『アルジェの戦い』 (1966) ジッロ・ポンテコルヴォ監督

Mon, August 07, 2017 01:23:17 Theme: 洋画 ア行

 

日本人にとっては馴染みの薄いアルジェリアの独立戦争を描いた作品。しかしそのテーマは、民族の独立、テロそして民衆の同調といった普遍的かつ現代的でもあるものであり、感銘を受けると共に得心するものがあった。

 

アルジェリア独立戦争は1954年から1962年にかけてであり、この作品はそれからさほど時を経ずに制作されている。ニュース映像を全く使っていないが、ドキュメンタリータッチの映像は実写以上に生々しく当時の模様を伝えている。主要な登場人物は数名を除き、ほとんどが素人であり、8万人とも言われているエキストラは現地の当時を身をもって知る人たちである。それが作品に迫力を与えているのは間違いない。

 

一番印象的だったのは、民族解放運動の指導者が実働班の主人公に対して革命に関して語るシーン。

 

「革命に暴力は必要ではない」「テロは革命の初めにしか有効ではない」「革命が困難なのは、始めることではなく継続することである。そして更に困難なのは、それが成功した後である」

 

これらの言葉は現代にも通用するものである。

 

独のファシズムに対してはレジスタンスを続けたフランスが、戦後は自ら帝国主義的植民地主義に囚われたという視点や、いかに民族独立という正しい主義・主張に基づいていても、子供や女性を使った自爆テロや罪のない民衆をターゲットにしたテロの残虐性といった視点が、この作品の公正さであり、それがこの作品の歴史的評価を高めていると思われる。

 

今から50年以上前の作品でありながら、そのテーマのみならず、映像のセンスも現代に通じる新しさを感じる。

 

「故きを温ね新しきを知る」という言葉が真に生きている証となる作品。見逃すにはあまりにも惜しすぎる。

 

★★★★★★★ (7/10)

 

『アルジェの戦い』予告編

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