『瀬戸内少年野球団』 (1984) 篠田正浩監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


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一世を風靡した作詞家阿久悠。1977年のオリコンシングルチャートで、沢田研二の「勝手にしやがれ」が首位になってから、25週連続彼作詞の作品が首位を撮り続けるという前人未到の記録を打ち立てている。その25週目(1977年12月5日付)のチャートでは、1位のピンクレディー「ウォンテッド」を始めとして100位までに16曲がチャートインした。淡路島出身の彼が自伝的長編小説として書いたのがこの映画の原作。

 

夏目雅子の遺作とされることもあるが、実際の遺作は同年ナレーションのみの『北の螢』(ちなみに、森進一歌う主題歌の作詞も阿久悠)。「世界のケンワタナベ」の映画デビュー作。

 

出演陣は夏目雅子、渡辺謙を始め、郷ひろみ、岩下志麻、島田紳助、大滝秀治、伊丹十三、三上博史とキャラ立ちしている俳優や芸能人を使っているが、それゆえストーリーに不要な枝葉が多く、無駄に豪華な出演陣となっている。

 

あまり見るべき点がない残念な作品だが、一番残念なのは、メインのプロットであるはずの夏目雅子演じる駒子と郷ひろみ演じる彼女の夫正夫の恋愛の描き方。戦争未亡人の後添えとして、死別した夫の弟を婿にするということは戦時中よくあったことであろう。それを前提として、夫が戦死したと思っていた駒子が正夫の弟である鉄夫(渡辺謙)と一度「間違い」を犯したが、正夫への思いを断ち切れずに鉄夫を拒絶するというところまではよしとしよう。それであれば、なぜ正夫が復員した時に彼を受け入れないのか。また、正夫がなぜひっそりと復員したことも謎だし、彼が復員したことを両親に伝えないのも謎。鉄夫も兄嫁を真摯に愛しているのかと言えば、単なるエロ狂いのようだし、全てが残念。

 

島田紳助の役どころも意味不明。弟の授業に乱入して、キャンディーをばら撒くなんてことは普通しないし。何のために淡路島に戻ってきたのかよく分からないうちに、窃盗をして行方をくらましたかと思えば、いつの間にか戻って来て自死するという意味不明な行動。兄の自死に際して弟「バラケツ」のリアクションも弱い。

 

少年野球チーム相手にボロ負け(1回に14点取られて、対戦チームがやる気を失うほど)しながら、米兵相手の試合で接戦というのもかなりご都合主義な展開。犬がボールをくわえて逃げた場合、確かにボールデッドとなって審判の判断で処理となるが、あのプレイで引き分け試合終了はないだろう。

 

唯一の見どころ(というほどでもないのだが)は、篠田正浩監督の実際の妻でもある岩下志麻の年齢不詳な妖しい美しさ。ほかの登場人物から「オバサン」扱いされているのが違和感を覚えるほど(と言っても当時43歳だから、そもそも「オバサン」は失礼ではあるのだが)。バー猫屋で女給となるちあきなおみとは、実年齢は確かに岩下志麻の方が6歳上なのだが、どう見てもちあきなおみの方が「オバサン」だった。

 

ブルーリボン賞作品賞受賞のハズレ作品。

 

★★★ (3/10)

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