マーベル作品の中でもドル箱のアベンジャーズ。これまで書いてきたことだが、「マーベル・シネマティック・ユニバース」というコンセプトは好きではない。同一作品の中に複数のスーパーヒーローが登場するのは、全てがミュータントの『X-MEN』シリーズ及び全てが非地球人(ピーター・クイルも50%非地球人)の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズを例外として、合理的ではないから。トニー・スタークが心臓の近くに刺さった鉄片を除くためにアーク・リアクターを埋め込んだり、ピーター・パーカーがスーパースパイダーに噛まれるということが偶然に同じ時間軸で起こっていることなどあり得るはずがない。

 

それでも前作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は悪くなかった。紛争地域のソコヴィアに生まれ育ったスカーレット・ウィッチとクイックシルバーという双子を登場させ、軍需企業社長であるトニー・スタークを恨ませる構図は、正義を押しつける(そして武器の最大生産国である)アメリカを揶揄するかのような内容であり、アベンジャーズの中では一際地味なホークアイのファミリーを描きつつクイックシルバーとからませて、浪花節的なストーリーは深みがあった。

 

本作の目玉は、これまでのアベンジャーズ軍団に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』チームをマッシュアップすること。これで『X-MEN』チームを除き、マーベルのスーパーヒーローがほぼ大集結することになる。

 

しかしその豪華さに反して、ストーリーは浅い。結局はインフィニティストーンをめぐる争いなのだが、その6つのインフィニティストーンはこれまでに「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズで出てきたガジェットを集めたもの。例えば、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』での「オーブ」や、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』での「セプター」がそれなのだが、初めから6つあるインフィニティストーンなんて言ってたっけ?という唐突感はあった。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のエンドクレジット中の追加シーンでサノスがインフィニティ・ガントレットを手にするイメージがあったところから、本作の内容は示唆されていたところではあるが。

 

そもそもなぜ全宇宙の生命を半分にしなければならないのか、サノスの動機が全く意味不明。

 

本作の問題は、各キャラクターの出るオリジナル作品の持つテンポの違いが継ぎ合わせることでぎくしゃくしていること。特に、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ファンとしては『ガーディアンズ~』の空気感が損なわれていることが残念だった。かろうじてドラックスが「ゆっくり動くことで自分の存在感を消している」とうそぶくシーンで「らしさ」が伺えたが。そもそも70年代ポップスがサントラとして使われていない時点で、『ガーディアンズ~』の世界観はない。

 

そのテンポの違いが更に大きいのは『ドクター・ストレンジ』のスティーヴン・ストレンジ。妙に生真面目で、面白味を損なっているように感じた。それを考えると、アベンジャーズの面白さは、キャプテン・ウルトラを学級委員として、クラスのトニー・スターク、ソー、ハルク(ブルース・バナー)という悪ガキがぶつかりながらも協力し合うところだと理解した。その絶妙な配合に、更に追加しようとすれば「ごった煮」感が強まって面白さは弱まる。

 

ただアクションCGには相当お金がかかっていることは分かる、アクション・シーンの迫力だけは評価できる作品。それでも途中かなり飽きてきたが。2時間29分は長すぎた。

 

★★★★★ (5/10)

 

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』予告編