通勤時間を再び読書時間に使うように
なって1週間、
先ず選んだのはこの本です。
以前葵わかなさんが主演で
ドラマ化されていたお話、
本でも読んでみたいと思っていました。
ドラマの配役からのキャライメージも
少し影響してしまいましたが
本の中の登場人物イメージも
近かったのではないかと思いました。
原田ひ香さんの本は今回初めてです。
たかが三千円、されど三千円。
”お金”に対する様々な価値観、考え方を
個性豊かな設定がされている登場人物を
通じて
”あなたはどの人に似ていますか?”
”あなたはどんな風にお金と向き合っていますか?”
とも問いかけられているような印象を
受けながら読み進めていきました。
近頃のリアルなお金事情も反映された
物語だったし、自分事としてだけではなく
自分の知っているあの人に似ている、
なんていうことも頭に浮かんだり
していたので
とても身近に感じられたことも
心地よく読めた理由だったかもしれません。
お金の使い方は自分がどんなことを
大切に思っているのか、の
価値観に直結するんだなと思いましたし、
その人にとっての”足る”度合も
みんな違う、幸せの尺度を考える
時ととても似ているなということを
改めて感じました。
そして、自分ひとりだったら
自分の尺度で決められるけれど、
夫婦、家族と一緒にお金のことを
考える時には
相手への思いやり
も大切な要素になるんだなということを
考えさせられた本だったと思います。
特に、主人公が大好きな婚約者に
奨学金問題があることが分かったときの
二人の乗り越え方を描いたシーンは
それぞれの誠実さゆえの葛藤、衝突が
あったけれども
最終的にはお互いの気持ちを十分に
知ることができ、それを家族みんなで
応援している様は
ただただ”お金の問題”だけではない
”人と人”のつながりがあることの
幸せというのも
読んだ後の余韻に残っていることです。
お金の話ってなぜか日本は
直視しないというか
がめつさを感じたりするような、
積極的にその話題を出すことを
避ける雰囲気がいろんなシーンで
あるように思います。
実際、お金の教育、というのも
受けてこなかった世代です。
でも、生きる上でお金のことを考える
ことは避けては通れない話である
ことも事実だと思います。
身の丈に合った自分の幸せ
を健全に模索していくためには
(他人に話すということではなく
自分の心持として)オープンに
とらえられるようになれたら
いいな、と思いました。
お金や節約は、人が幸せになるためのもの。
それが目的になったらいけないなという
ことも改めて思いながら、
自分の足るを知る、について考える。
そういう機会になった本でした。