「だから、一緒に帰り方を探そうって言ってんじゃん。」
アイは笑いながらいった。
とにかく私は帰り方を探さなきゃ。
「でも、どうやって探すの?ここは真っ暗で、何にも見えないよ。」
私はあたりを見回しながらアイに聞いた。
「ここは…ね。確かに真っ暗だけど。でも、僕はここにいて長いんだよ。ここの暮らし方なら知ってる。」
そういうとアイは私に手を差し出してきた。
「…?なに?」
私はその手を見つめて聞いた。
「かなの時間の動きを見ていって、どうやってここに来たのかを探すんだ。僕一人ではかなの時間を見ることはできない。だから、かなにもついて来てもらわなきゃいけないんだ。」
なるほど。
ここは、時間と時間の間の世界っていっていたから、私の時間を見ることが出来るんだ。
でも。
だから、何で手を差し出すんだろう。
私はよくわからず、首をかしげていると、アイは説明した。
「時間を行き来するから、かなが迷子になっちゃうと困るんだよ。かながいないとかなの時間も見れないしね。だから、僕の手を握って離さないようにしてくれないかな?」
私は戸惑った。
アイは害がなさそうだけど…。
でも、アイは男の子だ。
そう簡単に手は握れない。
「僕、何にもしないよ。ただ、迷子になると本当に探すのが大変になっちゃうんだ。」
アイは困ったように言った。
私のために帰る手がかりを探してくれるって言っているのに。
私はアイの手を握った。
「ごめんね。わたしの帰る手がかりを探してくれるって言ってたのに。」
私は申し訳なく思っていった。
「いいよ。僕は男だし。かなの年齢だと気になるんだろ?」
私よりも年下に見えるのに私より大人っぽい口調で気遣ってくれた。
なんだか変なの。そう思った。