『彼の見つめる先に』 (2014) ダニエル・ヒベイロ監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


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両親と祖母、そして幼なじみのジョヴァンナに囲まれて暮らす視覚障害者のレオは、初めてのキスを夢見る高校生。過干渉の両親を少し鬱陶しく思うようになってきて、海外留学を考えていた。そんなある日、彼のクラスに転校生がやってきた。レオはそのガブリエルと、自然と親しくなり、レオにとっては初めての映画館や自転車を経験していく。やがてレオとガブリエル、そしてジョヴァンナのそれぞれの気持ちに変化が訪れる。

 

ダニエル・ヒベイロ監督の2010年の短編映画『I Don't Want to Go Back Alone』は素晴らしい作品だった。その高評価を受けて、同じキャストで長編化したのがこの作品。

 

オリジナル作品がとてもよかっただけに、期待して観たのだが、監督のメッセージは17分の短編に言い尽くされていたように感じた。

 

17分を1時間36分に仕上げるのであれば、もう少しレオとガブリエルの恋の芽生えを丁寧に描いて欲しかった。彼らがお互いに友人としてではなく、性の対象として惹かれていく過程があまりに唐突。そして、同性愛に対する葛藤がなさ過ぎ。そのような風潮は現実的にはむしろ好ましいのだが、LGBTに対する差別がなくなっていない今日の社会に対するメッセージとしては、もう逡巡を見せてそれを乗り越える脚色があってもいいように感じた。それが紋切り型であることは理解しても、描き方次第であろう。

 

また、長編化するに当たって挿入されたいくつかのエピソードも、二人のピュアな恋愛感情というシンプルなテーマに深みを与えるほどには面白くない。唯一、短編よりも詳しく描かれていることで、違いを感じたのはジョヴァンナの「親友を奪われて嫉妬する気持ち」が強く出ていたこと。ただそれも子供っぽい感情であり、殊更に強調して面白いわけではない。

 

印象的な挿入歌は、ベル・アンド・セバスチャンの2000年リリースのアルバム『わたしのなかの悪魔(Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant)』に収録されている「There's Too Much Love」。この映画は、ベルセバの曲のような、ゆるくハッピーな作品と言っていいだろう。

 

それほど悪いわけでもないが、それなら、是非2010年の短編を観てほしい。

 

★★★★★ (5/10)

 

『彼の見つめる先に』予告編

 

 

 

 

 

 

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