　羽織ありと羽織をぬいだところ。大島紬は花柄などもあるのだけどなんとなく男女兼用柄が好き。似合う似合わないでいったら私の場合は花柄のほうが似合う気もする。普段着用なのよ。稽古ごとの来年度どうするー？という話し合いの日に着てった。話し合いの日などに着る物なのよ。食事会とか発表会とかじゃなく。

　これは普段着にする紬のうちの高級品、大島紬（大島のなかでは一般的なものだと思う）。着物と羽織がとれるように布が多いのは、普段着て、部分的に傷んだら傷んでないところだけで着物のみに作り替えるとかを想定してたと思う。でも買ったときは高かったので汚れないようにそおっと、たまあに着て、そのうち着ない時代になってほぼ新品というのが残ってるの。需要と供給バランスからいったら、格段に供給量が多いのでしょう。すごくお安くなってるのも見つかる、という世界。背景も、3000円で買った桐たんすなの。

　家で毎日着物着るかたがいらした最後あたり半世紀前に普段着ていたもっと普通クラスの着物は、リサイクル屋さんにあまりなく、あると値がわりに下がっていない。無いのは着て傷んで残っていないのと、毛と絹とポリエステルの割合もいろいろでなんて名で売ればいいかわからないから？

　高級絹織物のほうがが大量にあまってるのよ。流行りのレンタル着物だってお洗濯考えて絹じゃないほうがいいだろうし。化繊は着ないかたもいるけど私はポリエステル好き派なの。だが、絹のほうがむしろ手に入りやすいのね、なんと。私の収入では新品はなかなか手がでないので、リサイクル品をどんどん消費して市場から減らしてって新品作る人を守るお手伝いって思うことにしよう。

　あと25年は裁縫する気力があるぐらい元気として、その間に、着物として着たり、それから寝間着とか部屋着とかに作りかえて一生分のシルクパジャマ作っちゃうというのはどうかしら。写真のと違うタイプの着物があって、綸子（りんず）の若い人向けの可愛い柄などはパジャマにしたら素敵じゃないかな。できたときの値段考えたら贅沢なのだけど、だって新品の木綿のパジャマより低価格の絹地があるんだもの。寝巻きにするのは浴衣じゃないの？って思われるかもしれないけれど、浴衣はちゃんと流行ってるので需要があるわけよね、綸子はみんなが着ないから、つまり絹の着物のほうが⋯⋯低価格で見つかるのよ。

　いま地球上にすでにある織物を、美術館保存ぶん以外は着ることよね。泣きたくなるほど美しい技術と文様の大系にかこまれて暮らしましょう。

　帯は塩瀬の帯というものです。ずっと赤い着物に合わせてた。

　とても好きな組み合わせだったけれど、昨年着たらなんだか派手になったような気がしたの。右は紬よりよそいきの染の着物であまりお金がないときに買ったからいちばん愛着があるの。

　左は縞柄の大島で、そう男女兼用柄が欲しいけど若いときだとそれもへんかもと、色のほうを赤選んだの。がしがし歩くときに着てたから八掛（すその裏地）が擦り切れてて、洗い張りが必要。

　今回地味な色の大島を着るのに、上のどちらかの帯が合うだろうと出してみた。

　そしたら、パンジーの柄のは帯の地色がグレーで、合ているけれど地味すぎた。右の赤い帯は、色と素材はぴったり合うが、目目目目目目ー、となって気持ち悪かったのよ。つまり、着物も帯も囲みのなかに点がある小さい柄がぎっしり詰まってる。着物は亀甲柄で帯は絞りなのだけど。目がいっぱいのような、魚卵がぎっしりみたいな。着物と帯のどちらかがまばらに柄があるデザインだったらいいのよ。

　着物の上に置いてみたら、赤い着物には派手になってた下の白地の帯がいちばん合った。

　着る物って和洋両方とも中高年になって着るようなのにすてきなのが多いと思ってて。四十歳以上になってから着物作ってなかったから、十代から六十代まで着られるタイプは着てたけど、中年以降でないと作らないタイプを持ってなかった。これからは中高年着物って思ってたけど、思ってたんだけど、今日のはたまたま中高年着物だけど。

　この人頭がおかしいんじゃないの？という二十歳どころか十三参りかよみたいな着物ロリータ？なの（そういうのも好き）を、もし着なかったからといって、そのことで今より異性にもてるようになるとか、

　ないと思うわ。

　やっぱりへんでもいいから着たいもの着よう。仕事も家ですることも全て先送り状態でぜんぜんできてない。けっこう洋服よりめんどうということもないんで着物で出かけてるが。いろいろ終わらせるほうが先でブログを書いてる時間に仕事したほうがいいのだけど、ちょっと書いてみた。

ちょっと着物を着よう