入院4日目は私の連休である火曜日
この日の母の状態は最悪でした
前日の祭日は担当医が休日だったのに
母の「薬飲ませて欲しい」騒動で
わざわざ病院へ出向いてくださったそう
本当に申し訳ないことをしました
担当医だけでなく
看護師さんにも暴言を吐いているようで
私は頭を下げることしか出来ませんが
皆さん本当に親身になって
母に接してくださってます
母が入院しているM病院は
父や祖父が臨終を向かえた病院であり
私もどちらかというと
良い印象がなかったのですが
今回の母の入院で
全く印象が変わりました
全力で老人の命を繋げようとしてくださる
なのに
月曜日の夜には眠剤と降圧薬を服用でき
安心して眠ったのかと思いきや
早朝私に電話をかけてきて
薬を飲ませてくれない❗の一点張り
そんなはずないよ、
飲ませたと看護師さんにお聞きした、
そう言うと
「あんたは騙されてる」と、言う
月曜日の夜には兄と電話で話しているはず
だけど気持ちを沈めるどころか
月曜日の夜から次の日の明け方にかけ
あちこちに電話をしていたそう。。。
後に母の携帯の履歴を見たら
お客様や和歌山の知り合い
最寄りの警察署にまで。。。
ここに閉じ込められて家に帰れないから
警察に電話するしかない❗と、
私を脅した母でしたが
実際に警察に電話をして
いったい何を喋ったのか?
午前中に担当医から
母の病状に関する電話あり
この病状報告の電話
担当医が勤務の日は
毎日欠かさずくださっています
レントゲンの結果
右肺の状態が少しだけ改善されている。
血液検査も炎症がおさえられてきている。
その報告を喜ぶ間もなく
だけど酸素状態は変わらず悪いとの事
高濃度の酸素は
ずっと吸い続けるわけにはいかず
徐々に下げていく計画であること
投与しているステロイドも大量なので
こちらも少しずつ減量するとのこと
病状を見ながら慎重にしないと
呼吸状態が悪化する事もあるそう
綱渡りのような治療ですが
医師を信頼してお任せするしかなく
それよりも
母のせん妄が酷くなってきていて
あちこちにかけた電話の相手から
病院に問い合わせがあり
業務に支障が出るので
母の携帯を
私が預かる事はできないかと打診されました
ご迷惑をおかけするのは心苦しいですが
電話を取り上げると
今以上に錯乱するので
それだけは勘弁してやって欲しい
私から母を説得するので、と、言うと
この日の午後
母に会わせてもらえることになりました
3日振りに見る母の姿
やつれている感じはなく
鬼のような形相で、懐かしむこともなく
ただひたすら
私を嘘つき呼ばわりして
暴言の限りを吐き出していました
興奮すると呼吸が乱れるので
なだめようとしましたが聞く耳持たず
どこまでも平行線の会話を締め括るように
私以外の人に電話をかけるなら
これは私が預からせてもらう❗と、
母の手から電話を取り上げようとしたら
信じられないくらいの力で電話を握りしめ
こんな所に閉じ込めて❗
自分が楽をしたいからここに入れた❗
嘘つきに育ったあんたに殺される❗
私を見殺しにする事忘れるな❗
どうしてそんなに嘘をつくんや❗
そう言って私を責めました
ママに元気になって戻ってもらいたいから
みんな一生懸命なのに
なんでわかれへんの❗と、泣きながら
母の手を握りましたが
振りほどかれ
全部嘘や❗と、声にならない声で怒鳴る
伝わらないもどかしさ
病気が母の人格を変えてしまっていると
わかっていても
私にはどうすることもできませんでした
医師に促され、
この日の面会は終了しましたが
やはり電話を取り上げるのは
可哀想でできませんでした
医師はせん妄を和らげるため
投薬をするので今晩は眠れると思います
そう、私に告げました
この日の電話は20回でしたが
医師との面談中に5回も着信あり
それに私が出なかったことも
母の怒りに繋がったようでした
21年前を思い起こすと
今の母と同じ様に私に暴言を吐き続けた父
何度も心が折れそうになりましたが
父と同じ癌を患う
お客様の介護をされていたご主人が
我が家の事情を知り
わざわざ私を訪ねてくださり
「許したってな❗病気の本人が一番辛いんやで」
そう慰めてくださり
私の気持ちを救ってくれました
今もその時の言葉は忘れることができず
この日も
母が一番辛いんだと感じ
不思議と母への怒りは全く沸きませんでした
それよりも
壊れていく母を哀れに思うのでした
