何年ぶりかにブログ動かします。
ツイッターでは文字数が足りないので。
ラストにたどり着くころにはもうオープニングを忘れているってのがMOTHERを理解できない最大の原因だと思います。
なのでまずオープニングを辿ります。
1900年代のはじめ
アメリカのいなか町に黒雲のような影がおち
一組の夫婦が行方不明になりました。
夫の名はジョージ。妻の名はマリア。
2年ほどしてジョージは家に戻りましたが
どこにいっていたのか 何をしていたのかについて
誰に話すこともなく 不思議な研究に没頭するようになりました。
妻のマリアはとうとう帰ってはきませんでした。
→2人はギーグの星に連れ去られています。
黒雲のような影はマザーシップの影なのかもしれません。
キャトルミューティレーションアブダクション的なことでしょうか。
謎の神隠し的行方不明が起こったときに、宇宙人が原因とされることが、このゲームが発表されたころのアメリカにはありました。
2年後、ジョージは帰ってきましたが、妻のマリアは帰ってきませんでした。
帰ってきたジョージは不思議な研究に没頭することになります。
場所はあの湖の中にあった研究所です。研究の結果生み出されたのがイヴです。
ジョージは結局マリアを助けることができずに、ジョージとマリアの子孫のためにイブを残しました。
次はラスボス戦のギーグの台詞を辿ります。
「○○! あなたの一族には本当にお世話になっています」
主人公の祖先であるマリアにお世話になったことを指しています。
主人公とマリア=クイーンマリーに血のつながりがあることは地味に示唆されています。
「おまえクイーンマリーに似てるなぁ」
「幼いわたしを育ててくれたジョージの妻…マリア」
ギーグの星に誘拐さたマリアは何の因果か、ギーグの世話役のような役割を与えられたのかもしれません。
もしくはマリアの「母性」が泣き叫ぶ幼いギーグを、種族は違うとはいえ、放ってはおけなかったのかもしれません。
泣きやませるためにマリアはギーグに歌います。あの歌ですね。
以下クイーンマリー=マリアの意識の台詞です。
「そう。そう…この歌だった」
「ああ…ギーグ…。本当の子供のようにかわいがったのに…
しっぽをふってた赤ちゃんだった…子守り歌を…でも…」
最後の「でも…」というのが気になります。
推測になりますが、たぶんギーグは子守歌を嫌がったのでしょう。
子守歌を(歌ってあげたのに)…でも(嫌がられてしまった)
マリアはギーグがこの歌を嫌がることを知ってしまいました。
「わたしたちの星から大切な情報を盗み出して
わたしたちにはむかおうとした…ジョージ」
前述のとおり、夫のジョージは逃走に成功しています。
でも妻のマリアは助けられなかったのでしょう。
大切な情報というのは、恐らくギーグ達の星にしかない優れた科学技術です。
そして地球侵略計画のようなものも知ってしまったのかもしれません。
マザーシップを守っていた強力なロボットを覚えていますか?
宇宙船をも作れるギーグ達の科学力は絶大です。
ジョージは盗んだ技術を使い、ギーグ達の将来の侵略に備えて、彼らに対抗できるロボット・イヴを作り、子孫に託しました。
「私ノ名ハ、イヴ。 アナタヲ待ッテイタ。 私ノ父ハじょーじ。
宇宙ノ果テニ連レテ行カレ戻ッテキタ人。アナタヲ守ル。私ノツトメ」
ジョージはおそらくあなたの「そうそふ」です。
何かそんな名前の道具がありましたよね。
「そうそふのにっき」はジョージの日記です。
使ったときに聞こえる合言葉
「かみのしっぽはどこにある」
「あまかけるふねのわすれもの」
今ならなんとなく意味が分かるかもしれませんね。
「そしてその夫婦の子孫 またわたしたちの計画をジャマしようとしている… ○○!あなたのことだ」
ギーグ達はイースターの大人たちをさらったりして、地球を侵略しようとする何かを企んでいます。
そしてその計画を邪魔しようとしているのが、夫婦の子孫である○○! あなたのことだ!
「もうお帰りなさい みにくい地球人たちと共に滅びてください」
「そのむしけらのような力ではどうすることもできない」
「○○…あなただけ、一人だけなら助けてあげてもよい。
わたしと共にマザーシップに乗りなさい」
地球人であるマリアに育てられたことには、ギーグなりに恩を感じているのでしょうね。
だから子孫であるあなただけはその恩に免じて助けてもいい。
「ならば…友達やみにくい地球人と一緒にここに眠りなさい」
でもあなたはその誘いにはのらずに、大切な友達とともにギーグと戦うことを選びました。
MOTHERについて、このゲームの総監督である糸井重里がこんなことを言っていたのを覚えています。
「男性的な攻撃性が勝利するゲームの世界において、女性の優しさが世界を救うようなゲームを作りたかった」
その結果できたゲームが「MOTHER」です。
だからこのゲームは「たたかう」ではクリアすることができません。
このゲームをクリアする鍵は母性であり、それを象徴するのがマリアがギーグを思い歌った子守歌です。
だからあなたはクイーンマリーにメロディを集めさせれらました。ギーグを改心させるために。
マリアの意識=クイーンマリーはその役割を果たすと、自分の戻るべきところに帰ります。
「ああ、ジョージ!あなたの妻のマリアです。
あなたの待つ天国に、私も今からむかいます」
クイーンマリーは○○に語り終わると風のなかに消えていった。
そしてマジカントの国もまた、あとかたもなく消え去った。
マジカントの国とは、マリーの意識が生み出した幻だったのだ。
このゲームの敵はみんな倒しても、正気にもどったり、おとなしくなったりするだけです。
決して死んだりはしません。
このゲーム内であなたの父親は電話でのやりとりがあるだけで、決して姿をみせることはありません。
このゲームがMOTHERだからです。
このゲームであなたを助けてくれるのは、いつもあなたの大好物を作って家で待っていてくれる母、MOTHERです。
MOTHERはとても優しいゲーム(難易度除く)です。
このゲームの優しさが少しでも伝わりますように。
・・・余談ですが、このゲーム内でちょっと気になる存在、フライングマンについて糸井重里はこんなことを言っています。
「フライングマンてのが居るんですよ。役立つから連れて行く。でも、戦っていると死んでしまうからまた連れて行く。すると、町外れに墓がどんどん立っていく。嫌でしょ?でも、そういう嫌さが僕は好きなんですよ(笑)」
あ、フライングマンは死ぬんだ。