自分自身を知るためのキーワードとして
色々挙げる言葉のひとつに
「自己肯定感」
というのもあり、
それを”克服”しないといけないと
ずっと思っていました。
自己肯定感が”低い”から”高め”ないと
いけないとずっと思っていました。
そんな中見つけたのがこの本です。
『「自己肯定感低めの人」のための本』
心理家カウンセラーの山根洋士さんが
書かれた本になります。
少し大きめな字とイラストが
なじみやすそうで、実際気軽に一気に
読めた本でした。
かといって内容が薄いわけではありません。
自己肯定感を新たな目線で理解する
とても新鮮な内容だったと思います。
この本で一番驚いた新たな知識は
「自己肯定感は”自己納得感”です」
という考え方。
そして、
「自己肯定感は”高め”ないといけない」
ものではなく、
自己肯定感が低めでも、
心のクセ=心のノイズ に気が付き
理解することで悩まなくなる方法がある
という考え方でした。
自分がモヤモヤするような心のクセが
”ノイズ”だと受け止めることによって、
そのノイズに対する対策をするか、受け入れるか
自分の解釈の選択肢が増え、
モヤモヤの無限ループから脱出できる
サイクルができるという説明でした。
そういえば以前学んだ中に
「不安」と「悩み」は何が違うと思う?と
いう話を聞いた時、
「不安は見えないものが多くて漠然としているから
どう対処したらよいかわからずどんどん増大
しやすいけど、
悩みには原因があることが多くて、
そこを突き止めることで対策がとれて、
解決できる可能性が広がるんだよ。
だから、不安に感じたことを分解して、
何に悩んで不安なのか、考えてみて。
一個ずつ解決してみようよ」
と言われたことを思い出しました。
この【ノイズ】という考え方も
この本では14に分類されていますが
可視化できることで何者か、がわかり、
少なくとも漠然とした不安状態からは
解消される状態に出来そうだと思いました。
まさか、自己肯定感が低めのままでも
OKだなんて。
そういうクセ(ノイズ)も含めてまるっと
自分を理解し、その対処も知ることで
「私はこういう人」
という納得ができるようになるから、
”自己納得感”
が得られることの方が大事だよ、
という説明なのでした。
変わらなきゃ、直さなきゃと思っていた
私には新たな知識を得られて
気持ちが軽くなっています。
自己理解は本当に奥が深いですが、
こういう側面でも
私はどういう考え方をする人なのか
を俯瞰的に、客観的に見る目を養うことは
とても大事だということを再認識します。
そして発想の転換ができるような
柔軟性もとても大切だということも
改めて学びました。
そのことで因数分解のように
自分の心の中を整理することができ、
小さい単位で1個ずつ解決していくことで
もともとの大きな「困りごと」に
対処できる自分になれるのかもしれません。
そういう頭の中の作業を繰り返しながら
自分をありのままに、素直に
受け入れられるようになるのがいいみたいです。
【ノイズ】は自分らしさのカケラであり
悪者ではないのです。
そういう自分に対して発想の転換ができて
自分にOKが出せるようになったら
それは悩み解消の第一歩になれている
のではないか、
そうしていくうちに
「私が本当にこだわっていること」
が何なのか、
そういう発見にもつながっていくとありました。
自己肯定感に関する書籍はたくさんたくさん
あって、学問的なものから、自己啓発的なもの、
そしてもう少しやさしくかみ砕くような
よみものとしての本、色々ありますが、
幸せに生きたいと一般的に願う人であれば
正しさにこだわったり、一語一句正確に
理解したりすることを大切にすることよりは
そのことをいかに私らしく解釈できるか、
受け止め方のヒントとしてどの説明が
自分に腹落ちできるか
そういう観点で本と向き合うこともありなのでは
ないかと思いました。
テストで理解度を計るものでもなく、
誰かに発表、講義するものでない以上、
私がOKできる考え方を学べたなという
視点が広がる経験もできたことが
この本に出会った意味を感じました。