この作品の前作『君と歩く世界』(2012年)がとてもよかったジャック・オーディアール監督の現時点での最新作。2015年の第68回カンヌ映画祭のパルム・ドール受賞作品。

 

内戦により荒廃した故郷のスリランカからフランスに逃れた3人のタミル人「家族」の話。家族と言っても彼らは本当の家族ではなく、亡命のために装った偽の家族。家族でないことがバレると強制退去となるため、その嘘の生活を強いられている。亡命先のフランスでも住環境は劣悪であり、治安の悪いパリ郊外のアパート。ドラッグの売人が昼間から抗争で、銃撃戦をしているようなところ。

 

『ディーパンの闘い』のディーパンとは、土地の名前ではなく、主人公の男の名前。彼はスリランカ内戦では戦士であったが、内戦で妻と子供を失うと、戦う気力を失っていた。その彼の「闘い」がクライマックス。

 

難民としての生活、しかもぎくしゃくした他人同士が家族を装い、内戦から逃れてきたにもかかわらず、危険と隣り合わせの日常を描くほとんどの時間が緊張感にあふれている。そしてディーパンの闘いによって、彼らが勝ち得たものとは。

 

非常に今日的なテーマを扱い、そして最後の盛り上がりとエンディングのよさが作品を楽しめるものにしている。

 

★★★★★★★ (7/10)

 

『ディーパンの闘い』予告編

 

2011年以降のカンヌ映画祭パルム・ドール受賞作の個人的評価は以下の通り。

 

2011年 『ツリー・オブ・ライフ』 ★★★★★ (5/10)

2012年 『愛、アムール』 ★★★★★ (5/10)

2013年 『アデル、ブルーは熱い色』 ★★★★★★★ (7/10)

2014年 『雪の轍』 ★★★★★★ (6/10)

2015年 『ディーパンの闘い』 ★★★★★★★ (7/10)

2016年 『わたしは、ダニエル・ブレイク』 ★★★★★★★ (7/10)

2017年 『ザ・スクエア 思いやりの聖域』 ★★★★★★ (6/10)

2018年 『万引き家族』 ★★★★★★★★ (8/10)