乳がん治療において、バイオロジーの大切さ。根治・完治を目指します | the east sky

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いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。


話しは変わりますが、普通の車を走らせる場面があったとします。



レギュラーガソリンを入れれば、快適に走ります。


ハイオクガソリンを入れると、さらに快適に走り、走行距離も伸びます。


サラダ油を入れれば、まともに走りませんし、水を満タン入れれば、流石にエンジンは壊れるでしょう。


そんなの当たり前、バカでも分かります、と思われたかも知れません。


バイオロジー、理論的根拠(ラショナーレ、rationale)に基づいて治療法を考える、と言う事はそう言う事なのです。


私からすれば、この患者さんに、3次内分泌療法をやっても効かないだろう(完治しないだろう)、またたとえ標準的な化学療法をやっても効かないだろう(完治しないだろう)と、治療する前から分かるのと同じレベルの話しです。


車に、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、サラダ油、水を入れて走らせるとどうなるのか、その様な臨床試験の結果が出ない限り、レギュラーガソリンは使えない、ハイオクガソリンは使えない、と言う考え方の滑稽さは、普通の考え方ができる方が、普通に考えれば分かると私は思っています。


ですが、今のところ、私は乳がん診療の世界では、かなり異端児の様です。


最後に、この患者さんは、無事に、「貴女の命は持ってあと3年」と言われた日を、転移巣が全く消えた状態で迎えていただけました。


良かったですねー、と一緒に喜びを分かち合えました。


そして、初めてお出会いしてから、9年と3ヶ月が経ちました。


今後どうなるのかは分かりませんが、今も再燃なく、完全寛解を長期維持の状態で、笑顔で元気に過ごされています。


(この方は遠隔リンパ節転移再発でした。)