『アンタッチャブル』 (1987) ブライアン・デ・パルマ監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



今月は個人的にブライアン・デ・パルマ月間ということで、劇場観賞の『ファントム・オブ・パラダイス』に続き、NETFLIXで『アンタッチャブル』を観賞。

かなり売れた作品という印象と、公開時に観てそこそこ面白かった印象があった。久しぶりに観て、その理由はよく分かった。確かに面白く作ってはいるが、いかにも大衆受けするチープな作品。

主人公は、ケヴィン・コスナー演ずる財務省捜査官エリオット・ネス。禁酒法時代のシカゴを舞台に、正義のためにギャングのボスであるアル・カポネを逮捕しようとするアメリカ財務省捜査官たちのチーム「アンタッチャブル」の戦いを描いた映画。脚本は、エリオット・ネスの自伝を基にしている。

元々、エリオット・ネスの自伝はかなり脚色されていると批判されているが、更にそれをチーム「アンタッチャブル」をヒーローに仕立てるべく盛っている。チームのメンバーが殺されていくという悲劇的な要素は、日本の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』が人気を博したものと同じパターン。

特徴的なカメラワークの「デ・パルマ・カット」はこの作品では抑え気味。とはいえ、やはり分割画面、目線アングル、長回し、スローモーションといったお決まりの映像技術はファン・サービス程度に盛り込まれている。

ブライアン・デ・パルマの映画としては、少しおどろおどろさに欠け、受けを狙った感がある。カナダ国境で、密輸酒を取り押さえるシーンはお笑いだった(なぜ馬?迫力のない銃撃戦)。よかったのは、アル・カポネ演ずるデ・ニーロがファミリーのボスと円卓を囲み、一人をバットで撲殺するシーンくらいか。

ブライアン・デ・パルマらしさに欠ける、大衆向けのエンターテイメント作品であり、あまり何も考えずに観ることのできる作品。

★★★★★ (5/10)
『アンタッチャブル』予告編