X-MEN新三部作完結編。前三部作からのシリーズ第6作目にして、個人的には一番好きな作品。
 
マーベルにせよ、DCにせよ、スーパーヒーロー物で複数のキャラクターが同時に出てくる作品はあまり好きではない。テンコ盛り感が強すぎる。それに、それぞれの「超人」が生まれる過程は全く異なるはずなのに、そのような通常ではあり得ないことが同時多発することも不自然であると感じる。後者に関しては、複数のキャラクターが登場する「X-MEN」では、一応突然変異体のミュータントということで説明されているが。
 
ミュータントは、人間社会において異質なものとして迫害され、彼らは身を隠す存在という設定になっている。そして、X-MENシリーズを通して、ミュータントと人類の共存は可能かということが一つの大きなテーマになっている。ここで想起されるのは、ミュータントが現実社会における(人種的あるいは宗教的)マイノリティを表象しているということである。もしミュータントを、現実社会のネグロイドだとすれば、プロフェッサーXはさしずめマーティン・ルーサー・キングであり、マグニートーはマルコムXだろう。
 
そういう観点では、前作でミュータントに結集して人類と対峙することを呼び掛け失敗に終わったマグニートーが、今作品では、ミュータントであることを隠して持っていた家庭を、ミュータントであることが発覚した結果奪われ、再び人類に敵意を持つ経緯、そしてその後の展開がそのテーマをうまくストーリーに仕立てているように感じた。
 
エンディング・ロールで、自分の好きなベートーヴェン交響曲第7番第二楽章が使われたこともお気に入りの一つの理由。
 
メインのプロットは、古代エジプトを支配していた神格的存在がミュータントの始祖であり、彼が現代に復活して、現代社会を彼が支配していた時代までリセットしようというかなり壮大なもの。そのスケールの大きな設定に見合う強大なパワーを持っているのだが、やられる時には案外あっさりというのはなんだかなあではあるのだが。
 
ミュータントを仕切るプロフェッサーX/チャールズとマグニートー/エリックがおじいちゃんよりは、若い二人(ジェームズ・マカヴォイ&マイケル・ファスベンダー)の方がいいかな。そして、三部作では完結編が大概一番面白くないというジンクス(作品中にスターウォーズIV~VIでのジョークを言うシーンがあるが、初期三部作のことを指しているものと思われる)を破っていることを評価して。
 
★★★★★★ (6/10)