『マルタの鷹』 (1941年)、『黄金』 (1948年)、『キー・ラーゴ』 (1948年)でコンビを組んだジョン・ヒューストン監督とハンフリー・ボガードの1951年の作品。この作品でボギーはオスカー主演男優賞を受賞している。ヒロインはキャサリン・ヘプバーン。キャサリン・ヘプバーンは、演技部門でオスカーを4度受賞している唯一の俳優だが、この作品ではノミネートのみ。本作の(冒頭及びエンディングを除く)大部分の映像はこの二人だけの演技。

 

リアリティを追求するため、当時としては画期的な長期現地ロケをアフリカで行った作品。長期ロケで体調を崩す者が多く、片や監督のジョン・ヒューストンは映画制作そっちのけで狩猟に明け暮れていたと言われているが(原作はケニアが舞台だが、ケニアでは狩猟が禁止されていたため、それが許されていたコンゴをロケ地に選んだ。キャサリン・ヘプバーンが、後日自伝の中で撮影時の監督の態度を批判)、それを伺わせないほど素晴らしい作品に仕上がっている。

 

「アフリカの女王」は、郵便配達員役のボギー演じるチャーリーが所有する船の名前。キャサリン・ヘプバーン演じるローズは、宣教師の兄と共に布教活動のためアフリカ奥地に長らく住んでいた。ある日、チャーリーは第一次世界大戦が勃発したことを彼らに告げるが、そのすぐ後にドイツ軍が村を襲撃し、村を焼き払って村人たちを拉致してしまう。ローズの兄はショックで精神に異常をきたし、そのまま死んでしまう。村に戻ってきたチャーリーは、一人取り残されたローズを船に乗せるが、ローズは川下の湖に停泊しているドイツ軍戦艦を爆破することを提案。川下りの途中にはドイツ軍の砦や激流があり危険だと渋るチャーリーをローズは説き伏せて、彼らは湖を目指す。

 

布教活動をしていたおとなしい女性のローズが男性顔負けの活躍をする、予想できなかった大活劇。オスカーを受賞したボギーよりも、ノミネートのみだったキャサリン・ヘプバーンの演技の方が印象的だった。

 

クラシックではあるが、川下りの途中次々と起こるスリリングな展開は現代でも十分に楽しめる。ラブ・ロマンスとしても上々。観て損はない。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『アフリカの女王』予告編

AD