あなたの中には、濃い色が塗られている広くて大きな場所がある。
「闇」って言われているようなところが。
私は、ただ うっかり
そこに光を持ち込んでしまったんだ。
そしたらね、
あなたが これまでに感じたことのすべてや
経験したことのすべてが
重なり合い、つながり合いながら
無数に刻み込まれていたよ。
ここは、あなたのアトリエだったんだね。
あなたにしか描けないものという「特別」に鳥肌が立つ。
そこが 初めて光を受け
戸惑いながら 色を反射する感じに 心が震えた。
濃い色の中で、必死にもがいたときに付けた
しるしや爪痕には
きっと意図はないんだけど
偶然とも言えない見事な配置だった。
不思議と、私にも愛着がわくものだったの。
あぁ、愛おしいなって。
このアトリエから飛び立っていった方の
「意味のある作品」も、とても素敵だけど
私は、このアトリエも すきだよ。
濃い色の中に描かれていたものは
濃い色では描かれていなかった。
傷で描かれたものは 傷ではなく
なぜだか とてもきれいなもので。
いつかこのアトリエに
おしゃれな常設灯が置けたらいいね。
あなたにも 見て欲しい。
あなたの中にある
あなたという とてつもなく素晴らしい あなたのすべてを。
