喜多川泰さんの本を再び読みました。
1月にも同じ『手紙屋』というタイトルの
本を読みましたが
サブタイトルが『蛍雪編』ということで
主人公は大学受験を控えた女子高生でしたが
今回は
『~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』
ということで
就職活動を控えた男子大学生が今回の
主人公になります。
手紙屋さん、という職業をされてる方と
十通限定のお手紙の文通を通じて
主人公の就職活動という大きな節目を
通じて自分のこれからの生き方、考え方、
情熱の向け方について深く向き合い
手紙屋さんからのお返事で
新しい気づきや価値観を得ながら
人として成長をしていく物語、
人生を変えるきっかけになった
出会いが描かれています。
人のお手紙を読ませてもらっている
形ですが
なんだか自分自身にも問いかけられて
いるような気持になり、
まるで手紙屋さんが自分のメンターの
ような感覚です。
私利私欲、雑念、働くことの意義、
いろいろな社会の喧騒にまみれて
忘れてしまっていたような
大切なことを再確認しながら
一通一通のお返事を自分にも当てはめ
ながら読んでいきました。
目の前で起きている事柄、
目先の評価、見栄え、ステータス、
それはどれだけの意味があるのだろうと
自分の人生と真剣に向き合って、
自分の意志を強く持って
強くたくましく優しい大人に
なっていってほしい、
努力をし続け、自分を磨き続けて
人は成長するんだという
ことがとても分かりやすい例えで
お手紙になっています。
とても心に沁みたと同時に
雑念で埋もれていることも多々ある
最近の自分が少し恥ずかしくも
なってしまいました。
そんな自分から、誰かのために
社会のために何ができるのか
考えていくことを止めてはいけないな
と感じました。
なんて素敵な本を書く方なのだろうと
喜多川さんのことを調べてみましたら
かつては教育者を目指して塾講師をされたり
新しい学習塾を立ち上げたりされた
方だったのですね。
あとがきに「誰かに伝えたいメッセージが
できたときに本を書く」と
書かれていたように、
喜多川さんご自身の想いがあふれて
出来上がった本だからこそ
素敵で、温かみがあって、人間的
なのだなと納得しました。
心を洗いたくなった時には特に、
何度でも読み直したくなる本でした。