次世代への伝言 #130 第五章 市ヶ谷(3) 十三号扉⑤ | 少年飛行兵 と 私 第二幕〜Thoughts About Peace

少年飛行兵 と 私 第二幕〜Thoughts About Peace

2014年、突然閉鎖したブログ「少年飛行兵と私」
特攻隊員だった「彼」の遺志を確かめた僕は、「少年飛行兵と私 第2幕」として新たな旅を始めます

第五章 市ヶ谷(3) 

【 十三号扉 】⑤

 

 


 

花山師は「平和の発見」の中で、獄中の死刑囚に接し、死刑執行の直前まで死刑囚と向き合った経験から、こう述べています。

 

戦犯者といえば、、日米の軍國主義に罪悪のシンボルのようにいわれている。したがって、よく過去に引用された「七生報國」の精神でこの世を去っていくようにも、想像されがちである。

 

しかし事實この人たちは、肯定者ではなく、そのもつとも痛烈な否定者として、この世を去っていつたのであった。それは、單に懺悔といった境地ではなく、これをなお數百歩もこえて、勝敗もなく、支配も被支配もない、個性もない、平等の平和を発見して、きわめてゆたかに、安らかに生涯を終えたのである。

 

  (中略)

 

この人々は、絶對の平和が、この地上にも實現されることを熱願し、確信して、去っていった。

 

そしてこの書の最後を、この一言で結んでいます。

 

私は、こうした意味から、これらの人々ののこした、一つ一つの小さい足あとが、地上の巨歩となって、世界の正しい調和と、正義を實現するための渓流となることを、念ぜずにはいられない。

 

 

と...

 

今の世は

はたして花山師の念じた通りになっているんでしょうか...