穏やかであたたかな日ですね。今回は「メッセージ・イン・ア・ボトル」(1999年)のお話を。
シカゴの新聞社で働くシングルマザーのテリーサ(ロビン・ライト・ペン)は、休暇で訪れた海岸に流れ着いた手紙入りの瓶を見つける。
その手紙には亡き妻への誠実な思いがしたためられていた。感動したテリーサは手紙の主・ギャレット(ケヴィン・コスナー)を探し当てて彼に会いにノースカロライナの漁村へ向かう。
二人は惹かれ合うが、ある日ギャレットはメッセージ入りの瓶についての記事を偶然目にしてしまう。・・・
"00017" Photo by jdxyw
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2年前に愛妻を失ったギャレットは、後悔と共に思い出という過去を生きているのですね。
愛を失って「もう誰も愛せない」と諦めているギャレットの前に現れたテレーサ。愛を再発見した男のモノクロームの人生に色彩が再び灯る。
それはテリーサも同様で、彼女の人生も色づきます。でも愛の喪失を怖れるテリーサはギャレットにメッセージ入りの瓶について言えずにいます。
二人のように、欲しい対象と失いたくない対象は同じであることが多いものです。その思いが強いほど「失いたくない」という怖れも大きくなる。
それでも過去を生きるのか、今を生きるのか。愛の喪失を生きるのか、再発見した愛を掴むのか。人は自分で選択しなければなりませんね。
「きみに読む物語」を書いたニコラス・スパークスらしい大人の恋物語です。
浜辺でブランケットをかぶる二人。主演の二人が素晴らしいのです。ギャレットの父親を演じたポール・ニューマンも佳かったですね。
「きみに読む物語」については→ 「この世で希少な変わることがないもの」