No.0474 秋の風に吹かれて。妄想に耽りながら歩く時に聴きたいSONG BOOK。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

こんにちは。僕のブログ『アデュー・ロマンティーク』へ、ようこそ。

 

ずっと書いている『秋の架空美術展 シュルレアリスム・グランクリュ』は臨時休館。そして今回のテーマは『秋の風に吹かれて。妄想に耽りながら歩く時に聴きたいSONG BOOK』(何だそれ?)。但し。車や自転車、すれ違う人にはくれぐれもご注意を。

 

そう。秋がだんだん深まってきている🍁。こんな季節には、僕はひとりいろんなことを考える。だけど、ひとつの物事についてしっかり考えるという訳ではなく、ただ何となくボーッともの想いに耽ったり、妄想や空想に耽ったりうーん。例えば「もしも僕が総理大臣になったら、いったい僕は何をするだろうか?」とか「時空を超えて。ある日突然、僕が1920年代のパリに紛れ込んでしまったら、僕は何をするんだろうか?(まずはフランス語の勉強だろうな)」とか。或いは「電車の中で痴漢に間違われて駅長室に連れて行かれたら、どうしようか(連れて行かれてしまったら、かなりヤバいよねえーん)」とか。「秋という季節に。秋の風に吹かれながら、どんな妄想に耽りながら、どんな音楽を聴けば楽しくなるだろうか?」とか。そんないろいろな妄想が、時として少しリアルに、時としてただのイメージの断片としてアブストラクトに僕の頭を巡っていく。


そう。僕は今、(僕を含めた)「無意識過剰zzz」な人たちのための、『秋の風に吹かれて。妄想に耽りながら歩く時に聴きたいSONG BOOK』について書こうとしているんだ。

 

今、世の中では歩きながらヘッドホンで音楽を聴く人が増えている。

 
📷️こんな感じか、と(秋の風に吹かれてないし、歩いてないぞーおーっ!)。因みに写真はコロンビアの女性写真家アドリアナ・デューケ【Adriana Duque】の作品。

 

僕自身も30年以上前に、ウォークマン(音源はカセット・テープだ)で歩きながら音楽を聴き始め(その頃はイヤホンだった)、15年くらい前からは時々、ヘッドホンで歩きながら音楽を聴くようになって、今現在もそうしている(まだ有線のヘッドホンなんだけど、それが何か問題でも?もぐもぐ)。だけど一般的に言えば。そもそもほとんどの人は歩きながら音楽は聴かない。周囲の音が聞こえないので危ないということもあるだろうし、そこまでして音楽を聴く必要がないからかも知れないし、音楽が好きだからこそ簡易的に外では聴きたくないという人もいるかも知れない。まぁ、例え音楽をどのように聴いていたとしても他人に迷惑をかけないなら自由だ。なので、その話はいいや。脇に置いておこう。僕が書きたいのは、あくまでも「妄想に耽りながら歩く時に聴きたい音楽」という妄想の話であり、イメージの話に過ぎないのだから。

 

そのようなことで。前回の記事の終わりに書いた「音楽的な閃き」が湧いてきた流れのついでに。秋の風に吹かれて。妄想に耽りながら歩く時に聴きたいSONG BOOKを素敵なカヴァー・アートを添えて、あれこれ自由にコンパイルしていこうと思う。

 

さて、と。大切な1曲目は何から始めようか。僕の記事ではいつもそうなんだけど、最初にどのようなアート作品を置くか、どのような曲を置くかによって、全体のイメージが引っ張られていくので、とても大切なんだ。くれぐれも慎重に、且つ大胆に。

 
🎨ところどころでヴィジュアルも挿入しておくね。最初は今回のテーマに相応しい『Autumn Ghosts』というタイトルの作品を。妖精だろうか。森の精霊なんだろうか。可愛くって、イタズラっぽくて。いろんな妄想を掻き立てられてしまう。但し作者は不明。
 
音譜音楽の最初は1967年にリリースされたビートルズのアルバム『Magical Mystery Tour』の中に収められたとてもフワフワしたサイケデリックな曲『フライング』【Flying】から。この曲を聴くと、僕は何処へでも飛んでいけるような気がするんだ。SONG BOOKと言いながら、いきなりインストゥルメンタル曲を持ってきてゴメン。
 

🎨音楽に呼応するように。秋っぽい感じと少々サイケデリックな感じが混ざり合ったシーナ・キャヴィン【Seana Cavin】のフォトモンタージュをいくつか。僕の頭の中ではいろんなことが未整理で、さまざまな妄想が顕れては消えてゆく。そう。妄想に耽っている僕の頭の中を覗いたら、だいたいこんな感じだ。
🎨60年代には。マッシュルームはサイケデリックの象徴だったんじゃないかな。
音譜続いて。ビートルズ・ライクなサウンドが魅力的だったイギリスのグループ、TEMPLESの2014年のデビュー・アルバム『Sun Structures』から『Shelter Song』。カッコいいよね。

 

 🎨同じくシーナ・キャヴィンの作品。妄想が止まらないや。

 
音譜ニール【Neil】の1984年のアルバム『Neil's Heavy Concept Album』から『Hole In My Shore』を。ビートルズの『SGTペパーズ』風のカヴァー・アートも怪しくって雰囲気あるし。ついでに言えば裏ジャケはもっと『SGTペパーズ』している(って言うか、まんまだよね😯)。
 


🎨これもシーナ・キャヴィンの作品。「秋の美覚!マッシュルーム尽くし」という感じか、と。
 
音譜ここで1度、ひと皮剥けよう。ちょっと異質な感じがするキング・クリムゾンの絶対者ロバート・フリップの、1979年にリリースされたファースト・ソロ・アルバム『エクスポージャー』【Exposure】から。秋とはまったく関係ない音楽だけど(妄想は膨らむけどね)、鮮烈なタイトル曲を。
 

🎨ベン・ルイス・ジルズ【Ben Lewis Giles】のアート作品を。これまたややこしいイマージュだな。
 
 
音譜ピンク・フロイドのスポークスマンだったシド・バレット【Syd Barrett】の、アシッド・フォーキーなファースト・ソロ・アルバム『帽子は笑う…不気味に』【The Madcap Laughs】(1970)から『Love You』を。アルバムの、日本語タイトルからして普通じゃなさそう、って思うよね。
 

音譜そのシド・バレットのことを歌ったTVパーソナリティーズ【Television Personalities】Rough Tradeから1978年にリリースされたデビュー・シングル『シド・バレットはどこ?』【I Know Where Syd Barrette Lives】を。少々、ノスタルジックなモノトーンのカヴァー・アートも可愛くて素敵だ。
 

📷️数多くのロックのカヴァー・アートを手掛けたイギリスのデザイン集団ヒプノシスのような写真を撮るカイル・トンプソン【Kyle Thompson】の作品。自分自身を主人公にして奇妙な物語が語られている。
 
 
 音譜アメリカのSSW、サミュエル・ビームのソロ・ユニット、アイアン・アンド・ワイン【Iron & Wine】の2004年にリリースされた名盤『Our Endress Numbered Days』から『On Your Wings』。ミニマルなアコースティック・ギターと朴訥な歌声が優しく静かに心の深い部分にまで響いてくる。

音譜ノルウェーのジャズ・ベーシスト、スタイナー・ラクネス【Steinar Raknes】の2012年のアルバム『Stillhouse』から『Killing The Blues』。この深い「間」「余韻」が僕の妄想を掻き立てるのだうーん
 

音譜アメリカのSSW、キャシー・マッコード【Kathy McCord】の、CTIから1970年にリリースされたアルバムから『Take Away This Pain』を。

音譜カナダのソフトロック・グループ、ミーチュアル・アンダースタンディング【The Mutual Understanding】の1968年のアルバム『In Wonderland』から『Look Around』。音楽はもちろんのこと、マッシュルーム・ワンダーランドなカヴァー・イラストレーションも素敵過ぎ。


音譜イギリスのアシッド・フォーク(AcidとはLSDの隠語であり、ドラッグの効用で浮かび上がるビジョンを感じさせるフォーク・ミュージックのこと)名盤。マーク・フライ【Mark Fry】の1972年のアルバム『Dreaming With Alice』から『The Witch』

🎨Matin Roch「不思議の国のアリス」的フォトコラージュを。
 
音譜アルゼンチンのエレクトロニカ、フォークトロニカ系SSW、フアナ・モリーナ【Juana Molina】の2006年の傑作アルバム(彼女のアルバムはどれもが傑作だ)『SON』から『Rio Seco』を。(多分)アレッハンドロ・ロスによる、キルトアートのようなフォークロアなカヴァーが可愛らしい。
 


音譜七尾旅人の2010年のアルバム『Billion Voices』から緩やかなGrooveが心地いい、『Rollin' Rollin'』feat.やけのはら。サブスクで音楽を聴くのもいいんだけど。牧歌的な話、アナログのレコード盤を回して音楽を聴くのも(多少、面倒かも知れないけど)、それはそれで楽しいし、レコードの音はとにかく奥行きがあって、ほっこりしていて温かい。
 


音譜ここで、いきなりニューヨークへ。ポール・サイモン【Paul Simon】の1975年の傑作アルバム『時の流れに』【Still Crazy After All These Years】から、スティーヴ・ガッドのとても繊細なドラム・ワークで始まる『恋人と別れる50の方法』【50 Ways To Leave Your Lover】。参加ミュージシャンはスティーヴ・ガッドの他、ジョン・トロペイ(g)、トニー・レヴィン(b)、ラルフ・マクドナルド(per)。そしてバッキング・ヴォーカルにパティ・オースティンフィービー・スノウヴァレリー・シンプソンと超豪華。秋の風に吹かれて。そんな「50の方法」を妄想してみるのもいいかも知れないうーんホントカナァ。

音譜イギリス生まれ。カナダのSSW、トニー・コジネク【Tony Kosinec】の1971年の、とてもナイーヴな名盤『Bad Girl Songs』から『I Use Her』。因みにプロデュースは1964年にポール・マッカートニーから提供された曲『愛なき世界』でデビューしたピーター&ゴードンピーター・アッシャー(妹は当時、ポールの恋人だったジェーン・アッシャー)。

🎨再びカイル・トンプソンの写真を。
 
 
 
(またイギリスに戻って)秋の風に吹かれながら聴くのにちょうど良く、しかも妄想を助長してくれる(と思っている)ブリティッシュ・フォークブリティッシュ・フォーク・ロックをいくつか。まぁ、このジャンルに関しては。半端なく好きで、とても詳しい方たちがいらっしゃる。なので、偉そうなことを書くとボロが出そうなので、ほんの触り程度で。
 
音譜アシュリー・ハッチングスサンディ・デニーリチャード・トンプソン、イアン・マシューズらが在籍した偉大なるバンド、フェアポート・コンヴェンション【Fairport Convention】の1969年にリリースされたサード・アルバム『Unhalfbricking』から『時の流れを誰が知る』【Who Knows Where The Time Goes?】。数ある名盤の中でも特にアルバム・カヴァーが好きなのでこのアルバムを選んでみた。

音譜フェアポート・コンヴェンションのヴォーカリストであり、トラッド・フォーク界を代表するシンガーのひとりでもあるサンディ・デニー【Sandy Denny】の1971年のアルバム『海と私のねじれたキャンドル』The North Star Grassman And The Ravens】からタイトル曲を。因みに彼女は、レッド・ツェッペリンの名盤『Ⅳ』『最後の戦い』【The Battle Of Evermore】にツェッペリン史上初めてオリジナル・アルバムにメンバー以外でクレジットされた。


音譜男女混声によるフォークグループ、チューダー・ロッジ【Tudor Lodge】の1971年のアルバムから『It All Comes Back To Me』を。


音譜プログレッシヴ・ロック・ファンにも人気が高いメロウ・キャンドル【Mellow Candle】の1972年の名盤『抱擁の歌』【Swaddling Songs】から『Heaven Heath』


 音譜続いてはニック・ドレイク【Nick Drake】の1969年にリリースされたデビュー・アルバム『Five Leaves Left』からタイトル曲を。とてもセンシティブな音楽であり、彼の孤独や喪失感が静かに綴られてゆく。


音譜シェラ・マクドナルド【Shelagh Mcdonald】の1970年のアルバム『Album』から『Mirage』


音譜夫婦デュオ、ゲイ&テリー・ウッズ【Gay & Terry Woods】の1975年のデビュー・アルバム『Backwoods』のオープニング曲『I Missed You』。ブリティッシュ・フォークには森がよく似合う。


音譜キャサリン・ハウ【Catherine Howe】の1971年にリリースされたアルバム『What A Beautiful Place』から『It Cames With The Breeze』。彼女の美しい歌声は、その魅力的なカヴァーと共に、とてもイギリスらしい森や湖の雰囲気を柔らかく伝えてくれる。

🎨再びベン・ルイス・ジルズ【Ben Lewis Giles】のアート作品を。
 
音譜ヒプノシスデヴィッド・ファーガソンによるカヴァー・アート「水撒きジャケ」(撮影はオーブリー・パウエル。モデルの女の子はカテリーヌ・ミーハン)で人気が高いトゥリーズ【TREES】の1970年のアルバム『On The Shore』から『Polly On The Shore』を。紅一点の女性ヴォーカルはセリア・ハンフリーズ。フェアポート・コンヴェンション直系とも言える音楽はもちろん、その魅力的なカヴァーと、カヴァー写真の別ショット、そして裏ジャケも添えて。
 


 
 
音譜ビートルズのジョンにギターのフィンガー・ピッキングを教えたドノヴァン【Donovan】の1971年のアルバム『H.M.S Donovan』のファンタジックなカヴァー・アートと、曲はドノヴァンの代表曲のひとつ『Mellow Yellow』を。ドノヴァンって。日本でももっと人気があってもいいと思うんだけどな。因みに。日本のロック・レジェンド、加藤和彦の愛称はドノヴァンをもじった「トノバン」だった(つまりボンボン風な加藤和彦の雰囲気から。お殿様 meetsドノヴァンということ)。
 

🎨ベン・ルイス・ジルズ【Ben Lewis Giles】のアート作品を。

音譜フランスのトラッド・フォーク。エマニュエル・パルナン【Emmanuelle Parrenin】の1977年のアルバム『Maison Rose』からインストゥルメンタル曲『Ce Matin A Fremontel…』。
 

音譜女性デュオ、Heaven & Earthの1973年のアルバム『Refuge』から『Jenny』

音譜ハープ奏者でもあるSSW、ジョアンナ・ニューサム【Joanna Newsom】の、そのイノセントな世界に衝撃を受けた2004年のデビュー・アルバム『The Milk - Eyed Mender』から『Bridges And Balloons』『Sprout And The Bean』。改めて。凄い才能だったと思う。
 


🎨ジョアンナ・ニューサムの音楽に近いニュアンスを持っていると思うAnnie Marie Grgichのアート作品を。
 
 

音譜フリート・フォクシーズ【Fleet Foxes】の2008年にリリースされたデビュー・アルバムから『Sun It Rises』
 

音譜そして。フリート・フォクシーズの曲を美しいアカペラと手足だけのリズムだけでカヴァーしたペンタトニックス【Pentatonix】『White Winter Hymnal』。まるで森の精霊たちが歌っているようだ。


音譜ほとんど一人で2300回ものオーバーダビングを繰り返して完成させた元祖オタクの音楽『チューブラ・ベルズ』マイク・オールドフィールド【Mike Oldfield】。そんなプログレッシヴ・ロックの中でも特にイギリスらしい「カンタベリー派」のマイク・オールドフィールドの1983年のアルバム『Crices』からシングルカットされてヒットしたポップな名曲『Moonlight Shadow』feat.マギー・ライリー【Maggie Reilly】を。

🎨森の中にたくさんのランプをレイアウトし、点灯させるインスタレーションは、ノルウェーのアーティスト、Rune Guneriussenの作品。
ランプのシェードがパンプキンに似ているので、草間彌生のインスタレーションっぽい感じがするよね
🎨じゃぁ、その草間彌生パンプキンの森のインスタレーションも。
 音譜岡田拓郎を中心に結成された「森は生きている」の2014年のファースト・アルバムから『日々の泡沫』を。彼らがデビューした時、少々、作為的に過ぎるバンド名だと思ったけれど、今はとても素敵なバンド名だと思っている(もうとっくに解散してしまってるけどねぶー)

音譜サム・ゲンデルジム・オルークカルロス・ニーニョらが参加した、岡田拓郎の最新ソロ・アルバム『Betsu No Jikan』からジョン・コルトレーンの曲『A Love Supreme』のアブストラクトなカヴァーを。


🎨ルイス・トレド【Luis Toledo】のアート作品を。何だか、秋を通り超して。宇宙とか、あっちの世界へ行っちゃてるな。

音譜アメリカのサイケデリック&ソフトロック大傑作。コーラス・ワークの天才カート・ベッチャーが中心になって1968~69年まで活動したザ・ミレニウム【The Millennium】の唯一のオリジナル・アルバム『Begin』から『Prelude~To Claudia On Thursday』

音譜 始まりの音楽と同じく。最後もビートルズで締め括ろう。1969年にリリースされた、ハインツ・エーデルマンによるサイケデリック・アニメーションのサウンド・トラック・アルバム『Yellow Submarine』から。壮大なサイケデリアが渦巻く、ジョージの曲『I'ts All Too Much』で。


今回、コンパイルした音楽は、もうすぐやって来る「🎃ハロウィン🎃」のためのBGMとして聴いてもらってもいいかも知れないな🤔
 
それでは、また。
アデュー・ロマンティークニコ