第1回加藤研自主ゼミの議事録です。

■日時:09年5月28日(木)19:00-21:00
■場所:構想日本オフィス(永田町)
■形式:ディスカッション
■テーマ:禁煙場所はどこまで増やすべきか
■参加者:20名?

■議事録

<最近の禁煙スペースに関する印象>

▽非喫煙者の意見
・横浜駅前では路上禁煙が全面禁止になった。
・禁煙場所が増えたというより、特定の喫煙スペースが増えたという印象が強い。
 大学にも、基本的には禁煙で、喫煙スペースが設けられている。
・JRホームが全面禁煙になった。個人的には、喫煙できない場所が増えてほしい。
・会社では男性の喫煙率が高い。研修センターは全館禁煙のため、公園や別の建物脇に行って喫煙する人が多い。また、昼休みに公園に行くと喫煙している人が多く、建物で吸えないので公園に来て吸っているのだなと感じる。

▽喫煙者の意見
自分は路上ではもともと喫煙しないが、湘南台駅前エリアは路上喫煙が禁止された。
関内でも“禁煙おじさん”が回っており、路上喫煙取締りを行っている。(罰金2万円)
神奈川県禁煙条例によるものだろうが、実際の取り締まりのやり方は地区によってばらつきが有るようだ。

<禁煙場所はどこまで増やすべきか>

・副流煙による健康被害などがクローズアップされすぎている。様々なデータが出されているが、「禁煙機運を高めるための手段」といった印象を受ける。
・(喫煙者の意見)喫煙スペースとして場所を分けてもらった方が、気兼ねなく喫煙できる。
・同じタバコの煙であっても、「友人であれば許せるが知らないおじさんだと許せない」といった気持ちの差がある。

・喫煙は個人の趣味の問題であり、それを権力で制限するべきか疑問。
・ルール作りにどこまで国家が介入するのか。「何でも規制」といった風潮になるのは恐ろしい。(例:酔っ払い規制)
・個人の自由を国家が制限することに疑問を感じる。「タバコは良くない」といった価値観は人間が作ったものでしかない。
・規制などで喫煙者と非喫煙者を区切ることによって、両者がより分離する(互いに敵視するような)のではないか。また、規制・ルールで縛られることによって、個人で「今吸うべきか否か」などを考えることが少なくなるのでは。
・(喫煙者の意見)サークルでは飲み会を盛り上げるため、話し合いの結果、「1次会はたばこを吸わない」というルールが作られた。しかし、これは限られたサークルの中だからこそできたことであり、社会全体でやるのは難しいだろう。
・喫煙が成人者にのみ許可されていることからも分かる通り、タバコは大人の遊びである。つまり、喫煙には大人のマナーが求められる。規制というのは、親に怒られる子供と一緒ではないか。
・本来、喫煙者・非喫煙者の両者にマナーや思いやりがあれば、規制する必要はない。友人同士や家族であれば、室内では喫煙者がタバコを控える、非喫煙者もタバコを気にしすぎない、といった相手を思いやったコミュニケーションが自然と行われている。こういったコミュニケーションを、社会全体でも行っていくべきだ。

・現在は非喫煙者の声ばかりが注目されているが、喫煙者の声も取り上げていくべきではないか。たとえば、「タバコは精神の健康に役立つ」など、タバコにはポジティブな面もある。喫煙者と非喫煙者、両者の声を取り上げることが、対話のきっかけになるのではないか。
・喫煙場所が建物に1か所しかなく、しかも随分と不便な場所に設置されており、喫煙者に対する差別だと感じる。もっと喫煙者の立場に立って、喫煙所を設置するべきではないか。

・「タバコは迷惑」「健康に悪い」といったことよりも、「タバコで健康が損なわれると、国力低下につながるのです」といった訴えの方が分かりやすい?
・タバコには必要悪のような部分もある。規制をすることで、より危ない裏の取引が行われるようになるのではないか。
・実際に国でタバコを規制するといったことを考える場合、どうしても政治の力が必要である。政治には、タバコ産業などを含む様々なアクターが存在するため、「国でタバコを云々」といったことは現実的ではないかもしれない。
・暴力団を「珍走団」と呼んだりするように、タバコの名称を変えることで、「カッコイイ」というイメージを無くしてはどうか。例:モクモク君