高橋徹也
Discography 1996-2024
◎11th Album
11th Album
怪物
2020 / TVCD 013 / CD
2021 / TVCD 014 / Limited Mint Green Vinyl
Man of Words/Man of Music
1. 怪物
2. ハロウィン・ベイビー
3. トワイライト
4. グッドバイ グッドバイ グッドバイ
5. 醒めない夢
6. always in the same place
7. 川を渡れば
8. 夜はやさしく
9. feeling sad
10. 友よ、また会おう
奇しくもこのタフな時代にリリースされることとなったニュー・アルバム『怪物』は、自分のキャリアの中でも最も強度の高いアルバムとなった。アルバムを通じてスリーピースによるギター・サウンドを基調に、ペダル・スティール・ギター、キーボードが効果的に色を添える。主にイギリスのロック、ニューウェーブからの影響を強く感じる前半と、よりシンガーソングライター的な多彩さが特徴の後半。アナログ盤で言うところのA面/B面を意識した二部構成となっている。アルバムのラストナンバー『友よ、また会おう』でも顕著な、これまでにないストレートな歌詞にも新鮮な驚きを感じるのではないか。そしてタイトル・トラックの『怪物』は、2ndアルバム『夜に生きるもの』への自分なりのアンサーソングであり、同時に過去作への決別をテーマにしている。そんな作家としてのパーソナルな一面と、全く意図していなかった奇妙な同時代性を併せ持つ作品こそ、まさに『怪物』ではないだろうか。そう君はシャイニングスター、僕のモンスター。
______________________
◎Original Album
1st album
POPULAR MUSIC ALBUM
1996 / KSC2 1128 / Ki/oon Sony Records
1. My Favourite Girl
2. Call Me
3. サマーパレードの思い出
4. 幸福の国
5. バタフライナイト
6. 傷ついたままの君が好き
7. 角の向こうでワルツ
8. ドライブ
9. 真夜中のドライブイン
10. 欲しいものは何
1996年リリースの記念すべきファースト・アルバム。様々な音楽ジャンルがある中で、普遍的なポップスを作りたいという思いから名付けたのが、この『POPULAR MUSIC ALBUM』というタイトル。今考えてみればまったく無名の新人がデビュー作で自分を「ポピュラー」と言い切っているところに微笑ましい青臭さを感じてしまう。結果的に現在まで「ポピュラー」な作品には成り得ていないが、今聴いても良いポップスがたくさんあるように思う。十代後半からいわゆる宅録にのめり込み、同時進行でロック、ソウル、ジャズ、ブラジル、ラテン、その他、本当に多くのレコード収集に明け暮れた毎日。一枚レコードを聴いては、それだけで数曲書けてしまうような刺激と発見に満ちた充実の時期だった。『真夜中のドライブイン』『バタフライナイト』『ドライブ』など、後の作品にも断片的に登場する車にまつわる情景イメージは、夜な夜な「ひとりオン・ザ・ロード」気分で徘徊した関越自動車道、国道16号線の存在なくして誕生していないであろう。当時まだ自覚はなかったが、後の作品でより重要なテーマとして特化、膨張してゆく『郊外』という強力な磁場の輪郭が、おぼろげながら見え隠れしている点でも興味深い。
2nd album
夜に生きるもの
1998 / KSC2 210 / Ki/oon Sony Records
1. 真っ赤な車
2. ナイトクラブ
3. 鏡の前に立って自分を眺める時は
出来るだけ暗い方が都合がいいんだ
4. 人の住む場所
5. 夕食の後
6. 女ごころ
7. チャイナ・カフェ
8. いつだってさよなら
9. 新しい世界
10. 夜に生きるもの
1998年リリースのセカンド・アルバム。自分のキャリアでは最も知られた作品のひとつかもしれない。そしてこの作品を境に自分のイメージが劇的に変化したと言われる一枚でもある。デビュー・アルバムをリリース後、初めて公に他人の評価というものを受け、それが自分の望んでいたものと違っていた事で生じた戸惑い。今思えばごく当たり前のことだが、当時の自分にはそういった評価をそれとして受け入れるだけの度量がなかった。ただそれはある意味、思ってもいない爆発力、リアクションとなって曲作りに投影されることになる。それがこの『夜に生きるもの』という作品だ。アルバム制作時の自分は何をするにもとにかく怒っていた記憶しかない。サポート・ミュージシャン以外、スタジオに出入りするのを拒んだり、所属していたマネージメント事務所に対しても常に喧嘩腰な態度を取ったりと、自ら敵を作ろうと躍起になっているような有り様。このアルバムをもって俺をとやかく言う連中全員を黙らせてやる!という過剰な自意識と切迫感の中で制作された作品と言える。反面、音楽とは本当に面白いもので、そんな危うい精神状態になればなるほど、創作意欲はより自由度を増してゆく。そんな非常に矛盾した二面性の中で濃密な時間を過ごしていた。サウンド面に目を向ければ、鹿島達也、須貝直人、そして自分によるスリーピースのギター・サウンドが固まり、三人の相互理解も深まった実りの時期。そこに上田禎、菊地成孔、加藤隆志、沖祐市といった個性的なミュージシャンを加えて、より確固たるものに育っていった。捉えどころなく転調を繰り返す陰影のあるメロディライン。具体的なフレーズであればあるほどリアリティを失ってゆく、異形の『夜』を描いた歌詞は、確かにファースト・アルバムとは全く異なる種類の作品かもしれない。個人的にこの作品は前年に連続リリースしたマキシ・シングルの集合体と位置付けているところもある。『チャイナ・カフェ』『ナイトクラブ』『鏡の前に立って…(略)』『新しい世界』といった、独立した短編小説を強引に長編としてまとめたという感覚。そして結果的にここで果たせなかったコンセプト・アルバム制作への憧れと欲求は、深く深く、郊外の無機質な風景の中へ沈んでいくことになる。
3rd album
ベッドタウン
1998 / KSC2 248 / Ki/oon Sony Records
1. テーマ
2. 後ろ向きに走れ
3. 悲しみのテーマ
4. シーラカンス
5. かっこいい車
6. 世界はまわる
7. 笑わない男
8. ベッドタウン
9. 犬と老人
前作から半年という短いタームでリリースされた1998年のサード・アルバム。仮に自分の代表作は?と訊かれたら、その時々の最新作と答えるのが理想だが、この『ベッドタウン』は常に欠かせない一枚になるであろう。どこがそんなに気に入っているかと言えば、それはまさしくアルバムらしいアルバムであるからに他ならない。全ての曲が同じ一人称の視点、同じ背景、同じ時間軸で進行している物語だという確信がある。だからどこをどう切り取っても『ベッドタウン』であることをやめない作品なのだ。制作に入るにあたり自分の頭にあったイメージは『深海』『失語』『氷の柱』『ウッドベース』という限られた断片的なキーワードのみ。先の見えない深い海の底で、文字通り手探りしながら曲作りに入ったのを憶えている。ひとつ興味深いのはベーシストの鹿島達也が何の事前情報もないデモ・テープを聴いた段階で「高橋さぁ、今回はウッドベースだな」と既に宣言していた点。言葉はなくとも何か伝わるものがあったのかもしれない。それは『悲しみのテーマ』『シーラカンス』『世界はまわる』といった曲の印象的なベース・リフに象徴されていると思う。そしてやはりこのアルバムは『犬と老人』という曲なくして永遠に完結することができなかったであろう。時系列で見てもまさにレコーディングの最後に生まれた曲であり、個人的にも長い道のりから全てを解き放ってくれた救いの曲だった。この曲が生まれていなければ、未だに何の回答も得られぬまま郊外の寒々しい風景を彷徨っていたかもしれない。終わり良ければすべて良し。最高の大団円。こうして自分の二十代におけるひとつの大きなテーマが幕を閉じたのである。
4th album
REST OF THE WORLD
Lost Sessions 1999
1999-2014 / VSCD3131 / VIVID SOUND CORP.
1. Weather
2. Les Vacances
3. スウィング
4. 意外な人
5. 今年一番寒い日に
6. Golden Week
7. ストレンジャー
8. One Light
9. 夜明け前のブルース
10. The Next Song
11. 音楽 (2014 new recording ver.)
12. Inner Garden
13. ユニバース ~風を追い越して~
14. 星の終わりに
ここに収められた音源は、覚えている限り1999年前後に行われたレコーディング・セッションで、事実上、通算4枚目のフル・アルバムとして世に出るはずだった、いわゆるお蔵入り作品である。ヴォーカル曲、インスト曲とバラエティに富んだ内容で、全曲分のトラックダウンを終え、いよいよマスタリングを残すのみ、というところでリリースが頓挫してしまった。個人的には当時所属していたレコード会社との契約解除に伴ういわく付きの作品でもあるので、正直この話題を避けてきたところもある。実際、この音源のマスターがどこにあって誰が保管しているのかなど、当の自分ですらよくわからないまま長い年月が経過していった。そんな折、正式にリリースの話が持ち上がり、改めて約15年振りに音源の全貌を耳にしてみると、意外なほどそれを素直に楽しめた自分がいた。「今だったらこうするのに」とか「これは余計だな」という、音数やアレンジに関する好みの変化は少なからずある。そして近年も新しい作品をリリースし、ライブも継続しているというささやかな自負もある。そんな充実した今、わざわざ過去の遺産をネタに商売するというのもいかがなものか、と思わなかった訳でもない。ただ、それ以上にこの作品の持つ普遍性や純粋さ、そして何より愛すべき曲の数々が、自分の心を強く前向きに導いてくれた。ワインや漬け物ではないけれど、時として音楽にも必要な熟成期間というものがあるのかもしれない。そして当時、プロデューサーという立場で様々な軋轢から自分を守ってくれた上田禎さんに、改めて変わらぬ友情と感謝の意を表したい。今回、新たにレコーディングした初CD化曲「音楽」を、上田さんとのデュオで演奏できたことにも、何か因縁めいたものを感じずにはいられない。これは当時27才だった自分が、全身全霊をかけて築き上げようとした誇大な妄想とユートピア幻想。約15年間の長きに渡り、主の帰還を待ち続けた物語が静かに幕を開ける。
5th album
NIGHT & DAY, DAY & NIGHT
2002 / VSCD-255 / VIVID SOUND CORP.
1. NIGHT & DAY, DAY & NIGHT
2. 星空ギター
3. スウィング
4. 意外な人
5. 静かになりたい
6. ユニバース
7. NIGHT & DAY, DAY & NIGHT(DUB)
デビュー準備期間も含めて5年間在籍したKi/oon Recordsを離れ、新たにインディーでの活動がスタート。実質、セールス面における契約解除という状況で、自分の人生にとっても非常に困難で厳しい転機だった。遡ること三年。1999年にシングル『愛の言葉』をリリース。その流れで事実上4枚目のアルバムになる予定だった『REST OF THE WORLD』の制作に入っていた。当時、プロデューサーだった上田禎に多大な心労をかけながら二枚組並みの作品が完成したものの、最終的にメーカー側の判断でリリースは見送られた。言ってみれば「幻のアルバム」という事になるが、ここで生まれた曲のいくつかはその後ライブで熟成され、この『NIGHT & DAY, DAY & NIGHT』に収録されることとなった。この作品はレコーディングのクオリティについて自分の中で反省点も多いが、楽曲そのものは実に粒揃いだったと今でも思っている。タイトル・トラック「NIGHT & DAY, DAY & NIGHT」はもちろん、「星空ギター」「静かになりたい」「スウィング」など、派手さはないものの、未だに気に入っている曲が多い。当時フィッシュマンズのサポート・ギタリストとしても活躍していた関口道生の参加貢献もアレンジ面で非常に大きかった。その魅力を散見できる『静かになりたい』という曲は、自分なりのビーチボーイズ感をしたためた曲で、後にも先にもあまりないタイプかもしれない。あえてこの作品を総評するなら、楽曲の素材は良かったが、限られた予算、環境の中でベストを見出すことができず模索していた時期の一枚ということになるだろうか。ただ自分は転んでもただでは起きないタイプの人間。ここで悪戦苦闘した経験を糧に、来たる次回作から本格的なインディー制作の現場をサヴァイヴしていくことになる。
6th album
REFLECTIONS
2004 / VSCD-286 / VIVID SOUND CORP.
1. One Light
2. Summer Soft Soul
3. もういいかい
4. 憧れモンスター
5. ストレンジャー
6. 夜の亡霊 夜の国境
7. 声の波紋
8. Sunset
9. ユニバース
10. 流星群
半ば行き当たりばったり的に制作に入ってしまった前作の反省を経て、予算管理、スタジオ手配、その他細部に到るまで、出来る限りを尽くして望んだ作品がこの『REFLECTIONS』である。制作に入るにあたり、ベーシストの鹿島達也から共同プロデュースの申し出を受け、その流れから当時のサポート・メンバーだった鹿島達也、山本隆二、CHACOによるバンドを "REFLECTIONS" と命名。アルバム・タイトルとのダブル・ネーミングとするアイデアに発展した。このアルバムのテーマは簡単に言えば原点回帰。三十代になった自分なりのポップスを、改めて考えてみようという試みでもあった。「Summer Soft Soul」「もういいかい」「憧れモンスター」などの前半部分は、テンポ良く進んで行くポップソングを楽しめる流れだと思う。そして個人的に特に気に入っている曲は『声の波紋』。とてもムードのあるロマンチックな曲で、普段あまり意識することのないヴォーカリストという感覚を刺激させられる曲でもある。歌詞中に登場する二人の男女、あてもなく彷徨う一艘の小舟は、その後果てしなく長い時間をかけ、導かれるように思ってもみなかった「対岸」へと流れ着くのである。
7th album
ある種の熱
2005/ VSCD-293 / VIVID SOUND CORP.
1. 5分前のダンス
2. 惑星
3. 夢の中へ 霧の中へ
4. Blue Song
5. 夜明け前のブルース
6. 5 minutes
7. La Fiesta
8. ホテル・スターダスト
9. 夏の出口
10. 赤いカーテン
11. Open End
12. 夜のとばりで会いましょう
このレコーディングはあらゆる意味でやることがはっきりしていたように思う。自分が目指すものと出来ること、関わる人達のスケジュール、そして費用や作業環境など、様々な条件のもとやるべきことはおのずと決まって行ったというのが正直なところ。実際に録音に割かれた日数は延べ約2週間で、編集作業やTD、マスタリングを含めても20日間程度で納まった。ヒットした、しないは別として自分の過去の作品と比べても格段に少ない作業日数。けれど断じて言えるのは例えあと数日、日程に余裕があったところで作品の密度自体に大差ないだろうということ。平たく言えばちょうど良かったということだろう。そのレコーディング日数からもわかるように、いわゆる一発録り、ライブ演奏に近い生な感触が主要なテーマだった。実際には全くのライブ録音ではないが、よりそれに近い状況、参加ミュージシャンができるだけ同じ時間軸で演奏することを優先した。ただきっちりと演奏することよりも、むしろ「なにか漂ってた」とか「なにかグッときた」とか、そういう不確定な要素を基準に作業を進めることによって、自分がこの作品をよりフィジカルに感じたいという意図もあったと思う。見も蓋もないような寂しい歌であっても、その感情がスゥーっと身体の外に抜けて行くような、そういう作品になっていれば嬉しい。あくまで個人的に「夜に生きるもの(2nd)」「ベッドタウン(3rd)」の延長線上にあるのがこの「ある種の熱」だと思っている。年を取って確実に失ったものがある反面、ようやく手にしたものもある訳で、自然環境保護団体みたいな気分で音楽を作っていた数年間とは明らかに違う、もっとドロっとした熱量を自分の中に感じていた。それは若かりし日のロック青年がギターを掻き鳴らして歌う熱量よりも、ある意味タチの悪い熱量だと言えるであろう。ある種の熱…。それは「なにものかになれるかもしれない」という淡い幻想。本当にこれさえなければもっと真っ当な人生を歩んでいたような気がしてならない。タバコやお酒をやらない自分にとって唯一の悪行と納得する以外ない。ひとりでも多くの方に、この歪んだ熱が伝わるよう祈っている。
8th album
大統領夫人と棺
2013 / TVCD003 / Man of Words/Man of Music
1. ブラックバード
2. ハリケーン・ビューティ
3. Key West
4. 雪原のコヨーテ
5. 不在の海
6. 大統領夫人と棺
7. 帰り道の途中
前作『ある種の熱』リリースから実に7年を要して完成した『大統領夫人と棺』。それは文字通り突然現れたハリケーンのように激しく刺激的な音楽体験だった。今思えば一番苦しい時期だったかもしれない空白の7年。その間、ある一時期を除いては地道にライブを重ね、新しいレパートリーも数多く生まれていた。加えてメジャー時代の曲をほとんど演奏しなかったこともあり、ライブのセットリストがまるまる未発表という状態が続いていたはず。これだけアルバム・リリースの間隔が空いたのはもちろん初めてのことで、そのまま活動が途切れてしまってもおかしくない状況だった。転機となったのは2012年にリリースされたソニー時代のベスト・アルバム。これを機に再び制作のリズムを取り戻すと、立て続けに初のライブ・アルバムを発表。これが予想以上のセールスを生んだこともあり、満を持してスタジオ・レコーディングに取りかかった。曲作りについてはかなり短い期間でハイペースに進んだと記憶している。ひとつ鍵になった曲を挙げるならば「ハリケーン・ビューティ」だろうか。歌詞の中に出てくる、台風、日没、雷鳴など、それまで歌詞として使うことのなかった天候や自然現象にまつわるフレーズが、とても新鮮で刺激的に感じられた。そしてもちろんタイトル・トラック「大統領夫人と棺」が生まれた時の興奮も忘れられない。何の気なしにEm9とDm9のツーコードを爪弾きながら、"彼女はこの国の最高権力者の妻で" と語り始めた瞬間、全てのストーリー、そして歌詞とメロディが同時に湧き上がってきた。この体験は他に比較できるものがない。これはある女性が人生における最も重要な決断を下す一瞬を捉えた架空のドキュメンタリー。結論は聴き手に委ねられている。そんな切迫感と高揚感、狂気のようなものを宿した曲なのかもしれない。そんな混沌に満ちた嵐のような『大統領夫人と棺』の世界を駆け抜けた先に、永遠の夏が静かに現れようとしていた。
8th album: CD+DVD Special Edition
大統領夫人と棺
2014 / TVCD004-5 / Man of Words/Man of Music
DISC-1 CD
1. ブラックバード
2. ハリケーン・ビューティ
3. Key West
4. 雪原のコヨーテ
5. 不在の海
6. 大統領夫人と棺
7. 帰り道の途中
DISC-2 DVD / Music Video
1. 大統領夫人と棺
2. Key West
9th album
The Endless Summer
2015 / TVCD 006 / Man of Words/Man of Music
1. The Orchestra
2. 微熱
3. サマーピープル
4. いつも同じところで
5. 夜明けのフリーウェイ
6. バタフライ・ナイト -Open End-
元々このアルバムは存在しないはずの作品だった。なぜならば実際にレコーディングに入る直前までシングル『The Orchestra』として制作がスタートする予定だったからだ。その時点ではまだ自分の頭の中に『The Endless Summer』というフレーズも、アルバムとしての構想もなく、まさかこれが夏をモチーフにした作品に発展しようとは夢にも思っていなかった。そんな折、共同プロデュースを担うベーシスト鹿島達也から、ファースト・アルバムに収録されている『バタフライ・ナイト』を、現在のメンバーで録音してみてはどうか、という思いがけない提案を受けた。この曲は自分にとって記念碑のような存在であり、今も重要なレパートリーとしてライブで歌い続けている。奇しくも来年はデビュー20周年という節目の年。バンドのコンディション、タイミング、あらゆる巡り合わせに導かれてこの計画は実現することとなった。そしてこの瞬間を境に自分の中で『The Endless Summer』という物語が生まれ、急速に動き出して行ったのである。
一年で最も好きな季節は?ときかれたら、春夏秋冬のどれでもなく「夏の終わり」だと答える。ただそれが暦の上での話かと言われるとそうではなく、そもそもそんな季節など存在しない。では「夏の終わり」が意味するものとは一体何なのか。それは「喪失感」である。子供の頃、日曜日の夜になると週末の楽しかった時間が終わってしまう気がして切ない気持ちになった。夏休みが終わる頃にもそれを感じたし、大人へと成長して行く過程で経験する友人や恋人との別れの時にもやはり同じものを感じてきた。昨日までそこにあったものが今はもうない。それが何だったのかもわからない。ただ確かにそれはそこに存在した、という感覚。それは言ってみれば過ぎ去っていくものへの郷愁であり、同時に新しい航海への予感でもある。そんな過去と未来の境界線上で、一瞬の火花のように輝きを放つのが、ここで「夏の終わり」と呼ぶもの、そして今回のアルバム・タイトル『The Endless Summer』ではないかと思っている。ここに収められた6曲は、互いの刻む時間軸を超えて、引き寄せられるようにして集まった、存在することのない景色の断片である。アルバムを聴き終えた時、長い旅の果てに垣間見たそれぞれの朝日を、見失った夜明けの続きを、一人一人が抱く内なるフレームの中に描いて欲しい。そう願ってやまない。
10th album
Style
2017 / TVCD 007 / Man of Words/Man of Music
1. スタイル
2. シグナル
3. 新しい名前
4. 雨宿り
5. 曇ったガラス
6. Plaha
7. 夕暮れ星
8. 真夜中のメリーゴーランド
9. 花火
10. 八月の疾走
記念すべき10枚目のニュー・アルバム『Style』は、2016年春に制作をスタートさせ、メジャー・デビュー20周年の一環として記念リリースする予定だった。ちょうど夏を過ぎた頃だっただろうか。諸事情が重なりレコーディングを一時中断。そしてその先に続く20周年関連ライブや、自分自身のコンディションを考慮した結果、やむなく年内のリリースを断念することとなった。年も明けて2017年。気持ちも新たにいざアルバム制作を再開。新たに曲目を変更し追加レコーディングも行いながら、晴れてリリースの日を迎える。新曲からライブで鍛え上げた初音源化曲までを収録した、まさに自分のスタイルを辿る一枚となった。そういった意味でこれは紛れもない最新作でありながら、現時点でのベスト・アルバムでもあり、キャリア21年目に迎えた2度目のデビュー・アルバムだと思えてならない。
10th Album: Gatefold Cover Edition
Style
2018 / TVCD 008 / Man of Words/Man of Music
1. スタイル
2. シグナル
3. 新しい名前
4. 雨宿り
5. 曇ったガラス
6. Plaha
7. 夕暮れ星
8. 真夜中のメリーゴーランド
9. 花火
10. 八月の疾走
夜に生きるもの/ベッドタウン
-20th Anniversary Edition-
2018 / DQCL 734-5 / Sony Music Direct
DISC.1 夜に生きるもの
1. 真っ赤な車
2. ナイトクラブ
3. 鏡の前に立って自分を眺める時は
出来るだけ暗い方が都合がいいんだ
4. 人の住む場所
5. 夕食の後
6. 女ごころ
7. チャイナ・カフェ
8. いつだってさよなら
9. 新しい世界
10. 夜に生きるもの
DISC.2 ベッドタウン
1. テーマ
2. 後ろ向きに走れ
3. 悲しみのテーマ
4. シーラカンス
5. かっこいい車
6. 世界はまわる
7. 笑わない男
8. ベッドタウン
9. 犬と老人
bonus track
10. 新しい世界 (Primitive Version)
11. グッドバイ グッドバイ グッドバイ
12. 人の噂 (Mad Professor Remix)
13. 人の噂 (Mad Professor Dub)
Best Album
夕暮れ 坂道 島国 惑星地球
~Ki/oon Records Years Best~
2012 / DQCL 416-7 / Sony Music Direct
DISC-1 CD
1. 真っ赤な車
2. チャイナ・カフェ
3. 人の噂
4. 人の住む場所
5. シーラカンス
6. ナイトクラブ (Jazz Version)
7. 愛の言葉 (Long Version)
8. MY FAVOURITE GIRL
9. 真夜中のドライブイン (Single Version)
10. バタフライナイト
11. いつだってさよなら
12. 新しい世界
13. 犬と老人
DISC-2 DVD
1. My Favourite Girl
2. 真夜中のドライブイン
3. チャイナ・カフェ
4. 新しい世界 (6min Version)
5. 鏡の前に立って自分を眺める時は
出来るだけ暗い方が都合がいいんだ
6. シーラカンス
7. 愛の言葉
8. 新しい世界 (8min Full Version)
9. My Favourite Girl (TV Spot)
10. 真夜中のドライブイン (TV Spot)
11. チャイナ・カフェ (TV Spot)
12. 新しい世界 (TV Spot)
13. 鏡の前に立って自分を眺める時は
出来るだけ暗い方が都合がいいんだ (TV Spot)
14. シーラカンス (TV Spot)
15. POPULAR MUSIC ALBUM (TV Spot)
16. 夜に生きるもの (TV Spot)
17. ベッドタウン (TV Spot)
Live Album CD+DVD
The Royal Ten Dollar Gold Piece Inn and Emporium
2012 / TVCD001-2 / Man of Words/Man of Music
DISC-1 DVD
1. ナイトクラブ
2. 美しい人
3. 悲しみのエコー
4. Night Slider
5. 惑星
6. 不在の海
7. Praha
8. 雪原のコヨーテ
9. Key West
10. 夜明けのフリーウェイ
11. ホテル・スターダスト
12. 真っ赤な車
13. サンディエゴ・ビーチ
14. 帰り道の途中
DISC-2 CD
1. ナイトクラブ
2. 美しい人
3. Night Slider
4. 惑星
5. Praha
6. 雪原のコヨーテ
7. 夜明けのフリーウェイ
9. サンディエゴ・ビーチ
10. 帰り道の途中
Live Album
AO VIVO
2019 / TVCD011 / Man of Words/Man of Music
1. Summer Soft Soul
2. スタイル
3. The Orchestra
4. 微熱
5.サマーピープル
6. 5分前のダンス
7. Night & Day, Day & Night
8.赤いカーテン
9. 大統領夫人と棺
10. 友よ、また会おう
◎Original Single
My Favourite Girl
1996 / KSD2 1128 / Ki/oon Sony Records
1. My Favourite Girl
2. サマーパレードの思い出
真夜中のドライブイン
1997 / KSD2 182 / Ki/oon Sony Records
1. 真夜中のドライブイン
2. 人の噂
3. バタフライナイト(Weightless Mix)
チャイナ・カフェ
1997 / KSD2 186 / Ki/oon Sony Records
1. ナイトクラブ
2. チャイナ・カフェ
3. 最高の笑顔
4. ナイト・フライト
新しい世界
1997 / KSD2 195 / Ki/oon Sony Records
1. 新しい世界
2. 悪魔と踊れ
3. 憧れられたい
4. ひめごと
鏡の前に立って自分を眺める時は
出来るだけ暗い方が都合がいいんだ
1998 / KSD2 1184 / Ki/oon Sony Records
1. 鏡の前に立って自分を眺める時は
出来るだけ暗い方が都合がいいんだ
2. ナイトクラブ(Jazz Version)
シーラカンス
1998 / KSD2 1203 / Ki/oon Sony Records
1. シーラカンス
2. 空と海の間(昼と夜の間)
愛の言葉
1999 / KSD2 274 / Ki/oon Sony Records
1. 愛の言葉
2. 音のない音楽
3. the garden
Halloween Baby ep
2019 / TVCD 012 / Man of Words/Man of Music
1. ハロウィン・ベイビー (single mix)
2. トワイライト (single mix)
3. 夜明けのフリーウェイ ("AO VIVO" outtake)
The Endless Summer
2018 Special Edition LP+CD
2018 / HRLP-122 / HMV record shop / Man of Words/Man of Music
1. The Orchestra
2. 微熱
3. サマーピープル (2018 Version)
4. いつも同じところで
5. 夜明けのフリーウェイ (2018 Version)
6. バタフライ・ナイト -Open End-
REFLECTIONS - ep
2004 / VSEP-288 / VIVID SOUND CORP.
1. SUMMER SOFT SOUL
2. UNIVERSE
3. RED CURTAIN
4. NIGHT & DAY, DAY & NIGHT(DUB)
◎CD-R
Summer's Gone
early demo tapes 1993-1994
2018 / TVCDR-4 / Man of Words/Man of Music
1. Summer's Gone
2. 傷ついたままの君が好き
3. サマーパレードの思い出
4. 真夜中のドライブイン
5. ひめごと
6. 欲しいものは何
7. 前進とその逆について
a distant sea / 遠い海
2016 / TVCDR-3 / Man of Words/Man of Music
TETSUYA TAKAHASHI
2016 / TVCDR-2 / Man of Words/Man of Music
太平洋
2016 / TVCDR-1 / Man of Words/Man of Music