『OUT』 (2002) 平山秀幸監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


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桐野夏生原作。同郷のよしみというわけでもないが、彼女の作品はかなり読んだ方。しかし、なぜかこの作品は読んでいなかった(なので、結末が違うという原作との比較はできず)。

 

東京郊外にある弁当工場で働く深夜パートの主婦の4人は、それぞれに問題を抱えていた。雅子は家庭崩壊、ヨシエは寝たきりの姑の介護、邦子はローン地獄、そして身重の弥生はギャンブル狂いの夫からの暴力。ある日、雅子の元に弥生から電話が入る。度重なる暴力に耐えかね、寝込んだ夫を殺してしまったと言う。泣きつかれた雅子は、やむなく死体を自分の車のトランクに一時的に隠すことに。しかし、弥生はそれから工場に姿を見せなくなってしまった。死体の処理に困った雅子は、「師匠」と慕うヨシエに協力を持ちかけた。邦子を巻き込んで、死体をバラバラにして生ゴミとして捨てることに。一時は死体が発見され警察が動き出すも、カジノのオーナー・佐竹に容疑がかけられ、彼女たちは難を逃れたように見えたのだったが。

 

平山秀幸監督、鄭義信脚本、原田美枝子主演といえば、1998年の『愛を乞うひと』がある。『愛を乞うひと』も悪くなかった印象があるが、この作品の原田美枝子の方が、断然かっこよくて美しかった。ちなみに『愛を乞うひと』も本作品も、共にアカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選ばれている。

 

猟奇的な殺人事件を題材にしながら、設定の妙と彼女たちの演技から、そこはかとないユーモアの漂うコミカルなタッチの「ミステリー」作品となっている。室井滋演じる自堕落で買い物依存症の邦子や、西田尚美演じる他人を死体遺棄という犯罪に巻き込みながら能天気で無責任な弥生といったキャラクターは、本来好ましからざるものなのに、なぜか愛おしく感じてくるから不思議。彼女たちの、金が欲しいためと言いながらも助け合う一種の友情と共同作業を一緒にやり遂げる高揚感が爽やかな印象だった。

 

原作とは違う結末らしいが、雅子と邦子が、ヨシエの見たかったオーロラを目指して知床からそしてアラスカへと逃避行を続けるであろうエンディングも夢をみさせてくれるようで秀逸。

 

★★★★★★ (6/10)

 

近年のアカデミー賞外国語映画賞日本代表の個人的評価

 

1997年 『もののけ姫』 ★★★★★★★ (7/10)

1998年 『愛を乞うひと』 ★★★★★ (5/10)

1999年 『鉄道員(ぽっぽや)』 ★★★★★★★ (7/10)

2000年 『雨あがる』 ★★★★ (4/10)

2001年 『GO』 ★★★★ (4/10)

2002年 『OUT』 ★★★★★★ (6/10)

2003年 『たそがれ清兵衛』 ★★★★★★★ (7/10)

2004年 『誰も知らない』 ★★★★★★★ (7/10)

2005年 『血と骨』 ★★★★★ (5/10)

2006年 『フラガール』 ★★★★★ (5/10)

2007年 『それでもボクはやってない』 ★★★★★★★ (7/10)

2008年 『おくりびと』 ★★★★★★★★ (8/10)

2009年 『誰も守ってくれない』 ★★★ (3/10)

2010年 『告白』 ★★★★★★★★ (8/10)

2011年 『一枚のハガキ』 ★★★★ (4/10)

2012年 『かぞくのくに』 ★★★★★★ (6/10)

2013年 『舟を編む』 ★★★★★★★ (7/10)

2014年 『そこのみにて光輝く』 ★★★★★★★★★ (9/10)

2015年 『百円の恋』 ★★★★★★★ (7/10)

2016年 『母と暮らせば』 ★★★★★ (5/10)

2017年 『湯を沸かすほどの熱い愛』 ★★★★★★★★ (8/10)

 

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