私が勤めている会社では
2年くらい前(もう少し前?)だったでしょうか、
この、1on1を導入することになって、
「さぁみなさん、1on1を積極的に
行ってください」
となったのですが、
導入にあたっての説明資料など
いろいろ準備はされたものの、
部下のための時間
部下から積極的に上司に1on1の設定を
してみてください
と言われても、
んーーーーーーー
その意義がなかなか腹落ちできていないまま
今に至っています。
いいものだからやってみて!と
勧められる意味をもう少し理解したくて
社内でとても効果的に活用することが
浸透しているヤフーでどんなふうに
行われているのかが書かれている
この本を読んでみることにしました。

本文にも書かれていましたが、
会社は利益を上げるための取り組みや投資に
関することは理解を得やすいと思いますが
直接利益に関係しないようなことに
時間を費やして、会社の経営計画を
達成できるのか、という疑問や違和感から
全社員に浸透させるのは並大抵のことでは
ないと思います。
会社の風土を変えるくらい、大きなことだと
思います。
ただ、ヤフーもすんなり導入できたかといえば
そうでもなかったとのこと、
苦労したことも書かれていました。
目に見える形で成果を実感しにくい取り組み
というのは時間がかかるものですし、
特に初期のころは不安になるくらい
進捗状況が見えなかったりするので
「信じる」「継続する」
ことがとても大事であると同時に
やはり、経営層の方々を巻き込み
理解をいただかないことには
定着することは難しそうだなということを
読み終えて強く感じました。
経営層の方々が率先垂範してくださって
重要性を理解の上で部下に対して
1on1を行い、その部下が自分の経験を
今度は上司という立場で反映され、
それを経験した方がその部下に対して
また有意義な1on1をしようという
連鎖が起きる・・・という好循環に
なるからです。
組織開発とか、風土改革とか、
事務局と一部の賛同者だけの活動に
なってしまうきらいもあると思うので
ブルドーザーのように、
広く力強く推進していくための
後押しがとても大事だなと思ったのでした。

有意義な1on1てどういうものなのかと
いうと、
部下にとって「経験学習」になる時間
「仕事への意欲(イキイキ)がわく」時間
になっていることだそうです。
人の成長を決める要素の比率は
仕事の経験7割、他者から2割、研修や書籍1割
とのこと。
それであれば7割も占める仕事経験を通じて
学びを得たり、気づきがあったりしながら
さらに成長できるための内省の場が
この1on1になるのではないかということでした。
確かに、内省って、一人でもできそうな
気がしますが、意外とぐるぐる立ち止まって
しまうこともあるので
聞いてもらえる上司がいることで
自分とは違う視点で
質問をしてもらったり
新しいものが見えてくるかもしれないと
思いました。
部下自身が日頃考えていることを
話すことがそのスタートになるのだと
思うのですが、
受け手になってくださる上司がいかに
部下の成長のため
に話を聴いてくださることができるのか、
上司側の手腕が問われるような印象を
持ってしまうとネガティブに思う方も
いるかもしれず、
お互いの信頼関係があってこそなのだと
感じています。
その、信頼関係 がそもそも
成り立っていない上司部下もいるかも
しれないですから、1on1を定着させる
難しさの根は深いのだと思います。

始めは「制度だから(仕方なく)やるか」
からでもいいのだそうです。
やらないよりやった方がいい。
最初は仕事の進捗確認の時間に
なってしまってもいい。
いろんなコミュニケーションツールが
できてきていますが
やはり会話して、相手の人間性のような
ことを知ったり感じたりすることは
決して仕事を進めていく中で
無駄なことではなく、
その、信頼関係(お互い話しやすい)を
築くためのスタートからかもしれません。
上司部下の組み合わせの数だけ
いろいろな形の1on1があるのかもしれません。
人と人
を今一度大切にすることが
組織の活性化には欠かせないと

そのために1on1をフル活用してみてください

というメッセージのこもった本でした。

 

ただ、理解しながらも

人はどこかで好き嫌い、相性みたいなものに
とらわれてしまいそうです。
(私もそうです)

そこをいかに乗り越えるか、ですね・・・

何か一つでもあれ?っていう良い変化を

感じることができたらしめたものかも

しれません。
対話が促進されることで人間関係が
良くなっていくと職場の雰囲気も良くなり、
一人一人が職場にいる価値も上がってくる
でしょう
自由闊達な意見が交わされることが
当たり前になってくると
豊富なアイデアがでるようになり、
ある会社では
導入後に特許取得数が激増した実績も
出てきたそうです。

そうなっていくといいなと思いました。

制度として導入されている会社であれば
せっかくなので「自分のために」
どう活用しようか、と前向きに
考えないと、惰性でやり続けているのでは
時間を捨てていることになるし
もったいないことかもしれないと
少しだけ考えが変わってきています。
同時に、
上司がやってくれない、聞いてくれない、
期待したフィードバックがもらえない
みたいに相手に期待しすぎてしまう
マインドでは、やればやるだけ
ネガティブになってしまいそうなので
1on1に取り組むことを通じて
自分自身の主体性が育まれる場にも
なるのかもしれないと感じています。

 

導入しようと検討している会社、

導入したものの模索している推進者

導入したけど抵抗感がぬぐえない上司、部下

様々な立場の人でもこの本を通じて

自分の会社はどうだろう

と比べながら、何かヒントを得ることが

できる本だと思います。

私自身も少しでも自分の成長のために

使える時間にできるよう

心がけみたいなものを意識するきっかけを

いただきました。