「クリムト展 ウィーンと日本 1900」~生と死・エロスと不安 | ネコ人間のつぶやき

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 先日「クリムト展 ウィーンと日本 1900」に行ってきました。25作品を集めた過去最大級のグスタフ・クリムトの展覧会です。クリムト、大好きです。素晴らしかったですね。

 

「ユディトⅠ」(1901年)

"klimt_judith_and_holopherne_1901" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/zKWKgP

 

 私が一番惹きこまれたのはヤッパリこちら。敵将の首を切り落とした直後のファム・ファタールの恍惚とした表情。においたつようなエクスタシー。「接吻」に並んでクリムトの代表作ですね。

 

「ヌーダ・ヴェリダス 裸の真実」(1899年)

"klimt_nud_veritas_1899" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/z6qFaq

 

 裸婦と鏡は真実の象徴。足元のヘビは罪の象徴だそうです。ウィーンの保守的な芸術アカデミーに反旗を翻したクリムトの真実とは新しい芸術だったのでしょう。

 

 批判を怖れて旧態依然とした芸術に身を任せることはクリムトにとって罪だったのかもしれません。

 

 元々クリムトはアカデミーの期待のホープでしたから、分離派運動を始めた際には相当な覚悟を決めていたはずです。

 

『ベートーヴェン・フリーズ』正面の壁「敵意に満ちた勢力」

"klimt_beethoven_frieze_hostile_powers_far_wall_1902_1_1902" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/rGwyMt

 

『ベートーヴェン・フリーズ』(部分)

"klimt_beethoven_frieze_longing_happiness_finds_repose_poetry_right_wall_1902_1_1902" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/A4oFPr

 

 「ベートーヴェン・フリーズ」の原寸大複製(1984年)が展示されていました。

 

 オリジナルは1901~02年。クリムトが第14回ウィーン分離派展示会のために作製した壁画です。

 

 まさか「ベートーヴェン・フリーズ」を実際に観ることができようとは。感慨深いものがありました。

 

「ヘレーネ・クリムトの肖像」(1898年)

"Klimt" Photo by bm.iphone

source: https://flic.kr/p/99NX4r


 弟エルンストの娘ヘレーネ6歳の時の肖像画です。6歳の少女とは思えないほどしっかりして大人びた雰囲気ですね。

 

 エルンストとは一緒に工房を立ち上げて仕事をしていたくらいですから、才能があってクリムトと仲も良かったのでしょう。

 

 でもエルンストが若くして急死したため、クリムトはヘレーネの後見人となりました。

 

 クリムトの父は早くに亡くなり、母と姉はうつ病でした。クリムトにとって死と病は不安としてずっと頭のどこかにあったようです。

 

 この不安はクリムトの後の作風に大きく反映されることになります。

 

「女の三世代」(1905年)

"klimt_three_ages_woman_1905" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/A3sQrZ

 

 クリムトにとって赤子や妊婦は生命の象徴。しかし、この作品では老婆がリアルに描かれています。

 

 晩年のクリムトは生きる喜びだけでなく、老いと死というものを直視した作品を描くようになります。

 

「赤子(ゆりかご)」(1917/1918年)

"klimt_baby_1917" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/z6qaQo

 

「家族」(1909~10年)

"klimt_mother_with_children_c_1910" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/A3syzD

 

 母親と子どもと赤子。3人はただ眠っているのか、それとも永遠の眠りについているのか。

 

 画面は黒を中心に暗い色彩で塗られています。かつての黄金様式はみられなくなったクリムト。

 

 齢を重ねていくにしたがって、若き日から脳裏にこびりついていた死の不安が頭をもたげてゆき、作風も変化していったのでしょう。

 

「17歳のエミーリエ・フレーゲ」(1891年)

"klimt_emilie_floge_aged_17_1891" Photo by Art Gallery ErgsArt - by ErgSap

source: https://flic.kr/p/zKS3SQ

 

 クリムトは死の不安を様々な作品で描いていますが、それに対してエロスにロマンティズムをまとわせて描いた黄金の女性像とは生きる喜び、そして希望だったように思います。

 

 そこにあるのはクリムトの女性崇拝です。クリムトが女性を敬愛していたことは女性の描き方からも伝わってきますね。

 

 作品を前にして21世紀の私は絵に筆を入れる1900年のクリムトを想像しながら観ておりました。

 

  

 

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