レストランは最上階に近いスカイラウンジで、窓際のカップルシートからは、夕暮れ時の黄金色に染まる高層ビル群と広大な都会の街並みが見渡せる。

「素敵な景色ね、このホテルは時折、利用しているけど、ここには来たことはなかったわ。」とママも気に入った様子だ。
「このラウンジは、コース料理がメインだけのレストランじゃないから、アラカルトでも気ままにオーダーでき、またカクテルを飲みながらのバータイムとしても過ごせるから、堅苦しくもなく、時間を気にしないでゆっくりできるのがいいですよ。」
「そうね、恋人同士には、最適な雰囲気だわ。貴方、よく女性連れでここに来ているんじゃない?」
「いや、そんなには来てないですよ。たまたま、仮面舞踏会の会場がこのホテルだったので、タイミングよくママを誘えたんですよ。今夜は恋人同士になったつもりで過ごしたいですね。」
「口がうまいのね、それで何人もの女性を口説いているのでしょう。まあ、今夜は私もにわか恋人ということでいいわよ。」
「いや、そんな失礼な下心じゃないですよ、ママのソシアルサロンで初めて会った時から素敵な女性だと憧れていました。」
軽いノリで談笑しながら、お互いの気持ちが解け合っていく。

食後のバータイムになる頃はすっかり夜の帳が下りて、眼下に広がる市街地の明かりが、煌びやかな色とりどりの宝石を散りばめたように輝いている。
夜景の美しさにカクテルグラスを重ね、二人は心地よく酔っている。
僕はママの腰に手を回し抱き寄せる。それは客室に向かいたいという僕からのシグナルでもあった。

客室に入り、照明を落としてベッドに腰を下ろしてママを抱き寄せ、深く長い接吻を交わす。
窓を透して眺めるロマンティックな夜景が、二人の欲情をさらに高めてくれる。
ママのアルコールの残り香がする甘い吐息に、僕は酔い痴れるような興奮を覚え、ワンピースの後ろファスナーを開いて、露出したなだらかな肩に口づけする。さらにダンス会場ではベアトップドレスから色気を漂わせていた、肩からバストにかけての白い肌に舌を這わせる。

ママは僕の髪を撫でながら、なされるがままを受け入れている。
衣服を脱ぎ取ると、ベッドに浮かぶようにママの白い肢体が露わになる。
ダンスで整えられた身体はスレンダーで、魔女というよりは妖精のような淡い輝きを感じて、その色香にたまらず僕はママの裸身に覆い被さり、熱烈に愛撫する。
ママも声をあげながら身悶えて、二人は情欲の絶頂に達した。

ふと、今頃はダンス教師の彼女も同じように情交しているだろうとの思いがよぎった。
そんなダンスパーティーという名目の秘密の出会いの場で知り合い、今夜、僕とママのように悦楽のひと時を過ごしている男女もいるだろう。仮面舞踏会は美魔女達の日常から離れた楽園になるのかもしれない。