第一回ブレッドボード ←イマココ
第二回LCD表示
第三回基板組立・ケース加工
第四回PNPトランジスタ対応
第五回(終)ケーシング・完成
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オーディオアンプを作っていると必要になってくる「トランジスタの選別」 トランジスタにはベース電流の何倍コレクタに流れるかというhFEというものがあり、100倍であったり300倍と同一型番でも違いが出てきます。
たとえば定番の2SC1815というトランジスタでもY(イエロー)やGR(グリーン)などといった分別がされており、hFEの範囲が選定されています。ただ、Yであればどれでも良いかというと場合によってはその程度の見分けではなく、より正確なhFE値の参考が必要になることがあります。
そこで、出てくるのがhFE測定器。多くのものはトランジスタを直接指すか、その測定器から出ているリード線を足に引っかけてスタートボタン的なものを押せばいくらhFEが流れるのかを測定することができます。
市販品買えばいいじゃんとなるかもですが、作りたくなったので試してみることにしました。にたようなことをしている人がいますが、私は
Arduino
というマイコンを利用して測定しようと思います。PICやAVRでもなんでもできるような単純なものですが、プログラム言語がわかりやすいなどといった理由で私はArduinoを愛用しています。
今回は抵抗を利用し、Arduinoの電圧測定機能を利用。電流は内部計算でオームの法則I=V/Rより算出するという方法で組むことにしました。
回路はこちら V1, Vbe, Vce ,GND端子をマイコンと接続します。マイコンのプログラムは以下の通り。
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#define Vcc 5
#define R1 100000
#define R2 100
void setup()
{
Serial.begin(9600);
}
void loop()
{
float V1 = analogRead(0);
float Vbe = analogRead(1);
float Vce = analogRead(2);
float Ib, Ic, hFE;
V1 = Vcc * V1 / 1024;
Vbe = Vcc * Vbe / 1024;
Vce = Vcc * Vce / 1024;
Ib = (V1 - Vbe) * 1000 / R1;
Ic = (Vcc - Vce) * 1000 / R2;
hFE = Ic / Ib;
Serial.print("Vbe=");
Serial.print(Vbe, 3);
Serial.print("[V]\n");
Serial.print("Vce=");
Serial.print(Vce, 3);
Serial.print("[V]\n");
Serial.print("Ib=");
Serial.print(Ib, 3);
Serial.print("[mA]\n");
Serial.print("Ic=");
Serial.print(Ic, 3);
Serial.print("[mA]\n");
Serial.print("hFE=");
Serial.print(hFE, 0);
Serial.print("\n");
Serial.print("\n");
delay(5000);
}
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定数は最初の#define部で変更できます。配列などを利用するときれいにかけそうなのですが、当方プログラム技術がまだまだなのでそこはあしからず。とりあえず組みこんで動かしてみました。
先日購入した直流安定化電源が早速役立っています
測定結果こんな感じです。
hFEが346と算出されました。2SC1815GRを利用していましたが、GRのhFE範囲は200-400ということですが、確かにその範囲内にあることが確認されます。
電源と抵抗の誤差は精度に直接影響するので、正確な値をいれて調整すればより良いモノができると思います。
次回はこのデータをシリアルモニタではなくLCDで表示させられるプログラムを組みこみます。ではでは。