花展会場から持ち帰ったお花。

　生け終えたらそーっと動かさず毎日お水をたせば、桜って10日ぐらい保つのですが、3日飾ってもうかなり咲いている日曜に会場で解体して持ち帰るうちにお花がかなり落ちてしまった。家で生け直す間にもどんどん散るの。でも、まだお花残ってるしね、なんとかなったかしら。

　この掛軸は月のまわりに3辺桜の花びらが散っているのだ。拡大写真だと見えるかしら？

　志賀というのが琵琶湖畔の地名で、京都から山道を通って行く途中が桜の名所だったらしい。今は自動車や電車が通る道は別のところにできてて、京都市側からも大津市側からも途中までしか車で入れる道がなく、でもハイキング道にはなっているようです。

　書いてある字は、「志賀山や　むかしの花の　おもかげも　おぼろにかすむ　春の夜の月」で、絵も短歌を書いたのも20世紀の人なのだけど、むかしの花と言ってます。歌枕というやつね。志賀という地名が入ってる和歌がたくさんあるらしいです。関西、うらやましいわ。軽登山するとルートは和歌の道なのね。

　家隆様（私の中では様づけ）には、

志賀の浦や　遠ざかりゆく　波間より　氷りていづる　有明の月

という歌があって、これは春ではなく真冬だわ。家隆様は寒い歌の人なのよ。京都からだと、海なら行くとしたら大阪だから月が沈む方角だし、早朝のいちばん寒い時間に水面から月が登る歌を作るなら琵琶湖になるよねーとか考えて、とーっても寒い歌を構想したのでしょう。

　私、海で日の出を見るという発想ならあるし、実際に見たこともあるけれど。水は海でも湖でもいい「水面から」「月がのぼる」のってそういえば見たことないわ。見てみたいわ。有明の月の日に東側が水面の、オーシャンビューかレイクビューの宿に泊まり、早く寝て早く起きるの。

　これは肉まんと黒砂糖まん。先週末お休みの日の早い夕食。あまり好き嫌いないほうだけれど、肉まんがきらいな食べ物なの。だから、これなら食べられるという具で作る。

花と湖面にのぼる月