『ランゴ』 (2011) ゴア・ヴァービンスキー監督

Fri, July 14, 2017 14:19:21 Theme: 洋画 ラ行

 

大人も楽しめるアニメというのはこういう作品を言うのだろう。アニメ文化の成熟度で言えば圧倒的に日本の方が先鋭的だが、幅広い年齢層が楽しめるエンターテイメント性の高い作品となると、アメリカに一日の長があるように感じる。

 

人間に飼われていた名なしのカメレオンは、ある日車で移動中に砂漠の真ん中へ放りだされてしまう。当てもなく歩いていると、「ダートタウン」で牧場主をしているサバクイグアナの女性と出会った。その町の酒場で、カメレオンはランゴ(酒の名前の一部を拝借)と名乗り、ウソの武勇伝を語る。そして偶然から動物たちの天敵と恐れられていた鷹を倒して町の人々の信頼を得たランゴは、新しい保安官として町の水不足を解決することになる。

 

町は深刻な水不足に悩まされていたが、水道利権を握る町長がいかにも悪役。『ランゴ』は色々な作品をモチーフにしているが、水道利権を握る権力者という設定は『チャイナタウン』(1975年)のもの。そのほか「この町じゃ流れ者と善人はすぐ死ぬよ」という台詞や、繁盛しているのは葬儀屋だけという西部劇にお約束の設定がなかなか楽しい。

 

そして特筆すべきはCG映像の美しさ。特に後半、自然の風景が実に情緒豊かに描かれていて、この作品を格調高いものにしている。

 

ヒーロー願望を持ったヘタレな主人公が、ホラを吹きまくってヒーローになるけれど、結局ヘタレであることが露見して一気に転落。どん底にまで転落するも、奮起して愛する者を救うために再び敵に立ち向かって真のヒーローになる、というのは王道のパターン。そしてこの作品では、その立ち直るきっかけになっている「西部の精霊」との語り合いが哲学的で味わい深い。誰が見てもクリント・イーストウッドの「西部の精霊」がゴルフカートに積んでいる黄金の像が「オスカー像」のようであるのもニヤリとさせる(クリント・イーストウッドは、1992年『許されざる者』、2004年『ミリオンダラー・ベイビー』で監督賞を受賞)。

 

登場する動物でも、擬人化しているものとただの動物であるもの(天敵の鷹とか)が混在しているのがどうなんだろうと思ったり、水の金庫から脱出する「一発の銃弾」の設定がリアル感がなくて残念だったりするのだが、先に述べたように十分大人の鑑賞に堪える作品。

 

そしてジョニー・デップがモデルになっている主人公のキャラ立ちしている点が、この作品の魅力であることは言うまでもない。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『ランゴ』予告編

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