『ハリー・ポッター 死の秘宝 Part2』 (2011) デヴィッド・イェーツ監督

Tue, August 22, 2017 14:22:02 Theme: 洋画 ハ行

 

映画シリーズとして世界歴代興行収入第2位(1位はマーベル・シネマティック・ユニバース)のハリ・ポッター・シリーズの完結編。シリーズ8作目にしてシリーズの中では最高興行収益を上げていることは、このシリーズが常に人々に愛されてきたことを示している。

 

シリーズ8作の監督は4人。1-2作目のクリス・コロンバス、3作目のアルフォンソ・キュアロン、4作目のマイク・ニューエル、そして5作目以降のデヴィッド・イェーツである。原作を読んだこともなく、ハリー・ポッター・シリーズにそれほど思い入れがあるわけでもない自分が観た中で、一番面白いと感じたのは8作目の本作も含め、5作目の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』だった。

 

それまではストーリーも他愛のないもので、子供向けの印象であった。4作目の『炎のゴブレット』でも、1作目の寮対抗杯が、三大魔法学校対抗試合に変わっただけで、やはり他愛のなさは変わりがなかった。それが、全体的にぐっとダークになり、シリアスになったのが5作目の印象だった。それは原作の変化もあろうが、やはり監督の影響もないわけではなかろう。

 

そして全体的なトーンの変化とともに、ストーリーも複雑さを増している。映画だけ観ていてもなかなか理解するのが難しいのではないかと感じた。自分も今回、『死の秘宝 Part1』と『Part2』を劇場で観る機会があったので、観ることにしたのだが、あらすじを事前に読んで人物名と彼らの関係は押さえておかないと、かなり「?」な部分があっただろうと思う。

 

5作目の印象は、4作目までと比較して俄然面白くなったというギャップがあるがゆえであり、ストーリー的には影の主役と言われるスベルス・スネイプの過去が明かされる本作は、謎解きの面白さがあってより面白味はあったと思う(彼が子供時代にハリーの父親にいじめられていたため、ハリーを目の敵にしているという設定は、結局正しかったのかどうかは分らなかった。ハリーの父親って嫌な奴じゃん、という印象が残った)。

 

人気シリーズだけに、脚本にも十分な構想の時間が掛けられ、原作との齟齬がないように最大の配慮が払われたことは容易に想像できる。しかし、映画だけを観ている者にとってみれば、やはり原作を読んでハリー・ポッターの世界観を十分に理解した者が追体験する作品のように感じた。映画を観ていて、「これはなんでなんだろう。多分原作を読んでいれば分かるんだろう」と感じることが度々あり、それはやはり映画としての面白さを削ぐと言わざるを得ない。

 

例えば、ホークラックス(分霊箱)だが、それは自分の魂を分けて隠すため、ヴォルデモートが作ったのではなかったのか。「7」が一番強い魔法数字であるため、6回の分割を経ることで、自身の肉体に残る1つの魂と6つのホークラックスの7つに自身の魂が分割されることにより、より強力な存在になろうとしたのではなかったのか。それであれば、ホークラックスの一つがハリー・ポッターであり、ヴォルデモートが「意図せず作ったホークラックス」という解釈は矛盾しているように感じる。そして仮にも自分の魂の一部であれば、それが破壊されて何も気づかないというのも何だかなあと感じた。いつからか、ホークラックスが破壊されていく後半はそうではなかったため「やっぱりそうこなくちゃ」という感じ。

 

そして、ホークラックスが破壊されると苦しむようになってもその後の矛盾はある。ホグワーツの戦いにて、ヴォルデモートがハリーに対して「死の呪文」を使ったが、ハリーは死なずハリーに残っていたヴォルデモートの魂だけが破壊される理由が、リリーの守護魔法(ハリーが赤ん坊の時に、ヴォルデモートの呪文をはね返したもの)とされるが、なぜ今回は呪文がはね返ってヴォルデモートの肉体が失われるというハリーが赤ん坊の時とは違う結果なのか。そして死の呪文でヴォルデモートの魂が死んだのなら、自分でその時に気づくはずが(それまでは魂の一部を隠したホークラックスが破壊される度に苦しんでいたがなぜか以前のように)、なぜ気づかないのか。ハリーが死んだと勘違いして喜んでる場合じゃないだろ、と思ってしまった。

 

それらはもしかしたら原作を読み込めば矛盾が解消できるのかもしれないが(できなければ原作に問題あり)、それでは映画はかなりご都合主義的な適当さだと感じる。

 

魔法学校の1年生だった主人公たちが最高学年の7年生になる物語に、実際の時間は1作目の2001年から8作目の2011年まで丁度10年が経過している。あどけない子役が大人になるにつれブサイクになっていくケースも少なくない中で、ハリー、ロン、ハーマイオニー役の三人はなかなかうまく成長したように見えた(かなりロンがデカくなったかな)。

 

ファンタジー映画の金字塔であることは評価しつつ、やはり原作を読んでいるコアなファンが追体験して、「やっぱりハリポタはいいよね」という作品であると感じた。それでも十分面白いのだが。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『ハリー・ポッター 死の秘宝 Part2』予告編

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