「アンネの日記」(1959年) | ネコ人間のつぶやき

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 「アンネの日記」(1959年)をご紹介します。

 

 1942年、第二次世界大戦下のオランダ・アムステルダム。ナチスによるユダヤ人迫害を逃れるためにオットー・フランク一家は隠れ家にひっそりと暮らし始めるが…。

 

 

 以前番組名を忘れましたが、BSで当時のオランダで結婚式を挙げたカップルが通りを皆に祝福されながら通る映像を観たんです。

 

 その通りがアンネ達の隠れ家の前でして、 屋根裏部屋の窓からアンネが花嫁の姿を見ようとしている姿が一瞬、偶然映り込んでいました。

 

 人の気配を消すために窓のカーテンにも触らないようにしていたアンネが我慢出来ずに屋根裏部屋の窓から身を乗り出した一瞬。

 

 アンネは花嫁姿を夢見る思春期の女子だった…。


 あまりに悲しすぎて言葉に出来ない感情を憶えた記憶があります。



 映画は、終戦後アンネ・フランク(ミリー・パーキンス) の父親オットーがかつての隠れ家に来て、娘の日記を手にするところから映画は始まります。


 隠れ家の住人でオットーは唯一の生存者です。


 そして隠れ家での生活を回想します。

 

 スパイス工場の屋根裏の隠し部屋で文字通り息を潜めて暮らす日々。

 

 ちょっとした物音が階下からする度に全員に張り詰めた緊張が走ります。

 

 耳に入る情報は、知り合いのユダヤ人が収容所に送られた、という悲しいニュースばかり。

 

 やがて時間の経過と共に食料の調達が少なくなります。かなりストレスフルな日々です。

 

 「アンネの日記」はそういう悲惨な時代を舞台にしています。

 

"Millie Perkins" Photo by rocor

source: 

 

 アンネの感覚は思春期そのものです。

 

 大人達の矛盾や、すぐに言うことを聞かせようと躍起になる姿への嫌悪感、母親との確執。

 

 やがて共に隠れ家で暮らすファン・ダーン家の一人息子ペーターとの交流から芽生える初恋の感情。


 アンネの凄さは、絶望的な状況下であってもポジティブな想像をする力があったこと。

 

 絶望して打ちひしがれるペーターにアンネは言う。

 

 「私は外の世界を想像するの。草や花、鳥たちを」。

 

"05-28-1959_15874_1 Millie Perkins" Photo by IISG

source: 

 

 映画でのアンネはナチスが隠れ家に踏み込んだ1944年8月4日がさいごの姿となっています。

 

 なのでその後を映画では描かれていませんが、付け加えますと、アンネはベルゲン・ベルゼン強制収容所へ移動させられます。


 アンネは過酷な環境下でチフスに罹って15歳の若さで亡くなっています。

 

 収容所が解放されたのはアンネの死からわずか1,2か月後だったそうです。

 

 言葉に出来ない感情がわいてます。

 

 映画の舞台は隠れ家の中で、直線的な戦争の描写はありませんが、それでもその悲惨さが分かります。


 ジョージ・スティーヴンス監督は抑え目ながらも見事な演出で、アンネ と隠れ家の住人の姿を通じて大切なテーマを描いています。