『わたしは、ダニエル・ブレイク』 (2016) ケン・ローチ監督

Fri, March 24, 2017 23:26:01 Theme: 洋画 ワ行

 

遅ればせながら昨年のカンヌ・パルムドール受賞の『わたしは、ダニエル・ブレイク』鑑賞。カンヌとの相性の悪さをいつも感じていただけに、全く期待していなかったが、これが「意外に」とてもよかった。まず自分が感じたのは、カンヌらしからぬ「誰しもが共感できる作品」であること。

 

イギリス北東部の地方都市ニューカッスルで、大工として働くダニエル・ブレイク。しかし彼は心臓を患ったことから、医者から仕事を止められ休職を余儀なくされてしまう。国からの補助金を受けようとするが、それを阻むのが複雑な制度と役人の尊大さ。そして彼は、職業安定所で出会ったシングルマザーのケイティと2人の子どもと絆を深めていく。そんなダニエルとケイティたちを追い詰めていくのは厳しい現実だった。

 

社会保障制度を悪用する人間がいる限り、ある程度はハードルを上げなければいけないという事情は理解できないわけではない。この映画の中でも、ダニエルやケイティが職業安定所のスタッフと衝突するシーンを冷静に見ると、事を荒立てているのは彼らであり、もう少し上手にできないものかとも感じた。しかし、当事者感覚で見ると強く共感も覚える。そうした普遍性がこの作品を「誰しもが共感できる作品」にしている。

 

ダニエルの、自分が困難な状況にあっても人に救いの手を差し伸べることを忘れない心優しさは、自分もこうありたいと思わせる。そして、彼の「When you lose your self-respect, you're done for.(人は尊厳を失ったらおしまいさ)」という言葉には強く心を打たれた。

 

社会の理不尽なシステムに対し、力強く立ち向かっていく彼の姿勢に勇気を得る者は多いだろう。そしてそれが結果を伴わなくても、無駄な努力に終わることはないと知っている。

 

どこにでもいる普通の人が主人公であり、どこにでもある話でありながら、感動的な作品に仕上がっている。見逃すには実に惜しい作品。

 

★★★★★★★ (7/10)

 

『わたしは、ダニエル・ブレイク』予告編

 

 

 

 

 

 

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