■六■ 地球の頂点としての日本と世界の雛型としての日本
(一)シュタイナーが語る地球上の日本の位置
シュタイナーは、1924年9月9日から18日までの連続講義の中で、『地球の形と人体』と題して、地球を四面体のピラミッドとして認識した時、その頂点は日本になると語っています。以下に、その講義の一部を抜粋しておきます。
「地球は球体であり、球体として形成された、と言われています。しかし、地球が球体であると言うのは正しくありません。地球が実際には本来どのようなものか、説明してみようと思います。地球が球体だというのは、空想にすぎません。地球の形態を正しく描きましょう。四面体と呼ばれている形態です。四面体は、このように見えます。
三角形が四つあります。底辺に三角形があり、さらに三つ、三角形があって、ピラミッド形になっています。正三角形が四つ堺を接しているのが正四面体です。底辺の三角形の上に四面体が立っており、三つの三角形はピラミッド型をしています。これが四面体です。
(ルドルフ・シュタイナー遺された黒板絵 ・
火山と正四面体の地球 より)
さて、これらの正三角形の平面をいくらか湾曲させると、考えてみてください。そうすると、やや異なってきます。やや丸くなりますが、まだ固定されていません。直線だった正三角形の辺は丸くなります。こうして、丸くなった四面体ができます。
このように丸くなった四面体が、私たちの地球なのです。これは、ある程度まで確認できることです。地球四面体の縁を見出すこともできます。地球を平面図で描いてみましょう。
北米・南米があり、その中間に中米があります。そしてアフリカがあり、ヨーロッパがあります。小アジア、ギリシア、イタリア、スペイン、フランス、つまりヨーロッパです。上にはスカンジナビア、イギリスがあります。それから、アジアです。
下に南極があります。南極のまわりには、たくさんの火山があります。上に北極があります。私たちは線を引くことができます。メキシコ南西部のコリマ山のあるアメリカ中央部から発して、アンデス山脈を通って、南極にいたる線です。地球の縁は丸くなっています。
つぎに、南極からアフリカを通って、コーカサスの火山にいたる線があります。それからスイスを通り、ライン川を越えていく線です。
これらの線は三角形に見えます。三角形が、四面体の底面に相当します。
四面体の底面のことを考えてみてください。私たちは、どのようにして頂点にいたるでしょうか。地球の反対側に行かねばなりません。
そうすると、頂点は日本です。四面体の底面の三角形の角に中央アメリカ、南極、コーカサスがあります。そして、頂点に日本があります。
このように地球を思い描くと、宇宙のなかの、湾曲したピラミッドのようです。頂点は日本です。底面には、アフリカ、南米、大西洋の南部全体があります。このような湾曲した四面体、一種のピラミッドとして、地球は宇宙の中に存在しています。
これが、地球の元々の形です四面体を形成するこれらの線をたどって追っていくと、これらの線に沿って火山があるのが分かります。
チリなどにある南米の火山、南極の周囲にある火山について、みんさんは良く聞くことがあるでしょう。コーカサスには巨大な火山があります。
『ヨーロッパには火山は多くない。しかし、かつて火山があり、それが死火山になったことを、いたるところで証明できる』と、いうことができます。シュレジエンの北からブレスラウへ向かうと、奇妙な弧峰があります。
今日の人々は、この山を恐れています。この山の岩石を調べると、死火山があります。さきほどは底面のみを描きました。いたるところに、日本に向かう線があります。これらの線に沿って、地表に火山があります。
重要な火山を描いていくと、地球の形態ができあがる、ということができます。火山が線をなしており、それらの線が地球が四面体であることを示しています。」
(自然と人間の生活)
こうした内容は、現代人には想像のつかない角度からの地球の考察です。しかし、シュタイナーは、この講義の中で、次のように説明を加えています。
「地球認識は人間認識と関連しています。人間は自分の形態のなかに、宇宙を模造します。人間は頭に宇宙を模造します。
ですから頭の上部は、丸い宇宙に従って、丸くなっています。
しかし下方、顎(あご)のあるところは、注目すべき形態になっています。そこの形態は三角形の地球に由来します。
人間は丸い宇宙を写し取っています。ですから、人間の頭の上部は、多かれ少なかれ丸くなっています。そして下方には、地球の力が及んでいます。人間と動物において、顎の形成に当たっては、三角形が模写されているのが見出されます。顎の形態は地球に由来するからです。
地球から上方への作用が、顎に三角形を刻印するのです。宇宙は上方から下方に作用して、丸い形を作ります。これは非常に興味深いことです。」
(自然と人間の生活)
そして、これと同じような内容を、「日垣の庭」の宮主氏という日本の神道家も語っています。
「人間に人相学があり、顔や身体つきから本人の性格や運命を観察いたします。これを観相学ともいいます。
その相学でみると、人間の顔の中に天と地がございます。天には天磁気が働き、地には地磁気が働いております。天を天庭とよび、地を地閣と呼びます。
ここから天と地の磁気をもらって、合掌の中に入れましょう。
合掌し、その中指の先が天庭に行き、親指の先が地閣に当たるようにして、心を静めて天地の神さまにお祈りします。――後略――。」
(人と神と悟り ・第2章 悟りを求める旅 ・万物を生かす息玉の秘法 より)
こうした符合点からも、宇宙と地球と人体との関連性という発想は決してシュタイナーのだけのものではないことが解ります。
大本神諭には、「此の先を、団子に致そうと棒に致そうと、三角になり四角になりと、此の世を自由に致す様に、天地(てんち)の模様が変わるから、此の事が天地の吃驚箱(びっくりばこ)であるぞよ。間違いが出来ると、後で取り返しが成らんから、皆間違いのないように致されよ。」 (大正五年旧十月二日)とあります。
この神諭などは、もしかすると、実際に地球が変形するのではなく「霊視者には、その霊的観点の違いによって、天地の様子が丸や棒や三角や四角として認識される」ということなのかもしれません。
さらに、大本神諭には、 「日本の国は世界の中心(まんなか)、世界の土台であるから、その土台の上に水も漏らさん仕組がしてあるから、途中に変わるような物では無いぞよ。」 (大正六年旧正月二十三日)とも記されています。
頂点と土台という違いがあることは認めなくてはなりませんが、世界の中心が日本であることは、国常立尊もシュタイナーも共通しているのです。