今年も約半分が終わるが、今年これまででベストの作品。

 

2013年にアリゾナ州で発生した巨大山火事に立ち向かった、消防精鋭部隊「ホットショット」の実話に基づく作品。この作品が素晴らしいのは、予告編等から想像される単なるパニック・アクション映画とは全く違うこと。この作品は、家族とは何か、何が人生のプライオリティかを問う作品である。

 

監督は、『トロン:レガシー』(2010年)、『オブリビオン』(2013年)のジョセフ・コシンスキー。そのいずれも個人的には好きな作品だが、監督3作目のこの作品で、違う次元の感動を与えてくれた。

 

プロット自体は至ってシンプル。誰が観ても分かるエンターテイメント性がある。しかし、そこに描かれた家族を求める人間像はそれほど単純ではない。特に、ジョシュ・ブローリン演じるチーム指揮官エリック・マーシュの、選択的に子供を産まない決心をした夫婦がそれを考え直す経緯や、マイルズ・テラー演じるブレンダン・マクドノーの、意図せず生まれた子供の責任を取り父親になろうとする経緯は、深く考えさせられた。

 

ブレンダン・マクドノーの演技は『セッション』(2014年)の方がよかったと思ったが、ジョシュ・ブローリンのそれは間違いなく彼のキャリアでベスト。クライマックスに至るシーンで、彼が火の回りが予想以上に早いことを知って、本隊に駆け戻って合流しようとしている時の必死の表情は忘れられない。そして実話に基づき、隊員一人一人のキャラクターを立たせているのだが、その中でも、『24』で主人公ジャックの相棒のチェイス・エドモンズを演じたジェームズ・バッジ・デールの、ここでも主役の有能な右腕役ははまっていたし、『ローン・サバイバー』でマイク・マーフィーを演じたテイラー・キッチュの「バディ感」は、映画に大きな魅力を与えていた。

 

そして作品中に何度か登場する、エリック・マーシュがかつて山火事の現場で遭遇したという火だるまの熊のイメージが(彼は、自分がまさにその熊のようであると、ある時点の感情を説明している)、作品に美しくも恐ろしい幻想的な雰囲気を与えている。

 

ストーリーのディテールに関して、事前情報なしに観てほしい作品。観て、単純に感動するもよし、彼らの生き様から何かを得て考えるもよし。

 

★★★★★★★★ (8/10)

 

『オンリー・ザ・ブレイブ』予告編