ネトフリで、映画『ココ・アヴァン・シャネル』を観ました。
シャネルが文字通り無一文から地力で立ち上がっていく様子や、当時の社会構造や価値観、衣装などの風俗が垣間見れて面白かったです。
今更ながらシャネルに興味を持ったのは、中野京子さんの『美貌の人』のエピソードがなかなか強烈だったため。
シャネルと同時代のマリー・ローランサンが、シャネルの肖像画を独特のパステル調で描いたところ、似てないと言う理由で突き返したとか(ふんわり仕上がるとこは分かってたよね?むしろなぜ依頼した⁉︎)、
問題の絵はこれ
いいじゃんと思う私は何か足りないのか
同世代の文筆家から、シャネルはたとえどんなに成功しても所詮は農村の田舎女だ、みたいなことを書かれていたことに象徴されるように、
成功の裏側では、生涯、貧相な生まれのことを揶揄され続けたことなど、
とにかく全方位で戦っていた様子に興味を持ちました。
ちなみに、さしたる予備知識もなく、ココが世界のシャネルとして快進撃を遂げる話だと思って見始めましたが、
愛人時代が長く、いつまで経っても最初のお店開店にすらたどり着かない…
おかしいなと思いタイトルをよく見たら、ココ・アヴァン・シャネル
そう、昔々フランス語の授業で、
アヴァンavant 🟰前
と習ったことを思い出しました。
つまりシャネルになる前のココ、と言う意味のタイトルだったのですね。
なるほどなるほど。
始まりは、寂しい孤児院時代を経て地方の場末のキャバレーの踊り子として社会に出るところから。
目の前に転がってきた、上流社会の末席に入り込むチャンスを逃さない貪欲さ、
既存の洋服の概念を打ち壊すストレートさ、
批判に負けない鋼のメンタル、
(本当は傷つきやすくても、ね)
そしてもちろん卓越したファッションセンス。
全てがココを世界のシャネルに押上げるために必要な要素で、文字通り自分の中にある資質をフル活用して、自立の道を突き進んで行きます。
打たれて弱い私としては、その強さに脱帽です。
予告 英語バージョン
予告 日本バージョン
最後に、いわゆるシャネルスーツをまとい、膝を見せて座るココの様子が映し出されますが、
概ね今の私たちが着ている服とそんなに距離は感じません。
入学式にこんな人たくさんいるよね
てか何なら私もこんなの持ってたわ
でも、ココが登場する前の装束ってこんなですよ⁈
もちろん、彼女1人の力だったととは言わないけれども、社会の風俗を大きく転換させる推進力なったと考えると、ココは本当に偉大だったと思います。
女性が日常シーンで黒を着始めたのも、シャネルの影響?
映画では彼女が黒の生地を選んで周りが驚くシーンや、まさにこのスタイルでタバコを燻らせながら服を仕立てる様子が再現されていて、かっこよかったです(そして、商品に匂いがつくのではないかとちょっと気になる小市民)
シャネルは今でも抜群のネームバリュー。
こういう扱われ方を本人が望んでいたかどうかは知りませんが、社会に、歴史に、大きな爪痕を残した事は間違いありません
お勧めです!★★★
シャネル、マトラッセは人気
欲しいけどすごいお値段でビビる
こんな財布を買うと、入れるものがなくなると言うこの不思議
こういうスーツもシャネルを原型としているってことですかね。