「鐘」内田康夫 | 帰ってきたすなふきんのブログ

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「鐘」という小説を読み始めた。まだほんの数ページだ。

浅見光彦と母親の二人のシーンから静かに始まる珍しいパターンだ。

二人がなにか不穏な気にさせる鐘の音が聞こえ、変に思うという場面。

母のセリフに「聖林寺さんからこの家の方角は音の通りがよくて、あなたのお父様のころには、役所の部下の方々が、わざわざ聞きにいらしたものですよ」

このセリフを読んで、昭和の昔、確かに静かな夜、窓を開け放ち静かに寺の鐘を聞いた情景が浮かんだ。

ほんとにあったことか定かでない。

しかし情景、風情というのは本当に感覚的だなあと思う。

誰でもそんな場面ではとても情緒的になるだろう。

しかし逆もある。想像力の問題だがどんな喧騒のなかでも静かな寺で鐘の音を聞くような精神統一ができるんじゃないかとふと思った。

横道にそれた。ではふたたびミステリー小説を堪能しよう。