]関東カメラサービス MR9アダプター(H-D Adapter)『...

¥2,436
楽天
※モバイル非対応


困ったなぁと思っていると、カメラのキタムラに MR9 互換電池 V625U が売っていました。

【在庫有り】共栄産業 ZI-ZO アルカリボタン電池 V625U・LR9

¥480
楽天
※モバイル非対応

入手が容易な SR43 は電圧が1.55Vなので、MR9(電圧1.35V)互換として使用するために、上記のアダプタには電圧変換機能があるのですが、このV625Uは電圧1.5Vをそのまま使うことになります。以前、別のクラシックカメラの電池について、「電圧の異なる電池を使うとカメラ内部の回路を痛めてしまう」という話題をネットで読んだ記憶があるのですが、とりあえず420円だったので露出計のチェックも必要...と思って購入して来ました。


・テスト撮影

早速 V625U を入れてファインダーを覗くと、左端の針がしっかりと振れています。カラーリバーサルフィルム(ベルビア100)を入れて、半絞り単位で様々に条件を変えて撮影してみました。現像結果を見ると、内蔵露出計を信用した撮影、つまり針の示すTTLナンバーにレンズの絞り値を合わせた撮影では全体に露出不足になっていました。これは互換電池の電圧が僅かに高いため、露出計の針が実際の数値よりも余計に触れ過ぎている影響だと考えられます。

撮影に関わるその他の動作はすべて正常と判断出来ました。これで、18,900円はお得な買い物だったと思います。リサイクルショップ店員の話では、約一週間、店頭に陳列されていたそうです。こういうモノは一期一会なので、ある種の運の善さを感じました。


・分解

PEN-FT を入手してからネットで諸先輩方の様々なページを見てみました。テスト撮影の結果から、不具合は無いもののファインダー清掃程度は自分でも出来るのではないかと思いました。とりあえず、軍艦部についてはセルフタイマーボタンをハンドプライヤーで外せば分解出来そうです。この部分には小さな傷があったので、前所有者が専用工具以外(ラジオペンチなど)で無理に外したようです。レンズについてもビスのゆるみと、内側に拭き残しがあり、ボディ側のほとんどのビスに頭をなめた形跡があるので、過去に分解されたことは明らかです。直径6mmの(ジャパンホビーツール製)真鍮ハンドプライヤーを入手して、セルフタイマーボタンを外して、軍艦部を開けてみました。

【代引き手数料無料!】《新品アクセサリ》 ジャパンホビーツール 円形真鍮ハンドプライヤー 6....

¥2,625
楽天
※モバイル非対応

内部にはぎっしりと部品が詰まっています。ファインダーを清掃するためにはさらに分解していく必要があるので、ここで止めておきます。とりあえず、割れたファインダーアイピースの取付ネジを増し締めして、カバーの歪みを修整し、組み直しました。


・二号機の入手

38mm f1.8 付きPEN-FT 一号機にはいくつか難点がありました。まず、レンズ先端部のフィルターネジ部が凹んでいるためにフィルターが付けられません。またレンズを本体に取り付けるマウント部分に傷があり、これはレンズ側の凸傷によって削れた凹傷が付いてしまったと推測出来ます。いずれも専門業者なら修復出来るのかもしれませんが、ユーザーレベルでの補修は困難です。PEN-Fシリーズのボトルネックであるファインダーアイピースの欠けもあります。

そこで、部品として流用出来るPEN-FTを物色していたところ、40mm f1.4 付きのPEN-FT をオークションで発見、入手しました。このPEN-FT 二号機は、メタル製レンズキャップとオリンパス純正UVフィルタ、革ケースとストラップ付きという状態で入手しました。レンズはそのまま使えそうな状態です。残念ながら内蔵露出計が死んでいるようなのですが、ファインダーアイピースも完品ということもあり、早速、PEN-FT 一号機に必要なパーツの移植(入れ替え)を行ないました。
(これが後にとんでもない作業だったことが明らかになるのですが...)


part.2 へ続く。

人気ブログランキングへ ← よろしければ、ポチッと1クリックお願いします o(〃^▽^〃)o
人気ブログランキングへ