『あなたへ』 (2012) 降旗康男監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


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降旗康男監督と高倉健のコンビは20作を数えるが、この作品がその最後の作品であり、高倉健の遺作でもある。

 

富山刑務所の刑務官を務める倉島英二に、先立った最愛の妻・洋子から届いた絵手紙。そこには今まで英二が知ることのなかった「故郷の海に散骨してほしい」という洋子の思いが記されていた。生前には口にしなかった妻の真意を知るため、英二は自家製キャンピングカーで妻の故郷である長崎県平戸の漁港・薄香へと向かう。

 

前半はかなり淡々としたロードムービー。その旅の途中で、いかめしを全国で物産展で売る営業の一人・南原慎一(佐藤浩市)との出会いという伏線はあるものの、妻の真意を知るという旅の最終目的とは直接には関係ない出来事が続く。それがいささか単調に感じてしまった。

 

しかし、薄香にたどり着いてから、ストーリーは大きく展開する。これまた妻の真意とは別の話が大きくクローズアップされ、観客は旅の終わりに南原慎一が再び登場して驚かされることになる。(以下、なるべくネタバレを避けているため、要領を得ないのはご容赦頂きたい)。

 

英二が刑務官であるという設定と、「鳩を飛ばす」という刑務所内の隠語が、ストーリーに実にうまくリンクしている。

 

しかし、その展開に驚かされ、幾度となく観直して、どうしても納得できない点があった。余貴美子演じる濱崎多恵子がいつ気付いたかということについては、夫の筆跡を見てと得心した。しかし、どう考えても、高倉健演じる英二が気付くはずはないと思われる。

 

このストーリー上の無理に加え、「鳩を飛ばす」挿話がフォーカスされ過ぎ、観終わって「あれ、ところで妻の真意って何だったっけ」と、重要なテーマがぼけてしまった感がある。

 

82歳でありながら、若々しささえ感じさせた高倉健の姿は見事。降旗康男監督とのコンビでは、残念ながらこの作品がベストとは言い難い出来(1999年『鉄道員(ぽっぽや)』、2001年『ホタル』の方がmuch better)。

 

★★★★ (4/10)

 

『あなたへ』予告編

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