

高次元の意識は、言うまでもなく私たちにとって興味深いものだとマリア・デュヴァルさんは言っています。
私たちが日々の問題に没頭して悩んでいる時には、物事は複雑で理解しづらいものです。
日々の悩みから解放されると理解が進むことを私たちは本能的に知っているのです。
人生のより崇高な意味を理解するのは滅多に経験できません。
しかし、その瞬間には、自分の歩んだ道がはっきりと見えて、意義深いものになるでしょう。
高次元の意識に到達すると、歩む道がはっきりと見えて意義深いものになるだけでなく、
日々の雑務から生じるネガティブな感情も薄れるでしょう。
高次元の意識によって、私たちはネガティブな感情を超越し、
満足して安らかに心地よい気分で“空中を漂っている”かのような感覚を体験するはずです。
このような素晴らしい体験が約束されているのに、高次元の状態に至るためのコツを掴むのに苦労し、なかなか到達できないのはとても不思議です。
苦労する理由は、いわゆる“理論”と、いわゆる“応用”との根本的な違いに関係があります。
“理論”については、私たちは、高次元の意識が実在することを知っているので、
それについて話をしたり、本を読んだり、いつまでも考えたりすることができます。
でも、“応用”については、もっと現実的で具体的なことをしなければなりません。
考えたり、読んだり、話したりするのは、どれも実際の行動を伴っていますが、
それでも、高次元の意識をもたらすには不十分なことが多いです。
思考や読書では、やがて壁にぶつかるはずです。
そして、自分自身を超越して、さらに先へ進む必要があることを悟るでしょう。
こういった事情から、ほとんどの人は、精神の修行は極めて難しく、
不可能かもしれないと感じているのです。
簡単に“諦める”という結論を出してしまうことが多くあります。
そして後々、実はその“諦め”が精神の成長の一部で、
別の角度から精神の修行に取り組むために必要な過程だったことに気づきます。
精神的な努力を“諦めた”後でも、
元々目指していた高次元の意識状態をまだどこか求めていることに気づくでしょう。
新たな取り組みとより広い心で、私たちは、精神哲学書の古典『不可知の雲』に書かれてある、
有名な“回復生命力”を手にします。
この本では、匿名の作家が高次元の意識に到達するまでの試行錯誤を解説しています。
最初の取り組みが失敗に終わり、“諦めて”から数年後に再び取り組むと、
ほとんど確実に当初の目的であった高次元の意識に達する様子が描かれています。
高次元の意識に達するのに必要な基本的な方法は、
ネガティブな感情を解放することや現時点の自分自身について認識を深めることに関連しています。
これらは毎日行うことができますが、長期間続けるのはとても難しい場合も多いでしょう。
悲しみ、怒り、恐れ、罪悪感を取り除くのは精神の鍛練の一部にすぎません。
しかし、実際にやってみると、初めに思ったよりもずっと難しかったりするものです。
自分自身を見つめ、自分の思考を観察し、自分自身をより理解するようになるのも、
精神を鍛えるのに重要なことです。ただし、精神の鍛練には何年もの時間がかかるのです。
何時間も読書し、文章をつづり、スピリチュアル・グループに参加するなど、
行動を積み重ねてゆっくりと身に付けます。
多くの人は、1~2年でその努力が負担になるようで、やがて他のことに興味を持って、
本来の目的からは脱落してしまいます。
本来の道から離れるのは、精神の成長過程でよく見られることです。
最初の修行が終わった後の次の段階であり、一歩前進したと考えてよいでしょう。
本来の目的から離れたとは言っても、そんなに遠くまで離れてしまったわけではありません。
“回復生命力”があると考えて、新たな希望を見出すことができます。
この回復生命力は、真の求道者や、献身と愛の意味を心から理解した人々に、
精神原理を示してくれます。
高次元の意識に到達したいと固く決心しているなら、回復生命力を念頭に置くことが大切です。
精神世界へ入門したばかりでも、ある程度の高次元の意識まで達する人は多くいます。
しかし、本来の目的の途上で行き詰まり、しばらくの間修行を離れて
、どうすれば本当に高次元の意識に達することができるのか考えた人こそが、
本当に信心深い人なのです。回復生命力を経験すると、
ようやく高次元の意識状態がどんなものなのか本当に理解できるはずです。
頑張って修行に励み、そして回復生命力を忘れないでください!

