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最近、買って読んだ本です。
とても面白かったです。

ヤマギシの村で生まれ育った著者が自身の体験をもとに描いた自伝的マンガです。

すでにブログで書いている方も多くいらっしゃいますが、この本を読んで、ヤマギシ会についてもっと知りたいという方のために、補足目的で書きたいと思います。

というのも、僕自身が「カルト村〜」の著者、高田かやさんと同じく、ヤマギシズム学園出身者だからです。

僕は村生まれではなく、10歳のときからの村育ちですが、おそらく高田さんは僕の2つか3つ後輩にあたります。

僕らの年代は、まさに会の絶頂期にありました。
学園生一学年の人数は200名ほどいました。

僕が中学に上がる年(1991)に、全国7ヶ所に新たに学園中等部支部が誕生しました。

当時の会の勢いは、飛ぶ鳥も落とす勢いで、世界各地のおよそ50ヶ所の地域で広大な土地を買い占め、養鶏と有機栽培による「ヤマギシズム農法」と移動販売を主な収入源とする農業ビジネスを展開していました。
参画者の私財も会の資金となるため、この頃の法人利益は莫大だったと思われます。
90年代は、会員数も凄まじい勢いで増やしていましたが、バブル経済崩壊後、マスコミからのバッシングもあり、会の運営は縮小に向かいました。

当時の学園生の半数ほどが、親が会の参画者である「村の子」で、残りの半数は、親が参画者ではなく、講習会を受講した会員である「街の子」でした。
会員として子どもを学園に送った親が後に参画し、「村人」になるパターンも多くありました。

高田さんが女子目線で描かれていることと、彼女の性格が穏やかなためか、ほんわかした雰囲気の作風に仕上がっていますが、男子部、特に中学生男子の世界はもっと苛烈なものでした。

そもそも、思春期或いは反抗期の少年数十人(場合によっては100人以上)を、たった一人の大人が管理するなんて無理があります。
そんな無理な体制でやろうとするから、体罰による恐怖政治まがいのことになるのです。
世話係も(僕ら学園生にとっては加害者ですが)必死だったと思います。

実際、僕がいた中等部支部では、生徒が世話係に反発し、ついに手に負えなくなったため、男子部のみ廃部に追い込まれました。
僕が中3の夏、男子全員が転校を余儀なくされ、本部に転入しました。

本部では、一人の世話係が恐怖支配によって、中学生男子100人余りを統制していました。

十代前半の僕らにとって、彼がどれほど恐ろしい存在であったでしょうか。
彼に比べれば、熱血体育教師なんてかわいいものです。

中学生時代に優等生を演じていた少年の大半が、後にコースアウトしていきました。
つまり、優等生を演じる目的を失ったとき、彼らの中に「自分」というものが見つけられなくなってしまったのです。

僕はヤマギシ会自体を批判する立場ではありませんが、ヤマギシズム学園の方針は明らかに間違っていました。

一人一人の意見を尊重し、真実を探究するというポリシーを掲げながら、子どもの個性を認めず、価値観の植え付けを行っていたのですから。

世間に「洗脳」だと言われても、仕方がないと思います。
そういった体罰や価値観の矯正が行われていることを、学園生の親たちも黙認していたという事実があります。
親は、それが子どものために良いことだと盲信し、子離れしなければならないという強制観念から、学園の世話係を非難することは一切ありませんでした。
疑問を感じたとしても、間違っているのは愚かな自分の考えだと思い込んでいたのです。

教育現場には、どこでも多かれ少なかれ洗脳まがいのことはあるのかもしれません。
しかし、ヤマギシ会の教育は行き過ぎでした。

僕と同じように学園で育ち、世間に出てから、低学歴と無知のために苦労している輩は数多くいます。
彼らは僕にとっては兄弟のような存在です。
文字通り「同じ釜の飯を食って」育ったわけですから。


思想は自由ですし、理想に向けて活動するのも自由です。
でも僕は、子どもたちに価値観を押し付けることだけは、あってはならないと強く思います。


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