『火宅の人』 (1986) 深作欣二監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


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檀一雄の私小説を映画化した作品。

 

檀は、15歳と年下の舞台女優入江杏子と愛人関係にあったが、彼女との生活そして破局を描いたのが檀の代表作である『火宅の人』。暴露小説と言ってもいいかもしれない。

 

作家桂一雄は、最初の妻に先立たれ、後妻としてヨリ子をもらった。二人には、ヨリ子の連れ子を含み5人の子供がいた。ある夏、次男が日本脳炎にかかり障害を持ってしまう。それからヨリ子は、新興宗教にのめり込む。翌年の夏、一雄は太宰治の文学碑の除幕式に参列するための青森行きに新劇女優矢島恵子を誘い、彼女と情事を持ってしまう。青森から帰った一雄から全てを打ち明けられたヨリ子は、翌日家出し、一週間すぎても連絡はなかった。そして一雄は、若々しい恵子の体の虜になっていった。

 

家庭を持ちながら愛人と愛欲の日々を送るくだりは、さして面白くないと思った。それが俄然面白くなったのが、一雄が葉子と出会ってから。

 

恵子は望まない妊娠をするのだが、中絶の手術のため家を空けている間、一雄の執筆をヨリ子が手伝ったことに腹を立て、一雄と恵子は大げんかをする。そして家を飛び出し、当てもない旅に出た一雄は偶然に以前に一度出会った葉子と再会し、彼女の故郷である五島列島を訪れる。そこで結ばれた二人は、更に当てもない旅を続ける。一雄が放浪の旅をするのははまだしも、なぜ葉子がその旅に付き合うことになるのかという理由は、その旅の最後に明かされる。なるほど、そういうこともあるのかなと納得。

 

そして、その旅を終えて恵子の元に戻っても、三か月音信不通であった恵子とよりを戻すことはままならず、破局は必然。そして家庭へと戻るという結末は、波乱万丈の末にうまくまとまった感。

 

恵子と葉子を演じる原田美枝子と松坂慶子の大胆な濡れ場が公開時話題となったことは想像に難くないが、そのシーンでのBGMや意匠は少々古臭く感じた。そうした古さはあるものの、題材は夫婦+愛人の愛憎劇という現代にも通じるものであり楽しめた。

 

日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。

 

★★★★★ (5/10)

 

『火宅の人』予告編

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