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高橋徹也 official Blog


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ニュー・アルバム『Style』に寄せて、アアルト・コーヒーの庄野雄治さん、音楽家の五十嵐祐輔さん、音楽家の山田稔明さんからコメントを寄稿して頂きました。

 

そして追記する形で高橋バンドのメンバーでもあるsugarbeans、同い年の音楽家、溝渕ケンイチロウさん、お世話になっているライブカフェ風知空知の斉藤健介さんより届いたコメントを掲載させて頂きます。

 

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『Style』に寄せて

text by 庄野雄治

『Style』は20年前に出ていたと言われてもそうかと思うし、20年後に出る新作だと言われてもそうかと思う。もちろん2017年に出た新作と言われると、そうだよなと思える。ようは古くもないし、新しくもない、ただ良い音楽がここにはあるってことだ。新しいものは古くなる。古いものは手を出すのが億劫になる。ただ良いものはずっと‘ここ’にあるんだ。気を衒うことなく正面から音楽と向き合う人にしか作ることのできない、強靭で美しく優しい音楽が“ここ”にはある。きっと20年後も私は聞いているだろう。未来のことはわからないが、それは間違いなく断言できる。

 

庄野雄治 aalto coffee

 

 



往復書簡:高橋徹也 → 庄野雄治

庄野さん、コメントありがとうございます。そして新しい選書『コーヒーと随筆』刊行決定おめでとうございます。庄野さんはコーヒーが本業の方ですが、ミュージシャンよりミュージシャンらしい方のようであり、作家よりも作家らしい方のようにも感じます。ご自身の著書「誰もいない場所を探している」の中で書いていらした理想のアルバムの条件 "10曲38分" を見て、次のアルバムは絶対に10曲38分にするぞ!と決めていたのですが、、、不覚にも10分オーバーの10曲49分になってしまいました。その点だけが唯一の心残りです(笑)今後ともよろしくお願いします。


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『Style』に寄せて

text by 五十嵐祐輔


高橋徹也という男は侍みたいだな、とふと思うことがあります。切れ味鋭い刀を懐に抱き、独特の様式美と共にそれを振り翳し、相手をひと刺しで仕留める、しなやかな強さ。どんなに悲しいことや辛いことがあっても、それをおくびにも出さない、高き誇り。女性や子供や動物など弱きものに優しく、権力や理不尽、下劣なものにはとことん厳しい。そして、どこまでも孤高。彼の歌う言葉や凜とした所作を見ていると、時代が違えば、彼は侍だったのではないかと、ちょんまげ姿の彼をつい想像してしまう私です。(そして似合うなあとも思ってしまう私です。)


そんなタカテツさんはバンドメンバーにデモ音源を送る際はデータをメールで送らず、必ずCD-Rに入れて郵便で送るのだそうです。今回のニューアルバム「Style」の完成したばかりの音源を私もCD-Rで手渡されたのですが、いざ再生してみたら中身が空っぽで、間違えたのかなと思い、その旨を伝えると「すみません、再送します!」と、次の日にやはりCD-Rが速達で送られて来て、「なるほどこれがタカテツスタイルなのだな」としみじみ思った次第です。手に取れる物を届けたいという気持ちがあるのでしょうか。タカテツさんは電子メールでさえも、一度筆で紙にしたためているのではないかと思うほどです。

今回の新譜「Style」を聴かせていただき、そんな彼の楽曲のスタイルが最高の形で詰められたアルバムだなと思いました。退屈と完璧、後ろと前、青と赤、季節外れの雪や花火、まだ出会ってもいない人の名前など、現実と並行する歪んだ世界を、同時に見ているかのような奇妙な視点。雨や曇りや夕暮れの淡い水彩画のような美しい描写。鉄壁のバンド演奏をバックに、優雅に上昇し不穏に着地するメロディーに乗せて、あの美声で歌われたら聴く者の心は必ず捕らわれることでしょう。達人の刀捌きで一瞬斬られたことに気付かなくても、心の何処かをえぐられているのです。

そんな鋭い表現をするタカテツさんですが、いつも会う時はニコニコと優しい顔をしているのです。「夕暮れ星」と「花火」で歌われる静かな喪失感や孤独、切なさには聴く度に胸が締めつけられるのですが、この2曲に共通して出てくる「優しい顔に戻る」というフレーズはいつも私たちに見せる、あの柔らかい顔のことなのかなあと、ふと思ったりします。

「君と僕を明日へ駆り立てるのは鮮やかな夏の色」というフレーズを受けてラスト「八月の疾走」で終わり、また冒頭「スタイル」の疾走に繋がる曲順もとても良いです。何巡も聴き返したくなる名盤だなと思いました。ぜひこの作品はデータではなくCDというパッケージで手にして欲しいなと思います。ジャケット写真の彼の姿がかっこいいというのもありますが、手に取れる物として持っていて欲しいと、彼なら思うはずですから。

そんなタカテツさんの新しく普遍的なスタイル、ぜひお手に取ってみて下さい。


五十嵐祐輔 fishing with john

 


 

往復書簡:高橋徹也 → 五十嵐祐輔

五十嵐さん、前作『The Endless Summer』に続いてのコメントありがとうございます。五十嵐さんの視点や読解力には今回も驚かされるところが多々ありました。一曲一曲に対する印象、アルバム・トータルの感想を読んで、作っている本人でありながら「なるほど、こういう意味があったのかぁ」なんて気付かされます。特にアルバムのラストとオープニングが繋がっているという指摘については、まるで自分が発見したかのようにそっくりそのまま拝借しています(すいません!)。このお礼は草とten shoesへの楽曲提供という形でお返しさせてください。今後ともよろしくお願いします。


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高橋徹也『Style』に寄せて
text by 山田稔明


あの夏の日、僕は友人として気の利いた相槌が打てていただろうか。

1年の時を経て、様々な困難を乗り越えて完成した『Style』は、拍子抜けするくらい軽快なタイトルチューンで幕を開け、色鮮やかな風景の中を疾走していく。まるで不穏な雲をぱっと蹴散らしていくように。その声の艶、突き抜け方もこれまでとは明らかに違う。息の合ったバンドサウンドも含めて、このレコードは1996年から休まず走り続けてきた高橋徹也にとってのキャリアハイといって過言ではない。いつも少し先の未来を見据えペースを落とさないストイックなアスリート、僕は同志として手放しでエールを送りたい。

これまで折りに触れライブで耳にして、今回ようやく音源化された「夕暮れ星」を聴いて心が震えた。 こんなに真っ直ぐで愛に満ちた歌を彼がレコードに封じ込めたことがあっただろうか。「あなたを思い出せたら」「君と僕を明日へ駆り立てるのは」というリフレインを追いながら、僕は去年の夏のことを思い出している。そう、すべてが今に繋がっている。この優しい歌声が、この世界に、そしてここではないどこかで微笑む誰かにもちゃんと届きますように。


山田稔明(音楽家)

 

 

往復書簡:高橋徹也 → 山田稔明

山田くん、コメントありがとうございます。お互い競うように新譜をリリースしては寄稿文を書き合うというこの負けず嫌い対決、いつまで続くのでしょうか(笑)それは冗談として、一年に一枚のペースで新作をリリースし続けている山田くんは改めて凄いですね。感心します。一緒にメシを食いに行くような友人でもあるけれど、普段あまりお互いの曲やアルバムについてとやかく語ることもないので、山田くんに褒められるとなんだか照れます。そうそう、レコーディング中断期間には色々とエールを送ってくれてありがとう。今度ノンアルコール・ビールで乾杯しましょう。シュー。



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『Style』に寄せて
text by sugarbeans


今の高橋バンドのメンバーになってから特に、ライブをやる度どんどん充実していっている、と思うのだけれど(言葉にすると消えてしまいそうなのでこわいのだが…)、そのライブで育ててきたアンサンブルや呼吸がうまく表現できた作品がこの「Style」だと思っています。

すっかり全貌を忘れていたある日、完成したCDをいただいて、我慢できずに帰りの車の中で聞いた。なんとも明るくてやさしくて確かなものだった。
 

高橋さんの今までの作品には少なかった(意図的に排除していたのかもしれないが)、あたたかさや情をものすごく感じた。まさに今の高橋さんそのものを表しているかのようで、これまでのことを思ったら「夕暮れ星」で涙があふれてきた。ずいぶん遠くまで来たなぁと(9歳も先輩なのに親心かよ)。

今回はせんえつながら僕もアレンジ面などでいろいろと口出しをさせてもらいました。この曲はこうなっていてほしいなというのがライブで演奏している時から明確にあったので、それを高橋さんと鹿島さんと相談しながら作っていきました。

ここまで来たら、もう何にも心配はいらない。どんな道でも。というような力強さを感じる「八月の疾走」で終わるのがいい。たくさんの人に聞いてもらいたい「Style」になりました。

高橋さん、最高の作品に参加させていただきありがとうございました。次の作品も楽しみにしています。駄文失礼いたしました。


sugarbeans/佐藤友亮




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『Style』に寄せて

text by 溝渕ケンイチロウ


僕が高橋徹也と再会したのは、そう、2016年の夏。下北沢の馴染みのライブカフェ「風知空知」での共演でした。その前に会ったのは恐らく20代の後半だったと思うけど(時間が開きすぎ)、この会わなかった期間をお互いに走り抜けて来たんだなって言うのがライブを観て一目瞭然で、これと言って余計な会話は必要が無かった気がします。でもね、実は使っているリハスタがカスタネッツと同じだったので何度か見かけてるんよね。当然、徹也くんは話しかけるなオーラをまとい、僕は見て見ぬふりをしていました。多分、何回か目が合ったと思うんだけど。笑

再会以来は僕が東京に行った時にタイミングが合えば会ったり、普段はたまにメールでやり取りをしています。メールと言うか文通のニュアンスですかね。音楽そのものや、それを取り巻く活動に関して、おっさん同士が暑苦しいやり取りをしています。おっさん同士ですが同志です。意識できる友人が居るのはとても有り難いことだなって感謝をしています。徹也くんて、そのパブリックイメージ(孤高の天才、ニヒルでクールな佇まい)に反し、めちゃくちゃ熱くてロックな人で、音楽信念も絶対にブレないし、その辺に居る見た目や口先がマッチョなロックバンドより遥かにマインドがマッチョなんです。

さて、やっとこさ徹也くんの新譜「Style」に触れようと思います。僕は同級生である高橋徹也に、悔しいかな羨望の眼差ししかありません。いや、これはね、真似しようと思っても出来ないよ。なんなんだろこの人。CDの再生ボタンを押した瞬間にストーリーテラー高橋徹也が現れます。徹也くんの過去作品もそうだけど、1枚を聴き終えたあとの混沌を越えた清涼感と言う味。まさにストーリーテラーなんですよね。どこぞのツイッターで見かけたのですが、若いSSW(シンガーソングライター)が自らをモデル系SSWと名乗っていて、なんじゃそりゃ?!どんなんやねん?!て思ったんです。落語家を英語で表すとコメディアンと言うよりストーリーテラーの方が的を得ていると聞いた事があります。そう、高橋徹也は落語家系SSW。

哀愁に満ちた物語が進んで行くのです。心象風景と時間軸を浮遊しながら進むストーリー。次はまた違った色彩が見れるのかな?違った場所に着けるのかな?って思って複数回は続けて聴いてしまいます。それはもちろん、バンドアンサンブルやサウンドの耳触りがいいからでもあります。ライティングからサウンドまで全方位に隙が無いです。僕らは、若い頃なら憂鬱になってしまうような出来事も詞世界に閉じ込めることによって、毎日をブライトに過ごす術をいつの間にか身に着けているのだと思います。自分の話で恐縮ですが、今年の春にソロアルバムをリリースし、それに伴って「BINGO LAB(読み:ビンゴラボ)」と言うレーベルを立ち上げました。音楽観や生活観、いわゆる「Style」を提示していきたいなって思っています。衣食住音が目標ですね。徹也くんの新譜のタイトルは「Style」です。歩幅や、その足先が向いてる方角がシンクロしているのは、人生がある程度進んでしまった同世代ならではのシンパシー。心強い同志の、心強い新譜を聴いて、俺らはまだまだやれるなって。創作への欲が沸々とわいてくるのと同時に、何度聴いても胸がいっぱいになってしまう「Style」と言うアルバムの世界に、唯一無二の高橋徹也を見ます。恐ろしい男です。

 

溝渕ケンイチロウ(DQS、ex.ザ・カスタネッツ、ex.セロファン)





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『Style』に寄せて

text by 斉藤健介(風知空知)


高橋徹也さんが、年齢を公表してるかは不明なのですが、僕が中1の時に徹也さんが中3という年齢差で、きっかけは、ピロウズさわおさんのオススメのアーティストということで、その存在を知ったその日から、まさに憧れの先輩という眼差しで、徹也さんのキャリアを追って20年弱の月日が経ちました。

自分も40代中盤に差し掛かる年齢になって、年のせいなのか?以前よりも増して、焦点のボヤけた頭と、引きずるような重たい足取りで、毎日をなんとなくやり過ごしています。(高橋さんは、常にお若くて。きっと、ストイックに自制されてるんだろうなあ、、)

新作「Style」を再生してみる。1~3曲目までは、起き抜けの頭でなんとなく聴いていた。(ただ2曲目の後半で「ボンジュ~ル、ボンジュール、、(?)」と、それまでの歌詞と関係のない謎の単語を連呼しだした!と思い少しニヤッとしてしまった。)

そして、

4曲目は、わりとむかしからLiveでは演奏されている「雨宿り」。何故かこの曲で、一気に目が覚めて、覚醒してしまった。歌詞とメロディーその世界観に、すーっと入り込んでしまう、往年の高橋徹也さんの唯一無二の魔法が効いたのだ。

やがて、

ぼくはベランダに出てタバコを吸う。(タバコを吸うことが止められないのだ。)

そして、
今日もまた、どうしようもできない1日が始まることに気づき、また5,6曲目と聴き流していく。

そして「夕暮れ星」のイントロが流れる。

一音一音を噛みしめるように聴き、感情が揺さぶられる。1日はまだ始まったばかりなのに、ぼくの気持ちは既に“夕暮れ”だななんて思いながら、、笑
 

ただ、
どこか諦めたようなその気分と同時に、優しい風が入り込んでくる心地良さに救われるような気持ちになった。

そして「真夜中のメリーゴーランド」
そうこなくっちゃ!と思わせるご機嫌なスキャットとバンドがスウィングするダンスナンバーだ。この曲で1日を乗り越えていくような、そんなエネルギーが溢れてくる。

やがて、アルバムはあと2曲。
「花火」で歌われる喪失感は、80年代に少年期を過ごした同世代にとっては、より感情を揺さぶられるような、、そんな歌だ。高橋さんの全キャリアにおいても、自分的にはハイライトだ。

以前、高橋徹也さんに、「REFLECTIONS」に収録されている「もういいかい」という曲の”やりたくないのにやりたくはない”というフレーズに、自分の価値観がとても影響されていると伝えたところ、「僕だって、やりたくないことやってますよ・笑」と、一笑された記憶があります。笑

それでは、今夜も
”夜寝る前に結論は出さずに”
ベッドに入るとしますか、、。


斉藤健介(風知空知)

 

 

 

 

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