「スゴロクで学ぶユーチューブ」の69回目、「仕事や働き方クイズ13」を公開しています。
今回のクイズは、「ソニーのゲーム機『プレステ―ション』は、どのようなソフト戦略で市場に参入したか?」です。
ソニーがゲーム機「プレステーション」を開発したのは、任天堂がソニーとの契約を破棄したのが原因とされています。
ソニーと任天堂の間では、スーパーファミコン用のCD-ROM開発(カセットROMを変更)プロジェクトを進んでいました。
1991年、シカゴの家電量販店見本市で両社の提携が発表されるはずでした。
ところが、発表の数日前になって、任天堂はソニーとの契約を破棄します。
1年後、ソニーの経営会議では、出席した役員の大半は
「なぜ、ソニーがゲーム機をやらねばならないのか?」
「ソニーが負けていい相手は、悔しいけど松下だけ」
「任天堂という京都の花札屋に万一負けらどうするんだ!」など
ゲーム機市場への参入に反対でした。
プレステ開発を進める久夛良木(くたらぎ)さんは、社長の大賀さんに対して、「任天堂に契約破棄され、黙っているおつもりですか」と発言します。
大賀社長はこの言葉に感情的になり、有名なセリフ「DO IT」と発言し「プレステ―ション」の開発にOKを出します。
さて、ここからがクイズです。
「プレステ―ションはどのようなソフト戦略で市場に参入したか?」です。
プレステ―ションは、ゲーム機として後発です。
その当時、ゲーム機は任天堂の「スーパーファミコン」の時代でした。
ゲームソフトのラインアップは、任天堂がダントツでした。
そんな状況で、プレステ―ションはどのようなソフト戦略をとったかが問題です。
①②③なかから「間違い」を1つ選んでください。
① ソフト会社の負担を軽減
任天堂とソフト会社の関係は、年間の製造本数制限やソフト製造費の半額負担(カセットROMは高額)など、任天堂が絶対もうかる仕組みになっていた。
そこでソニーは、ソフトにCD-ROMを採用したメリットを生かして、ソフト会社の製造費の負担を少なくして、プレステソフトの開発に取り組んでくれる会社を増やす。
② ゲームソフト会社を厳選
高性能ゲーム機・プレステーションにふさわしい高品質ソフトの開発を進める。任天堂と勝負するには、臨場感あふれるエキサイティングなソフトが必要として優秀なソフト会社を厳選して優れた作品開発を進める。
駄作を販売することで、プレステのゲーム機評価が下がらないようにする。
③ ソフト大手ナムコとの連携
「ゼビウス」「ファミスタ」でファミコンに協力したナムコと任天堂の間に亀裂が生じ、ナムコの契約上の優遇措置がなくなる。
任天堂に不信感を持ったナムコはソニーに接近、「リッジレーサー」や「鉄拳」などのソフトを提供する。
人気ソフトを手に入れることでプレステ人気を高める。
それでは、正解(間違い)は何番でしょうか?
答え 間違いは「② ゲームソフト会社を厳選」です。
プレステのソフト開発会社は厳選されず、粗製乱造の傾向がありました。
そのためマニアの間で、プレステーションは圧倒的なトップハードゲーム機ですがが、圧倒的にクソゲームが多いとの指摘がありました。
その最大に理由が、プレステーションの特徴であるゲームソフトのCD-ROM化でした。
任天堂のカセットROMは、コスト的に高額なうえ製造納期もかかり、資金的に余裕のある会社でないとソフト開発ができませんでした。
それに対してCD-ROMは、製造納期の短縮が図れるうえ、製造コストを安くできました。
ソニーは、CD-ROM化によりソフト会社500社以上と連携します。
「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」とばかり質より量のソフト開発を進めます。
その結果、続々と発売されるゲームの中に駄作が生まれたとされています。
広告面でも、任天堂を意識して「全てのゲームはここに集まる」と表現していました。
ただ、アメリカではゲーム事業責任者・平井さんがゲームの質を重視、レベルの低いゲームの販売に反対していました。(平井さんは後にソニーの社長に就任)
ファミコンの大ヒットで任天堂におごりがあったのか、スクエアとの間でも問題が起き「ファイナルファンタジーⅦ(1997年1月発売)」がプレステで販売されます。
プレステは、このソフトの発売で超人気ソフトを手にすることになります。
任天堂は、ナムコ・スクエアのソフトを失う大きなミスを犯したのです。
「ソニー・平井さん」の働き方については
「スゴロクで学ぶユーチューブ」のNo.65
『CBSソニー社員が、世界のソニー社長に就任』
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