【時代劇局長のズバリ感想文】

先週は出張などでバタバタしていて感想文を休みましたが、今週は張り切って参ります。

①仁義なき戦後

処理冒頭の言葉は、『仁義なき戦後処理』。関ヶ原で敗れた上杉に処分が下される回だ。上杉の処分の前に西軍の諸武に対する処分が紹介されていたが、これは良かった。そして、情けをかけぬ家康の戦後処理、上杉は危機一髪!としていた。ご存知の通り、結果的に上杉のお家は安泰で、石高が減らされる。それを知っていても、どのような経緯でそうなるのか?十分期待を持たせる内容になっていた。『仁義なき』と表現していたが、これは家康演じる松方弘樹さんの映画『仁義なき戦い』を重ね合わせていたのだろう。絶対そんな事はしないだろうという茶目っ気ある事をするなんて、NHKもやるのう。

②原作をカットし過ぎたのでは?

上杉に処分が下される前に、兼続は本多正信らに謁見。兼続は直江家を本多に差し出すと申し出た。つまりは、直江家の家督を譲るという事で、これは事実だが、あまりにもストレートすぎた気がする。原作ではこの話の前に、『上杉家の武名にかけて、徳川に徹底抗戦するべきだ』という議論が上杉内であったが、これはカットされていた。その後、景勝と兼続は家を守るために家康と和議を結ぼうとするが、その時、本多正信と駆け引きを展開する。戦もやむなし!と兼続は上杉の覚悟を伝えるが、この一連の駆け引きもカットしていた。おいおい、どうしたNHK!と突っ込みを入れてしまった。

③納得いかない展開

家康に謁見した景勝と兼続は、家康の求めた謝罪を拒否する。正直、これは正論であっても事実と違うのでは?と思う。どんなやりとりがあったか?その詳しい事実は分からなくても、筆者は決して謝罪を拒否するような事はなかったと思う。でも、ここであっさり謝罪してしまっては、ここまでの上杉はなんだったのか?と視聴者に突っ込まれるのは必定。だからこそ、違う方法でストーリーを展開したものと思われる。筆者の勝手な推測だが、福島正則、小早川秀秋が上杉を助けるよう持ちかけるなどという行為はありえない。淀や秀頼までもが上杉を救おうとしていた。でも、なぜこのように綺麗に綺麗にしようとするのか?納得がいかなった。ここは原作通り、本多正信との駆け引き⇒兼続と正信との強い結びつき⇒家康のあきらめ⇒最終的に景勝、兼続は家康に謝罪・・・の方がむしろすっきりすると思うのだが・・・。ドラマがそれを許さなかったのであろう。

④来週からは米沢

上杉は米沢30万石へ移封となり、お家断絶は免れた。兼続は、殿を信じてついてくる者はすべて面倒をみると家臣に告げる。それに対して家臣がみんな付いて来た。つまり、経営危機に陥ってもリストラしなかったという事だ。今後は米沢での兼続が手腕が描かれる事になる。筆者は米沢出身である。当時住んでいた街が兼続によってどう作られていったのか楽しみだ。

【来週の展望】

次回からは米沢での兼続が描かれる。途中に大坂の陣もあるが、街づくりがメインになるだろう。楽しみ楽しみ!

【時代劇局長のズバリ感想文】


いよいよ関ヶ原が描かれる。珍しく、西軍側の視点になるが、果たしてどんな風に描かれるか注目だ。


①冒頭の解説はなし


冒頭の言葉は『関ヶ原』。まさにそのままだ。しかし、そこには解説はなし。どうしたのだろう。とにかく見てくれという事か?はたまた演出上の都合で本編の時間が押し、解説の時間が取れなかったのか?本当の事は分からないが、今回は『ふたつの関ヶ原』というタイトルを付けている以上は、しっかり解説して欲しかった。


②西軍視点の関ヶ原


家康軍を挟み撃ちする事なく、関ヶ原が始まってしまった。真田は徳川秀忠軍を足止め。これは見事だ!放送回数の関係でじっくり描けないのが残念だが、関ヶ原の戦いが起きるまでの部分はコンパクトで分かりやすかった。これまで何度も大河で関ヶ原が描かれてきたが、西軍からの視点で描いた大河はこれまでほとんどなかったのでは?それを考えると、もう少し詳細に描いて欲しいという気持ちもあるが・・・。いつも勝者ばかりを取り上げてきた大河だが、数年後でもいい!”敗者”となった石田三成、大谷吉継などを主人公にして作り上げて欲しいものだ。そして、敗者=悪というイメージを払拭して欲しいものだ。


③戦前の秀秋の態度に疑問


ご存知のように、小早川秀秋の寝返りによって関ヶ原の決着が着いた。関ヶ原が始まる前は、爽やかな顔で三成に応対する秀秋。その姿に、三成は全く疑う気持ちはなかったであろう。秀秋の寝返りについては、当初から東軍と内通していた説、北政所からの指示によるものなどいろんな説があるが、関ヶ原参戦時から三成から不審に思われていたと言われている。秀秋は三成を騙そうとしてあんな笑顔を浮かべたのか?それとも、あの時は西軍に加担すると心を決めていて、その後、何かが起きたのか?秀秋の心の動きがしっかり描かれなかったのは残念だ。


④秀秋の寝返り演出には疑問


いつまでも動かない秀秋の元へ三成が・・・。おいおい、こんな事がありうるのか?ちょっと演出に無理があるような気がする。三成の『関白に・・・』という約束に、秀次を思い出した秀秋。逆に家康からは別の誓詞が・・・。ドラマではこれが寝返りの大きな決め手になったように描かれていたが、『そんな単純なモノではないでしょう』と言いたい。秀秋の寝返りについては、もっと別の描き方があったように思われる。これはNHK側の失態だ。


⑤三成を改めて顕彰したい


秀秋の寝返りによって西軍は大敗を喫した。勝利のみを考えていた三成は、まさかこのような事になるとは思ってもいなかったであろう。もちろん、大谷吉継も、島左近も・・・。今大河は直江兼続が主人公だけに、誰しも西軍贔屓で見ていたと思う。筆者もそうで、正直、とても悔しい気持ちだけが残った。三成をもっと顕彰したい。心からそう思った今作品だった。


⑥兼続と三成がリンクしない・・・


残念だったのは、関ヶ原中に石田三成と直江兼続がリンクしなかった事だ。当然の如く、三成は兼続の事を思い、兼続も三成を心配していたと思うのだが・・・その辺りの描き方が足りなかった。三成が敗走するシーンではじめて三成が兼続を思い出すシーンが出てきたが、『遅すぎる!』と言いたい。兼続と三成の友情物語を描いたのだから、最後までそれを貫いて欲しかった。たとえそれが演出でもいいから・・・。


⑦初音よ、ちゃんと三成を守れよ


あっさり描かれた感のある関ヶ原。願わくばもう少しじっくり・・・と思ったが、所用時間的には及第点では?大谷吉継、島左近などは登場回数が短かったが、それなりに存在感を発揮したのでは?佐和山城に逃げた三成は初音に会う。『またこの女か!』と思ったが、三成を洞窟のような場所にかくまう初音。『こんなところでいいんかい?』と思ったら、初音が離れてすぐに見つかってしまった。おいおい・・・。水を飲む際に光が差し込むシーンも無意味だったような・・・。史実では、この水で下痢をしたという話もあるが・・・。


⑧前田慶次が出て来なかった


西軍の敗北を信じられない兼続。すぐさま、最上、伊達が動き、上杉軍は会津へと戻った。兼続がしんがりを務めるが、この兼続の行為は今に伝わるものである。諦めた時、前田慶次が説教し、励ましたとの話も残るが、結局、前田慶次は出て来なかった。最後の最後にキャストを発表する隠し玉と思っていたが、本当に出て来なかった。これは残念!さぁ、兼続は、最上と伊達の猛追をどう切り抜けるのか?来週に期待だ。


【来週の展望】


三成が捕らえられた。家康と対面し、最後は斬首となるが、本当に悔しい!そして、兼続は?来週も楽しみだ。

【時代劇局長のズバリ感想文】

いよいよ、直江状まできたか。大河が始まる前は楽しみで仕方がなかったが、放送当日となると寂しさを感じる。しかし、始まりがあれば終わりがある。あまり悲観的にならずに見る事にしよう。さぁ、どう描かれるか・・・。

①火種は上杉

冒頭の言葉は『火種は上杉』。天下分け目の戦いといわれる関ヶ原は、上杉が家康に挑戦状を送った事から始まったという解説だ。これまで関ヶ原は数多く描かれてきたが、この細かい部分はあまり描かれなかったように思う。どう対峙するか兼続!本編の内容を期待をさせる冒頭の言葉であった。

②仙桃院の今後は?

謙信の23回法要が営まれた。そうか、もうあれからそんなに時が経つのか・・・。兼続は既に40歳を超えていた。仙桃院が参列していたが、原作では既に、堀秀治から『いつも睨まれている気がするので、会津にお引取り願いたい』と強い要請があり、謙信公の遺骸ともども、仙桃院も会津に移されていたが、今話ではその描写はなかった。この機会に説明しておいた方が良かったのでは?と思った。ちなみに仙桃院は、上杉家の米沢移封にも付き従い、慶長14年(1609年)に米沢で亡くなっている。墓所は兼続と同じく、米沢市の林泉寺にある。

③兼続対家康なんだけどなぁ~

上杉に家康から書状が届いた。これは、上杉景勝宛ではなく、”直江兼続宛”で届くが、今話は上杉景勝宛であるかのように描かれた。これはなぜか?これは上杉家と徳川家の戦いではなく、兼続と家康の戦い。家臣たちの反応、景勝の了承のシーンはいらなかったように思う。そして、世に言う『直江状』の作成に入る・・・。

④直江状紹介の演出法にガッカリ

筆者はラジオ番組を作るのを本業としている。だからこそ、同じ制作者としてNHKが『直江状』をどう描くか大変興味があったが、正直、期待はずれであった。確かに、直江状の文字数は多い。ノーカットで読み上げるのは難しいと思う。しかし、各大老や関係する武将が、それを読み上げるシーンをつなげていたのはあまりにも邪道すぎる。正直、制作者なら誰しもこの描き方は予測出来た。確かに分かりやすく描いていた。でも、だからこそ、そう描いて欲しくはなかった。描き方が普通すぎて、直江状の存在自体が軽く扱われた気がしたからだ。たくさんの人を出したのは単調になるのを防いだと思われるが、筆者なら、あえて妻夫木聡さん演じる直江兼続が直江状を読み上げる演出をした。もちろん、単調にならない演出法で・・・。

⑤上杉びいきとしては悔しい!

書状を読んだ家康は激しく怒り、諸将を集めて上杉討伐に向かう。一方、兼続は会津の南、白河の革籠原に巨大な防塁を築く。敵軍をここに誘い込み一気に叩く作戦だ。兼続は上田衆に、この戦は義の国を築くための最後の試練と告げた。この時点で兼続にどの程度の勝算があったのだろう。原作の火坂先生にインタビューした際、『恐らく上杉が勝っていた』と言っていたのを思い出した。『兼続は本当に策士ですね~そのまま天下も取れたのでは?』と質問した筆者だが、火坂先生は『いや、その戦法は白河でしか出来なかった事なんです』と返答。そうか・・・。その策に完全にハマる事なく、西に兵を向けた家康。上杉びいきとしては悔しい!の一言だ。

⑥『早すぎるッ!』がなかった・・・

三成の盟友・大谷吉継がようやく登場した。唐突に2人の仲を描かれても違和感があるが、まぁ、いいだろう。その後、毛利輝元を総大将として家康討伐のため挙兵。こうして関ヶ原が始まる訳だが、三成の動きが早すぎた!知らせを受けた家康は、三成を討つため大坂へと引き返すのである。原作では、『決して先に動くな!』と三成に釘をさしていた兼続だが、原作にある『早すぎるッ!』という兼続のセリフがなかったのが残念だ。決して全て原作通りにして欲しいとは思ってないのだが・・・。

⑦義とは?

家康引き上げにあたり、兼続は家康を挟み撃ちにする絶好の機会と景勝に進言した。しかし、景勝は敵を背後から討つのは義に背くと応じなかった。それでも訴える兼続。義を主張する景勝だが、確かに景勝の言う事はもっともだ。しかし、兼続の言う事も正しい。義とは何か?本当の義とは何か?常に筆者も心掛けている義だが、その言葉の意味には奥深いものがある事を感じた。義・・・筆者の義など義を語る以前の問題なのかもしれない。それにしても、最後の兼続対景勝のシーンは見所があった。迫力満点でこれは良かった!しかし、これによって三成は、敗北の道へと進むのである。

【来週の展望】

来週は、関ヶ原が描かれる。ドラマとはいえ、歴史が変わるわけではない。でも、今回ばかりは三成に勝利を・・・。そう思うのは筆者だけではないだろう。う~ん。やっぱり悔しい。
【時代劇局長のズバリ感想文】

①あいつが悪い

冒頭の言葉は『あいつが悪い』。五大老制度によって力を押さえ込まれていた家康が、秀吉の行った利休切腹、朝鮮出兵などを、三成に執政の責任として押し付けた・・・。だから、『あいつが悪い』とは、家康が三成を指しているものだ。こうして家康は、三成を悪者にする事で味方を増やしていく事になる。これまで家康を主人公にドラマは数多く放送されてきたが、ここまで”悪”になった家康は初めてでは?全て家康を”悪”と捉えるつもりはないが、このドラマにおける家康は完全に”悪”である。徳川家康に対する印象もだいぶ変わったのでは?さぁ、そんな中、起死回生の秘策が飛び出す!それは、あれだ!ドラマをじっくり見るべし!

②なぜ三成が蟄居?

慶長4年(1599)前田利家の亡くなったその夜、福島正則ら7名の武将が三成を討つべく挙兵した。絶体絶命の中、三成は敵方の家康の元に逃げ込むが、結局、三成は、蟄居を命じられる事になってしまった。よくドラマでも描かれる有名な出来事だが、おいおい、ちょっとおかしくないか!三成を襲ったというのは、現代で言うと、殺人未遂である。普通だったら”乱心”の福島らに罰を与えるべきで、三成が蟄居とは・・・。正直、この辺りの動きが筆者にはよく分からない。挙兵したのは、加藤清正、福島正則、黒田長政、細川忠興、浅野幸長、池田輝政、加藤嘉明。家康が仲裁に入り、三成は奉行職を辞する事になるが、いずれにしても、家康の力が既に強大だった事を窺わせる出来事だ。

③兼続に勝機は?

三成が蟄居した後、家康は伏見城に入城した。これで秀頼の後見人として事実上の天下人となるが、毛利輝元、直江兼続は許さない。大老、奉行たちの会議の席で、毛利が勝手に政を進める家康を批判するが、家康はこれに応じる事はなかった。むしろ、三成と兼続こそ、天下の政を私物化していると糾弾。景勝と兼続は猛反論するが、家康に帰国を促されてしまう。どこまで狸オヤジなのか?!と思うが、これを家康の挑戦であると読んだ景勝は帰国を決断する事になる。武力で対抗するしかないとふんだ訳だが、兼続に、この時点でどこまでの勝機があったのだろうか?五大老の中に家康を入れてしまったのが失敗かっ!

④兼続はどんな作戦で?

兼続は帰国途中に、蟄居中の三成に会いに行った。そんな事が可能なのか?と思ったが、それは置いておこう。事実、直江兼続と石田三成が本当に密約していたのかは分からない。しかし、それ相当の事はあったと思われる。三成も『家康に立ち向かい、正義を示さねばならぬ。やるからには勝たねばならぬ』と、並々ならぬ意欲を見せていた。ここで、兼続による起死回生の秘策が飛び出した。いずれ会津に攻めてくる家康を予測。その策を三成に伝えたのである。その策とは、諸大名を従えて会津征伐に赴いてくる家康を東西から挟撃する策だが、聞くだけなら見事な策である。でも、最上、伊達を後ろにどう迎え撃つのか?ここでも兼続にどのくらいの勝機があったのか?聞いてみたいところ。しかし、兼続は恐ろしい作戦で家康を迎え撃つのである。以前、火坂先生にインタビューした際、『このシーンは完全CGで再現されます』とおっしゃっていたが、これは見ものだ。

⑤初音ってホント何者?

おいおい、初音がちゃっかり三成のそばにいるが、初音は何者?信長付き⇒真田幸村の姉という流れから、確かに西軍にいるのは間違いないと思うが、初音の役割がよく分からない。今では、『大河ではいらないキャラだったのでは?』と思うが、存在するならもっと兼続寄りでも良かったのでは?

⑥悲劇の武将

石田三成と直江兼続は、『また会おうぞ。必ず・・・』と別れを交わすが、これが2人の今生の別れとなってしまった。ううう・・・残念!でも、今大河では、2人の関係を非常によく描いていたと思う。ご存知のように、三成は関ヶ原で敗れるが、『なぜ”義”と”善”の三成が敗れるのか?』と、筆者は神を恨んでしまった。三成はまさに悲劇の武将だ。

【来週の展望】

いよいよ来週は、あの”直江状”が登場する。タイトルが『家康への挑戦状』となったのは残念だが、逆に『直江状』とタイトルに入れる方が不自然かな?”直江状”によって家康は会津に挙兵。三成も、畿内が手薄になったことを見計らって家康討伐を目指して挙兵する。ドラマはいよいよ大詰めだ!
【時代劇局長のズバリ感想文】

タイトルにもあるように、今週から家康と三成の対立が加速する。これまでにないくらい”悪人”に描かれている家康だが、どう陰謀を計るのか?見ものだ。

①崩壊の序曲

冒頭の言葉は、『崩壊の序曲』。朝鮮出兵で内部分裂が加速した事で、家康が三成降しを画策。内部崩壊を政権に参加した上杉が巻き込まれようとしていた・・・というもの。これまで数多くの歴史ドラマが描かれたが、いずれも家康側、あるいは三成側から描かれたものばかりで、中間に位置する立場で描かれたものはあまり見た事がない。中間はあっても天下の情勢を心配する立場にいるというのは、今ドラマが初めてではないだろうか?

②会津へ・・・

慶長3年(1598年)3月、上杉家は会津に入った。ドラマにもあったが、若松城は”裸にされたような城”という表現がぴったりであった。それだけ春日山城の素晴らしさを改めて感じさせた。筆者は両方の城を訪れた事があるが、確かにその土地における城の位置などが全く違う。現代では住む家を自分である程度決められる世の中になっているが、上杉はある意味強制的な国替え。景勝、兼続はもちろん、領民も不安の中での生活が始まった事だろう。

③5本の指に入る秀吉

病に苦しむ秀吉に、”盟友”前田利家は『秀頼様をお守りする』と決意を述べた。と言っても利家も高齢で、どこまで守りきれるか?という不安もあったのでは?そして、秀吉が最期の時を迎えていた。臨終に立ち会ったのは、北政所、淀、石田三成など。ここでは笹野さんの名演技が演技が光った。メイクの効果もあるだろうが、本当に死ぬ間際の顔になっていて、手を震わせる部分などはお見事であった。これまで数多くの俳優が秀吉を演じてきたが、自分の中で笹野さんは5本の指に入るキャスティングであったと思っている。笹野さん、お疲れさまでした。

④策士・家康

家康は北政所に接近。自ら調合した薬を渡すなど何かと気にかけていた。北政所も淀への気持ちを口にするなど気を許している模様。その調子で家康も、三成の行いや上杉の動きを北政所に伝えていた。マメに各大名に書状を出すなど、家康は根回しにおいては天下一。ドラマではこれしか描かれていないが、見えない根回しが相当あったものと思われる。でも、そこは策士である家康。次に天下を治めるのは家康しかいない!と、各大名に思わせる能力は三成より格段に秀でていたと思われる。

⑤さすがベテラン!

秀吉の死を受け、諸大名は伏見城に集結した。その席で三成を叱責した家康。諸大名の前であえて厳しい言葉を口にしたのには狙いがあるのか?筆頭大老としての自信か?その後、大坂城へ移った淀が諸大名に秀頼への忠誠を誓わせるが、家康の答えは曖昧。また、名指しはしないものの三成や上杉を批判した。兼続は意味が分からぬと問いただすが、家康は応じない。この辺りは見事な狸オヤジぶりだ。兼続びいきのドラマだが、家康が本当に憎たらしかった。その点で、家康を演じた松方さんの勝ち!内容はともかく、さすがベテラン役者だ!というのを感じさせた。

⑥幸村のこれからは?

大坂城で真田幸村に会った景勝と兼続。ここで、かつての出奔について、初めて幸村の口から謝罪の言葉があった。ご存知!幸村は最期まで豊臣に忠誠を尽くすが、今後兼続と幸村の関係にも注目だ。

⑦初音は何をしているの?

初音が登場。兼続の元に現れ、三成が家康を討とうとしていることを伝えに来た。正直、初音はどこで暮らし、何をしているのか?相変わらず中途半端な役どころだ。都合の良い時に使われる役という感じで、長澤まさみさんも本意ではないだろう。

⑧家康と三成の差

初音の連絡を受け、急ぎ三成のもとに駆け付けた兼続は、重臣・島左近の制止を振り切って三成に忠告。『挑発は家康の罠である』と三成を説得した兼続は三成を思いとどまらせた。あのまま三成が家康に夜討ちをかけていたらどうなっていたか?想像したが、それは兼続の思う通り、『逆心あり!』と三成を失脚させる理由が作れるというもの。兼続が言ったように、家康はこれを狙っていたと思われる。三成ともあろうお方が・・・と思うが、家康への怒りは頂点に達しようとしていた。日常生活でもこのような事は多々あるが、外堀をしっかり埋めずに突っ走ってしまうととんだ墓穴を掘ってしまう。策士・家康に対して、ただ真っ直ぐな気持ちで忠義を尽くす三成。人間的には真っ直ぐな三成を支持したいが、その器に大きな差が出てしまったシーンであった。

⑨うまい!家康!

家康を除く4人の大老の決定で、家康の掟破りを罰するために詰問使が送られる事になった。家康は詭弁を弄してかわすが、家康は二手三手としっかり先を読んでいたのを感じた。謀には綿密な計画が必要だが、家康の天下取り計画は着々と進んでいたのである。政宗を取り込み、時には警戒し・・・この辺りが実にうまい!多くの経営者が尊敬するのも分かる気がした。

⑩利家の死は痛い!

内部分裂の危機に、兼続は収拾策を求めて利家の元に出向いた。そこに家康が訪ねてきた事から利家は一計を案じる。病気で寝込んでいる事で家康の気を緩め、脇差で脅迫する事により、忠義の言葉を求めるというものである。利長、兼続のいる前で忠義の言葉を口にさせた利家。さすが利家!だが、家康は『言わされてしまった』と驚いた顔をしながらも心の底から『しまった!』という顔をしていなかった。ここが憎たらしいところ。どこまで狸オヤジなのだろう。そして、利家が静かに息を引き取った。正直、利家の死は痛い!

【来週の展望】

来週は、三成が命を狙われ、家康の所に逃げ込む・・・という有名な話が描かれる。そして、会津の上杉にも家康の魔の手が・・・。そして、直江状、関ヶ原へと進む事になる。『天地人』の見所はまさにこれからだ!
【時代劇局長のズバリ感想文】

上杉の国替えが描かれる。今まで住んでいたところを強制的に出なければならない・・・。考えただけでも悲しいが、今話はどのように描かれるのか注目だ。

①謙信を超えた


今回の冒頭の言葉は『謙信を超えた』。ん?何かな?と思ったら、謙信の死から20年が経ち、兼続の行った国造りは謙信を超えるほどであったという話だった。確かに兼続の行ってきた事は凄い。それが後々まで繁栄させるきっかけになったもがいくつもあるからだ。でも、偉業をアナウンサーのナレーションだけで簡単に紹介するなんて・・・。もっとドラマ本編にも入れて欲しかったのが正直な気持ち。でも、なぜ今話が『謙信を超えた』という言葉になったかと言うと、越後が凄い国になった!でも、そんな越後から上杉も国替え・・・という流れにしたかったのだろう。


②越後(株)から天下(株)へ


秀吉はかなり病弱になっていた。これが現代のメイクのなせる技で、かつての面影がどんどんなくなっている様はお見事!そんな病弱な秀吉から、会津への国替えの話があった。戸惑う兼続。それもそうだろう。謙信から受け継いで自分が造った国から離れてしまうのだから・・・。『最後の頼み』と秀吉。それでもどうしたらいいのか分からない様子。景勝に報告するが、兼続の結論ははっきりしていた。かつて関東管領として”義”を貫いた謙信を手本に、さらなる”義”を貫く!つまり、国替えに応じるという事だ。このあっさり感には驚いたが、これこそまさに”義”。感服した。そうか・・・かつては越後株式会社だったが、今は天下株式会社なのだ。


③泉沢久秀が百姓?


上杉の家臣の多くが、国替えに不満をもらしていたが、泉沢久秀もそのひとり。しかし、そんな泉沢に、兼続は『再び国が乱れた場合、越後に戻る。その際に手引きするものがいる』と、先々を見据えた頼み事をした。越後に残るためには仏門に入るか百姓になるかしかないが、泉沢が下した決断は百姓になる事であった。おっと、待てよ。上杉が会津に移封された際、久秀は越後を去り、出羽荒砥城の城代となったのでは?む~!詳しい事は分からないが、これは果たして?一方、仙桃院は、謙信の遺骸とともに越後に残る事を決意したが、仙桃院は上杉移封の際に米沢へ行き、米沢で亡くなっている。これも理解に苦しむ。謙信の遺骸も米沢だ。関ヶ原後に動きがあるのかな?


④雪について


長男を連れて越後へ戻ったお船も国替えには悲しんでいた。でも、今回もお船はやってくれた。二度と越後に帰る事はないかもしれないと覚悟し、子供たちに、越後の雪の温かさを覚えておくように話したのだ。『この雪の温もり、覚えておくのですよ』。雪が温かい?と思われるだろうが、実は、かまくらの中は温かいのだ。これは経験したものにしか分からないだろう。筆者は雪国育ちで、これを身を持って感じている。越後の厳しい冬には必ず雪が舞っていた。ある意味象徴的な存在といえるだろう。だからこそ越後人には、厳しくもあり、温かいものであったのだ。


⑤お涼が初音を敗った日


兼続はお涼の前で、国替えの悔しさを初めて人前で表した。涙を流す兼続を、お涼は慰める・・・。この設定はどうなのかなぁ~?と思うが、これまでの兼続は自分を押し殺してきたのだ。お船の前ではなく、お涼の前で泣く兼続・・・。現代社会だとそのまま浮気に走るという事か。そこまで描く事はないが、いくら仲の良い夫婦でも、心を許せる存在が出来てしまうのは仕方のない事なのか?!それにしても、初音はどこに行った?ホント、彼女は中途半端な存在だ。原作では男女の関係になる兼続と初音だが、お涼においしいところを全て持っていかれた感じ。


⑥越後の大自然


国替えを間近に控えた景勝と兼続は八海山に登った。越後の景色を前に、景勝はとても悲しそう。この出来事を謙信はどのように見ていただろう。この越後で出会いがあった。景勝と兼続の関係も強化された。御舘の乱もあった。見ているこっちまでもが悲しくなってしまうシーンであった。そして、タイトルバックで使われている映像が登場!あの映像はオープニング用だけではなく、こういうところでも使われるなんて・・・。越後を去るにあたり、越後の大自然を少しでも感じられて嬉しかった。


【来週の展望】


来週はなにやら事件が起きそうだ。秀吉も相当弱ってきている。そして、家康が台頭・・・。今後も目が離せない。
【時代劇局長のズバリ感想文】


今回は、意味不明なタイトルだ。単純に考えると、兼続が5人に増えるのか?と考えてしまうが、そんな事はありえない話で、全くの例え話をそのままタイトルにしたと推察した。でも、果たして5人とは?それでは今週の感想文にいきましょう!


①泣くまで待つよ


冒頭の言葉は『泣くまで待つよ』。ご存知!『泣くまで待とうホトトギス』という言葉で御馴染みである。それを、『泣くまで待つよ』という表記にした意図は分からないが、誰もが知る言葉だ。これは後世の人が、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三人の人間性をそれぞれ句にして詠んだもので、『泣かぬなら殺してしまえホトトギス』が信長。『泣かぬなら泣かせてみせようホトトギス』が秀吉。そして、『泣かぬなら泣くまで待とうホトトギス』が家康である。無理せずに、機会がやってくるのをじっと耐えて待つ・・・という意味に用いられる言葉だ。でも当時、家康も60を過ぎた高齢であった。待っている余裕などあったのか?と突っ込みたいところだが・・・。


②ちゃんと繋がる五人の兼続・・・


『兼続にもしもの事があれば上杉はどうなるか?』と、景勝は兼続本人に直接語っていたが、まさに上杉は兼続によって保たれていた。『兼続が5人おれば・・・』とも言っていたが、仮に兼続が5人いたらこれからの上杉に心配は全くないという景勝の心情がとてもよく表れていた。でも、これだけで簡単にタイトルにするものか?だったら、なんてセンスのない脚本家か?と思うだろう。しかし、この話は後半にちゃんとつながっていたのだ。


③兼続といえば妻夫木聡!


兼続が今話から髭をたくわえて登場した。妻夫木さんのさわやかな顔に髭は違和感があるが、肖像に髭顔が残っている以上、髭は当然の如く生やしていただろうし、歴史的な事を考えたら納得がいく。かつての大河ドラマ『武田信玄』で、中井貴一さんが信玄を演じた時、これほど髭の似合わない俳優はいないのでは?と思ったが、回を重ねるごとに似合ってきた。信玄といえば中井貴一!と言っても過言ではないくらいピッタリとハマっていた。今後、『天地人』が民放でも撮影される機会があると思うが、兼続といえば妻夫木聡!となるように祈るばかりだ。


④渡辺謙は凄かった!


景勝からの全幅の信頼を受け、執政となった兼続。そんな中、謀反の疑いで高野山に追放された豊臣秀次が、切腹したという情報がもたらされた。なんと!妻子や側室も京都三条河原で処刑される悲劇になったが、謀反には伊達政宗も関わっていたという話がある。劇中でも政宗が真偽を問われるシーンがあったが、残念ながら迫力に欠けたシーンであった。もちろん、政宗は主役じゃないから・・・という理由もあるが、今後に尾を引くようなシーンではなかった。クールに演じている松田龍平ではあるが、もっと危険な匂いがしてこそ政宗のような気がする。過去の大河を例に出すのはよくないかもしれないが、渡辺謙さんの凄さを感じた次第だ。


⑤北政所と家康の関係

『これからも気がかりな事が
あれば、何でも言うてくだされ』。北政所が家康に言った言葉であるが、この2人の関係が怪しい。怪しいと言っても、もちろん男女の関係ではなく、別の意味でつながっている様子だ。それはまだ明確になっていないが、小早川秀秋が東軍に寝返った理由に、北政所の指示があったという話もあるくらいだ。今後の北政所と家康の関係に注目だ。


⑥初音はドラマで貢献するか?


久しぶりに初音が登場したが、このオンナ・・・やはり存在価値が分からない。誰もが浮いているキャラクターと思っている事だろう。救いは真田の女という事だけか?それとも大どんでんがえしが?個人的には、長澤まさみが可哀想なので、ドラマでそれなりの貢献をして欲しいと思うが・・・。


⑦絆と対立


度重なる兼続の面談要求を拒否し続けた三成。しかし、秀吉を介して兼続はようやく対面する機会を得た。一旦、その場を立ち去った三成だが、秀吉から恐るべき事実を知らされる事に・・・。なんと!秀次の妻子、側室を殺すのにストップをかけていたのは三成だったという事実だ。これが歴史的に本当かどうか分からないが、ドラマでは『本当は良い人』である三成の存在がとても大きく見えた。そして、これでより一層、兼続と三成の絆が強まった。一方、家康とは誤解のまま。対立はさらに強まる。良い演出だ!無口な景勝の発言も良かった!

⑧五人の兼続

本当の意志を示す事なく、家康などから誤解されたままの三成。そんな三成に『もっと早く気づいておれば良かった』と兼続は謝った。そして、政の体制を改める提案をした。その提案とは、『兼続が五人いれば・・・』と言った景勝の言葉から、五大老を置く体制であった。教科書にも載っている”五大老”が兼続いよる提案であったとは考えにくいが、三成が秀吉の側近として政に関わっていたなら、ありえない話ではないかも。兼続は、五大老に徳川を入れる提案をするが、これは確かに理に適った提案だ。現代で言うと大臣職にあたり、企業でも、社長の下に専務、常務、部長などが置かれるシステムが確立されている。それを考えると、この五大老という制度がいかに有効だったかがよく分かる。しかし、秀吉亡き後、家康は重要事項を単独で処理する行動に出るのである。また、直江状につながる上杉の謀反疑惑にも繋がる事になる。それを考えれば、果たして五大老という制度は有効だったのだろうか?と考えてしまった。

【来週の展望】

来週は、いよいよ会津へ転封となる。越後を離れるのはさぞかし辛かったであろうが、そこがどんな風に描かれるか注目だ。そして、本編最後に倒れてしまった秀吉も・・・。
【時代劇局長のズバリ感想文】

天下統一を果たした秀吉の唯一の欠点は世継ぎが早く生まれなかった事だ。これは誰もが知る事だが、世継ぎが早い段階で生まれていたらどうなっていたか?逆に知りたい事だったりする。さぁ、それでは今話の感想文にいきましょう。

①世継ぎはまさに重大な悩み

冒頭の言葉は『日本一の男の悩み』。子供に恵まれなかった秀吉が養子を次々ともらい、一門を堅めていたエピソードが紹介されていた。これが50を過ぎてからの悩みだけに、”日本一の男の悩み”というのは的を射ている。今回のタイトルは『世継ぎの運命(さだめ)』。今回は秀吉のみならず、”世継ぎ”について多角的に語られる回であった。

②今の時代、どのように伝わっているか?

秀吉の命で朝鮮に出兵した兼続と景勝だが、戦況が芳しくない中で帰国命令が出た。秀吉に新しい命が誕生したのが理由だが、景勝と兼続は『なぜ?』と、疑問を持ちながら帰国したであろう。この戦によって朝鮮は大きな影響を受けたが、現地の現代人にはこの戦いはどのように伝わっているのであろうか?と気になった。

③小早川秀秋登場!

秀吉の養子・秀俊が登場した。ご存知!のちの小早川秀秋である。軽いキャラで、本人も『口数が多い』と自認していたが、その性格はどのようなものであったであろうか。秀秋は、元々木下家定の子で、北政所の甥にあたる。秀吉にはとにかく非常に可愛がられたと聞いている。事実、朝鮮出兵の際には、なんと!16歳の若さで総大将として出陣しているのである。この時、自ら槍をふるって敵兵を惨殺したと伝わっているが、その性格は”キレたら手がつけられない”と現代の若者と似通っていたようだ。ご存知!関ヶ原の時は松尾山に陣取って高みの見物をしていたが、なかなか動こうとせずに家康が大砲を打ち込んだのは有名な話。ある意味、相当臆病者だったのではないか?だからこそキレやすかったのかもしれない。秀秋が東軍に寝返った説もいろいろあるが、今大河ではどのように描かれるのであろうか。それはそうと、秀秋役の上地雄輔さんは適役だと思う。

④秀俊を諭した景勝

秀吉と淀に男子が誕生した事で、秀俊(のちの小早川秀秋)が、他家に養子に出されようとしていた。景勝と兼続は毛利輝元に『上杉家へ』と頼まれ、また、秀俊からも『養子話を断ってほしい』と懇願するが、ここで景勝が秀俊を諭した言葉は、『今の私があるのは、己の定めを受け入れたから・・・』。この言葉は効いた!現代でも、己の生まれてきた環境に不満を持つ事があるが、人にはそれぞれ役割があり、それを運命と思う事でどれだけ前向きに生きられる事か!景勝の諭し方は今話のMVPだ。

⑤秀次に欲がなかったら・・・

秀吉に子が生まれた事で、豊臣秀次の世継ぎの座が危うくなってきた。秀次は、秀吉の姉の子で、秀吉の嫡男・鶴松が死去した事によって秀吉の養子となり、秀吉の後継者として関白職となった。しかし、世継ぎが生まれた事で、やがて謀反の疑いをかけられ、高野山に追放。そして、切腹して果てた。可哀想だったのは、秀次の一族、妻妾、息子、娘、家臣の多くが粛清された事だ。ドラマでは秀吉が頭を下げ、秀次は聞く耳を持たないというシーンがあったが、秀次に『実子が生まれたなら仕方ねーな』という気持ちが少しでもあったならば、歴史もまた変わっていたのでは?ちなみに筆者は、上に立つのがイヤなので、潔く譲るが・・・。そんな簡単な問題ではないんだろうなぁ~。

⑥兼続も悩んだ世継ぎ問題

兼続とお船に待望の男子(竹松)が誕生した。『面目ない』と謝る兼続に対して『気にするな』と景勝。しかし、景勝を気遣って、兼続は嫡男を殺そうとした・・・という話や、竹松誕生前の兼続は世継ぎに悩んでいて、実は養子を迎えていた・・・という話もある。直江家の世継ぎ誕生は喜ばしい事だが、やがて家康の家臣・本多正信の次男・政重を養子に迎えるという驚くべき挙に出る兼続。これは関ヶ原後の上杉家を存続させるためだったと言われているが、お家の事情によって世継ぎ問題も大きく変化するという事を実感させるエピソードだ。

⑦友情の会話

伏見城が完成し、諸大名が祝いに駆けつけた。その席で、”秀吉に進言している男”として、家康や輝元に嫌みを言われた三成。義が強すぎるが上に、嫌われてしまう三成だが、それを唯一理解していたのは兼続であった。寝っ転がり、『また越後に行きたいのぉ~』。『いつでも来い!大いにもてなすぞ』。これは明らかに友情の会話だ。三成のそばに常に兼続がいれば、三成もここまで嫌われずに済んだのかもしれない。関ヶ原まであと6年かぁ~。大谷吉継は出てこないのか?と思ったのは私だけではないだろう。

⑧お涼の立ち位置は?

お涼が教育係として越後の地を踏んでいた。お涼は千利休の娘であるが、今大河ではある意味架空の人物。正直、『越後にいるなんてありえねーよ』と突っ込みを入れてしまった。しかも、『しばらく越後で暮らしてみては?』と兼続。お涼は今後どうからんでくるのか?お船との関係は?でも、話をややこしくするのは御免だ。

【来週の展望】

お涼が再登場した事で、枠が狭くなったところに、初音が久々に姿を現すようだ。お涼の立ち位置も不明だが、初音はもっと分からない。どうするのか?全て脚本次第だ。そして、京では秀次が謀反の疑いをかけられていた。伊達政宗も謀反に関わっていたと言われているが、ここは政宗もしっかり登場させて描いて欲しいものだ。
【時代劇局長のズバリ感想文】


”大河はホームドラマである”その表現を否定はしないが、今回は典型的なホームドラマであった。正直、コメントがないので、あらすじを元にコメントしていくというスタイルを取る。

①二人の野望

冒頭の言葉は、『二人の野望』。秀吉の朝鮮出兵の解説だった。インド、フィリピンまで支配しようとしていたから驚きだ。もしそんな事が実現していたら、今の日本はどうなっていただろうか。想像しただけで恐ろしい。『二人の野望』の”二人”とは?と、それは信長の事であった。思えば、日本、いや世界の長い歴史に争い事がない時代はなかった。今でも海外では紛争が絶えない。戦争をしない日本だが、人を殺すニュースは日常茶飯事であったりする。日常生活でも”人と人との確執”が常にある。いずれも戦争に比べたら可愛いものかもしれないが、争い事のない時代なんて永遠にこないんだろうなぁ~と、少しセンチメンタルになってしまった筆者であった。

②大名の奥方の苦労

天正13年(1591年)7月、菊姫とお船が上洛した。景勝と兼続は秀吉の命で出羽庄内の一揆の鎮圧にあたっていた。捕らえられた者から『殺せ~』という声が出ていたが、一揆の鎮圧は好きでやっている事ではない。早く平和な世に・・・景勝と兼続の願いはひとつであった。一方、京では菊姫とお船が、北政所や淀、大名の奥方たちとの付き合いに追われていた。そんな中、菊姫は北政所の『我に果たせぬ事は他に任せればいい』という精一杯の優しさを受けるが、納得出来ずに反発してしまう。そして、今度は淀からヒメサユリを集めるよう命じられ、越後から大量のヒメサユリを集めさせた。各大名の奥方はこのようなつまらない要求に四苦八苦していたのだろう。これはあくまでもほんのちょっとした出来事であるが、日常茶飯事だったと思われる。それにしても、たくさんのヒメサユリ。これだけでも相当な制作費(予算)を使ったであろう。


③信玄の娘が信長の姪を励ます

秀吉と淀の子・鶴松が三歳でなくなった。秀吉は関白を甥の秀次に譲り、自らを太閤と名乗り、そして、朝鮮出兵を決意する。越後ではその様子を心配していたが、おっと!景勝が口髭をたくわえていた。一国の主であり、一大名であるという象徴であろうか。そして京では、鶴松を亡くした淀に他の側室らからの非難が集中していた。そんな悲しみの中にいた淀の前に菊姫が現れ、『太閤殿下が大事に思っている・・・』と、まるで自分の事と重ね合わせるかのように淀を励ます菊姫。『信玄の娘が信長の姪を励ますか・・・私はくじけてなどおらぬ』精一杯の強がりであっただろうが、淀の顔は菊姫への感謝の気持ちで満ち溢れていた。確かに、天下が統一された今、そんな事があってもおかしくないが、これは面白い巡りあわせだ。そんな事が果たしてありえたのかは疑問だが・・・。


④奥方の上洛を表現


文禄元年(1592年)3月、上杉軍は朝鮮出兵に備えるため京に入った。菊姫とお船は京で景勝、兼続と再会したが、再会する直前に鏡を見てドキドキしていた菊姫は可愛かった。怖い顔でじっと菊姫を見る景勝に対して、微笑み合う兼続とお船。本当に対照的な夫婦だ。現代だったら抱擁モノだろうが・・・。『再び会える日をどんなに待った事か・・・菊は嬉しゅうございます』。この言葉に笑みを浮かべる景勝であった。景勝もなかなか可愛いではないか(笑)。そして、半年ぶりの再会を喜ぶ兼続とお船。このような例は、景勝、兼続だけにあらず。各大名も同じような場面があったであろう。それぞれシチュエーションの違いはあれど、上洛していからの奥方の暮らしぶりなどが、簡単でもよく表現されていたと思う。


⑤花戦とは?


兼続は三成に朝鮮出兵を思いとどまるよう進言したいと頼んだ。しかし、三成は国の礎をさらに固めるためだ!と拒み、殿下の一声で日本各地の大名が馳せ参じるしくみをつくりたいと言い放った。やりとりはここで終わったが、何を言っても三成は聞く耳を持たないといった感じであった。大丈夫か三成?
一方、北政所は景勝と家康に、秀吉が朝鮮に渡らぬよう監視してほしいと頼んだ。秀吉は淀も連れて行くと言う。これを受けて、家康は、『愛やら義とかを唱えておったら、大怪我もしかねんぞ~』。またも挑発的なコメント。とにかく家康にいろいろ言われたくないというのが正直なところだが、何も言い返さなかったのは、景勝と兼続もさすがに朝鮮出兵に不安を抱えていたのであろう。兼続の死を考えて臨む戦に、お船が叱咤激励!さらに、出陣前に家康からまたまた嫌味な一言。ここはじっと我慢の景勝、兼続だ。景勝は、花戦のようだと言う。花戦とは、珍しい花を集めて優劣を競う事・・・。既に戦をする事の価値を感じていない景勝。だからこそ、こんな戦で命を落としてなるものか?!景勝と兼続は強い気持ちを持って海を渡る事になった・・・。

【来週の展望】


来週のあらすじを見る限りでは、来週もホームドラマ的な話になっている。仕方がないといえば仕方がないが、もしコメントしにくい内容だったら来週はもっと簡単に書くとしよう。