「ヒトリシズカ」「アクセス」誉田哲也まとめ読み | 帰ってきたすなふきんのブログ

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「ヒトリシズカ」

前回読んだ「主よ永遠の休息を」に引き続き 人間の弱さと 絶望を容赦なく描き出す。


ただ「主よ永遠の休息を」よりはずっと読後感が柔らかい。少女のもろい存在感と、一歩間違えば現実に起こりうる悲惨な経験の生々しさが、引き込まれ、読まされ、十分に読み応えはあるが、やりきれなさが残る。


それゆえに繰り返し読みたいとは思わない。


別の話だが、森博嗣のS&Mシリーズ10作、そしてVシリーズ10作は、何度でも読みたくなる。キャラクターの魅力と、残虐性に主眼を置かないストーリーが、本当に好きだ。



「アクセス」

これはホラーサスペンスサイバースリラーとでもいう感じ。


ちなみに中間部分が冗長で飛ばしました。ほかの方のレビューを読むと初期作品なのでしょうがない、ということのようですが、物語のしかけは、マトリックスのようでとてもインターネット社会の現代にマッチしていて、興味深かった。とくにプロバイダ契約という導入部分は、自宅でインターネットやゲームを楽しむことがパソコン生活のすべてですという大部分の人にとって、かなり身近で引き込まれると思う。


ただ 誉田哲也の生み出すものの、中心をなすのが、どうも胸を悪くさせるグロテスクな描写ときっても切り離せないようで、やはり私としては、むしろ興味をひかれても次回以降は避けましょうという結論にならざるを得ない。


「楽しいムーミン一家」トーベヤンソンだって十分エキサイティングで、読後にたくさん得るものがあると思っているんだから、過剰な刺激も現代的教訓も、必要ないというのが、私的結論だ。